新自由主義(ネオリベラリズム)の中心的人物とも分類されるミルトン・フリードマン、彼はマネタリストです。
マネタリストが掲げるマネタリズムは貨幣数量説(実際には新貨幣数量説)を理論的基礎においていることから、フリードマンと貨幣数量説には深い関係があります。
貨幣数量説という言葉の響きと、リフレ派の主張する金融緩和政策が似ていることから、リフレ派は新自由主義と同じだなどという決めつけが蔓延しています。
おそらく、このマネタリスト、新貨幣数量説を誤解している人が多いことを悪用したものでしょう。
フリードマンが提唱したマネタリズムは金融からも財政からも裁量を一切排除するという思想です。目標はあくまで貨幣供給量であって、実体経済がどうなろうが一切無視。
「K%ルール」でググってみて下さい。中銀はそのルールにだけしたがって行動し、あとは何もしない。すべて市場に任せて放置する。大震災があってもリーマンショックがあってもおかまいなし。
だから、フリードマンの直系の弟子の白川はリーマン・ショックのような恐慌や大震災があっても何もしなかったのです。金融政策の副作用だけを述べて実質何もやらなかった。
日本で十数年もデフレが続いていたのも、おそらくこれが遠因です。
他方、リフレは恐慌・デフレ期には中銀による国債買い取りを増やすという裁量を認める政策で、目標は予想インフレ率であり失業率です。
だから、デフレから脱却するために、大胆な金融緩和や機動的な財政政策を認めるのです。同じようであっても180度違います。
貨幣供給量という手段を目標にするのか、結果を目標とするのかの違いです。
白川日銀は常にちょっとずつ貨幣供給をするという愚を犯し日本経済を破壊した。
一方、黒田日銀は大胆にレジーム・チェンジし、日本経済復活のきっかけを作った。
なお、ケインズ主義は政府支出財政において裁量を認めるという考えです。こちらの考えも実体経済を目標としたものです。
要するに、大胆な金融緩和と機動的な財政政策を掲げるアベノミクスは、政治の裁量を一切排除する新自由主義とは真逆なのです。
北朝鮮を見ればわかるように、経済がダメな国は国力も弱まり、国防も貧弱になります。ですから、非常に重要です。
私から見れば、リフレと新自由主義の区別がつかない人というのは、恐ろしいことに、正しいことに反対し、間違ったことに賛成することになるため、「政治を語る資格はない」と言わせてもらいます。
p.s.
マネタリズムそのものが間違っているというわけではなく、デフレ下においては間違っているのだということをご留意ください。
関連
新自由主義を理由に自民批判する人たちへ
ハイパーインフレの本当の原因
新自由主義、フリードマン
参考になりましたらクリックお願いします↓↓↓
![](https://img-proxy.blog-video.jp/images?url=http%3A%2F%2Fimage.with2.net%2Fimg%2Fbanner%2Fc%2Fbanner_1%2Fbr_c_1735_1.gif)
社会・経済ニュース ブログランキングへ