




火薬をなめるな! 





火縄銃の火皿は,非常に重要な部品だ。火薬が爆発する薬室へ生火を着火させる場所だし,発砲後は火皿の穴から火薬の燃焼ガスが吹き返して来る。
火縄銃の火皿
私が最初に買った鉄砲は,この火皿の穴が,経年劣化で大きく広がってしまっていた。このため火薬を込めた時,薬室から黒色火薬が火皿へ押し返してきて発火剤の口薬と混じあい不発することが多かった。また,燃焼ガスのふき返しが激しく,目にもよくなかった。火薬が込められた薬室と直結して火薬への導火線の役割を持つ火皿は,火縄銃の生命線ともいえる。
火皿につながる火道と呼ばれる穴が大きくなると,こんなに
大量の燃焼ガスが放出されます。射手の顔が見えません。
薬室に込められる火薬量は,火縄銃の口径の大きさによって,さまざまだ。十匁筒 ( 口径約19 ミリ) なら,空砲演武なら約15 グラムが適量とされている。六匁筒 ( 口径約16 ミリ) なら10 グラム位でよいだろう。
火縄銃の発砲の仕組み
適量を大幅に上回る火薬を入れ発砲すると,爆発エネルギーに耐えられず鉄砲が破裂する危険がある。数年前にも適量の二倍の火薬を詰め込んで発砲した結果,銃身が破裂し射手が大怪我をするという事故が発生した。次の写真が,その破裂した鉄砲だ。
赤字及び黄色字は,ブログ管理者の推測にすぎません。
この火縄銃は,全長が約1メートル,銃身長が2 尺2 ~3 寸の軍用火縄銃のようで,写真の風格から口径は4 匁半( 口径約14.3 ミリ) から6 匁( 口径約16 ミリ) くらいの鉄砲と思われる。警察発表によれば,この鉄砲の破裂原因は火薬の二重装填,いわゆる火薬の二度詰めが原因だという。警察発表やインターネット情報を総合すると,10 グラムの火薬を二度詰めし20 グラムの火薬を用いて発砲した結果,このようなことがおこったらしい。
わずか20 グラムの火薬が,銃身を破裂させ射手に大怪我を負わせたと推測される。火縄銃の演武を行う者は,ゆめゆめ,火薬をなめてはいけないということだ。
新年にあたり,もう二度と同じような悲惨なことが起こらないよう,心を鬼にして書かせていただきました。怪我をされた方や団体関係者の方々のお気持ちを傷つけたことをお許しください。<m(__)m>
落とし物、交番に届けたことある?
▼本日限定!ブログスタンプ