バロンドォォォォォル!!1巻
四谷孝志
「悔しくて泣いたことありますか?
上手くなりたくて でもなれなくて
自分が嫌になったことありますか?」
「あるわけないだろ!!
俺は才能の塊だからな…」
「なら…
絶対負けないっス!!」
月刊少年ライバルで連載中の、サッカー漫画。
Amazonでもブクログでもまだ未評価のようですが、熱くて真っ直ぐな王道サッカー漫画としてお薦めできる作品です。
主人公、亥野世一(いのよいち)。
世界で一番と書く名前が表す通り、サッカーの世界一であり作題にもなっている「バロンドール」を目指す物語。
この主人公の造形がまず良いです。
特別な才能は何もなくとも、子供の頃から誰よりもサッカー大好き。
呆れるくらいに毎日練習し、誰よりも上手く強くなるために努力する。
その泥臭く、真っ直ぐな姿が清々しいです。
そして、誰よりも好きであるが故にポジションに拘りはなく、何とフォワードからゴールキーパーまでこなすポリバレント。
サブとしてではなく、全てのポジションで一流の働きができる、かつて存在しなかったポリバレントに彼はなろうとします。
主人公のポジションが不定のサッカー漫画というと『リベロの武田』を思い出しますが、それ以上にどこでもこなす世一。
上記の初登場時も、審判をやりつつ「審判目線のサッカーもたまにはいいものっスね」といった具合です。
サッカーが世界で一番好きだからこそ、今までのサッカー史上でも一番の選手になるという大目標。
基本的に礼儀正しく真面目なキャラですが、抜けている所や和風の物を好む変わった部分など愛嬌もあり、憎めません。
サッカーといえば団体競技ですが、周りを固めるキャラもライバルキャラの187cmの長身イケメン富士峰を中心に、サイドバックの香森センパイなどいいキャラが揃っています。
今後も様々なキャラが出て来そうで、話が進んで皆で試合をするのが楽しみですね。
巻末には「バロンドール列伝」として、歴代のバロンドール獲得選手を紹介するコラムとオマケ漫画も掲載。
富士峰と世一の対照的なメッシに対する姿勢が面白いです。
まだ1巻目ですが、今後に大いに期待の王道スポ根マンガ。
サッカー漫画好きの方は是非ともチェックを。
70点。