フェイクニュース | いきょくのまねーじゃーのブログ

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市立砺波総合病院の整形外科医です

「フェイクニュース」

 

 ドラマもたまに観ると面白いと思った。NHKの土曜ドラマ「フェイクニュース」に考えさせられた。

https://www.nhk.or.jp/dodra/fakenews/

 

 「フェイクニュース」というとトランプ大統領を連想してしまう。トランプ大統領は、自分に都合が悪い情報を「フェイクニュースだ」と言い切る。その真偽はどちらでも良い。都合が悪いから「フェイクニュース」。こんな風にわかりやすいことばかりではない。

 

 この世の中情報が溢れている。医療に関しても多くの「フェイクニュース」とも言える情報だらけである。少し前には、真実だと思われていた情報も時が経ち、いろんな研究の末、間違いだったと証明されることもある。以前は真実でも、今では「フェイクニュース」になってしまった情報だってあるように思う。

 

 意図的に「フェイクニュース」を流す人もいる。その理由は様々である。そして、その情報に振り回される多くの人は「フェイクニュース」をあたかも真実であるかのようになってしまう。

 

 このドラマの中の「人の感情でそう見えてしまうことがある」というセリフにはっとさせられた。私が患者さんを診る時、大丈夫だと思いたい感情のために異常を見逃すことがある。先日も救急で危ないところで重大な疾患を見逃しそうになって放射線科の先生に指摘していただいた。逆に何かあって欲しいと思うあまりに異常でないものにまで病気と診断していることがある。それは私だけではないと思う。例えば、脳脊髄液減少症候群という疾患が提唱されているが、個人的には「フェイクニュース」だと考えている。

 

 いかに冷静に情報を取捨選択し、正しい判断を下すか…それは、人間らしさを捨てるか動物的な本能を磨くしかにように思えてしまう。ある意味対局にあえう二つを満たすようで難しいなあ。