以下、我々もリアルアースから仮想アースの使い方参考になりますので、アコリバ石黒社長からダイナミックオーディオ川又店長から要望のあった、CAD3の問題点とは何かに関連したものを引用します。
ダイナミックオーディオ川又店長メールから引用。
>石黒社長様に他では現象が発生していないという理由をお尋ね頂きまして、私にお教え頂けないでしょうか。
以下アコリバ石黒社長からのメールを転載。
発生していないのはでなく、発生していることに気付いていないのだと思います。
「接地アース」においてアースループが出来た場合、ハムノイズなどが如実に出ることがありますが、「仮想アース」におけるアースループは聴感的に明らかに判るハムノイズなどが出ることは稀です。
但し、仮想アース内部でアース線が繋がっている場合、複数のアース線を機器に繋げば確実にアースループは発生しますし、平蔵さんの真空管アンプのようにアースループ形成によるアンテナ効果によってノイズを拾ってしまう場合もあります。
アースループはハムノイズが出ていなくても確実に音質は劣化します。
それは音抜けの悪さ、抑制感、チャンネルセパレーションの悪さ、動的なSN比の劣化のような形で音に現れます。
これらの音質劣化はハムノイズのような明らかなノイズではないので、聴感的には判り難いですし元々のSN比が高いシステムでないと感知出来ない場合も考えられます。
また、3Pの電源ケーブルを多用しているシステムの場合は既に電源ケーブルにてアースループが発生しているため仮想アースでのアースループによる音質劣化に気付けない可能性もあります。
(※3P電源ケーブルを多用した場合、接地アースを引いていなくても電源タップなどを介してアースループは発生します)
電子基板と筐体で別々にアースを落とすと効果的な機器があるとのことですが、これは基盤と筐体がアースが繋がっておらず、基盤アースがフローティングしている場合に限られます。
通常の機器は基盤アースと筐体アースが繋がっていることが多いため、両方に繋ぐことでアースループを形成してしまいます。
仮想アースにてアースループが発生してるかどうかのテストは現在複数のアースケーブルが繋がっていたら1本1本外してみることです。
アースケーブルを1本ずつ外した時点で音質が向上すれば、それはアースループが形成されていた証になります。
接地アースの場合はアースループが形成されるとオーディオ機器のシャーシ電位も上がってしまうのでこれはテスターで簡単に検知することが可能ですが、仮想アースにてシャーシ電位に差が出るかどうかは不明です。
オーディオシステムでアースを落とす場合は光ケーブルの使用や前途の基盤アースと筐体アースが分離されている場合を除けば基本的に一点アースで落とす必要があります。
特に電源ケーブルは3P仕様を多用すれば確実にアースループが形成される確率が上がりますので注意と対策が必要です。
またクリーン電源やトランスなどを使用した場合は更にアース環境は複雑化しますが、これはまた別の話ですので割愛させて頂きます。
アースにつきましては意外と判っていない業者も多く、中には高額な接地工事をしながらデジタルアナログ分離接地工事と称してわざわざ巨大なアースループを作ってしまっている業者までいます。
アースループは言葉での説明が簡単なようで難しいので必要であればご説明に伺っても構いません。
宜しくお願い致します。
ACOUSTIC REVIVE 石黒 謙、