カラパイア:心を読み取るAIが、意識のない人とのコミュニケーションを可能にする未来 2022年08月30日より転載します。
貼り付け開始
https://karapaia.com/archives/52315603.html
![AIが意識不明者の意識を読み取る](https://livedoor.blogimg.jp/karapaia_zaeega/imgs/2/7/27736427.jpg)
心のプライバシーなど無意味なものとなってしまう未来が来ているのかもしれない。
最新のAIは、人間の脳の中を覗き込み、その人が目にしている顔をそっくりそのまま描き出すことができる。
オランダ、ラドバウド大学の研究者によれば、この技術が発展すれば、いずれは寝ている間に見る夢を再現したり、昏睡状態で意識がない人とコミュニケーションを交わせるようにすらなるかもしれないそうだ。
この成果は『Scientific Reports』(2022年1月7日付)で発表された。
あなたが誰かの顔写真を見ているとしよう。最新のAIは、その間の視覚野の神経活動を機能的磁気共鳴画像法(fMRI)でスキャンし、あなたが目にしている顔をそっくりそのまま再現できる。
その正確さは、ご覧のとおり。完全に同じではないにせよ、元の顔の特徴が不気味なほど正確に再現されていることがわかる。
上段は被験者に提示された写真。下段はAIがその脳の活動から再現した画像
この研究の中心人物である、ラドバウド大学のティルザ・ダード氏は、fMRIとAIを使ったシステムで、将来的には心を読めるようになるだろうとMail Onlineで語っている。
「目で見ている顔だけでなく、母親のような、誰もがはっきり思い浮べられる顔も正確に描けるようになるでしょう」
この技術を発展させれば、夢のような主観的な体験を再現したり、昏睡状態にある患者と会話するといったことすら可能になるかもしれないそうだ。
Inside the Dutch machine that can read people's minds
驚異的なAIといえど、自分が何をするべきかまずは学習しなければならない。そのため、この実験に先立ち、被験者にはさまざまな顔が提示され、その間の脳の様子がスキャンされた。
ここで大切なのは、被験者に提示された顔が実在の人物のものではなかったことだ。
それはいわば”ペイント・バイ・ナンバー”(線の中に数字が割り振られており、数字に対応する色を塗ると絵が完成する塗り絵)のようなもので、小さなドット1つ1つに固有のコンピュータープログラムコードが与えられた画像だった。
AIは、このトレーニング用画像に対して人間の脳がどう反応したのか学習。これによって得られたデータをもとに、今度は脳の反応から人間が今目にしているだろう画像を推測できるようになった。
またMail Onlineによるなら、fMRIの進化も大きなポイントであるようだ。たとえば、昨年末フランスとドイツの研究者が、世界最強の脳スキャナーを開発している。
その「イゾルデ(Iseult)」というfMRIの心臓部には、11.7テスラという強力な磁石が内蔵されている。これは一般的な病院にあるMRIの3.9~7.8倍の磁力だ。
この強力なパワーによって、イゾルデは100ミクロンという精細さで、脳細胞のネットワークや発火の様子を調べることができる。
ダード氏らは今回、人の心を覗き込むAIを開発した。だが、本来の研究は目が見えなくなった人の視力を取り戻すことなのだそうだ。
「脳を刺激して、目を見えるようにする移植型カメラを開発しています」と、ダード氏は説明する。
まだ未発表だが、マカク(オナガザルの仲間)にカメラ付き視覚インプラントを移植するという実験が行われている。
このマカクに顔写真を見せて、その脳をスキャンしたところ、AIはきちんと顔を描き出したという。つまり、マカクが移植されたカメラを通じて、顔を見ていることが証明されたということだ。
References:Hyperrealistic neural decoding for reconstructing faces from fMRI activations via the GAN latent space | Scientific Reports / written by hiroching / edited by / parumo
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人の心を読むAI(人工知能)。脳をスキャンし、人が心に思い浮かべた顔を再現する事に成功(カナダ研究)
人間の脳波を使用して壁の向こう側を透視することができるAI「ゴーストイメージング」
AIで脳波を調べることで、個々にあった適切なうつ病の治療が行える可能性(米研究)
あなたの好きなタイプはお見通し。脳波から「好みの顔」を読み取るAIが登場、理想の顔を自動生成
脳のごくわずかな領域に「意識のエンジン」が発見される(米研究)
貼り付け終わり、
https://karapaia.com/archives/52315603.html
![AIが意識不明者の意識を読み取る](https://livedoor.blogimg.jp/karapaia_zaeega/imgs/2/7/27736427.jpg)
心のプライバシーなど無意味なものとなってしまう未来が来ているのかもしれない。
最新のAIは、人間の脳の中を覗き込み、その人が目にしている顔をそっくりそのまま描き出すことができる。
オランダ、ラドバウド大学の研究者によれば、この技術が発展すれば、いずれは寝ている間に見る夢を再現したり、昏睡状態で意識がない人とコミュニケーションを交わせるようにすらなるかもしれないそうだ。
この成果は『Scientific Reports』(2022年1月7日付)で発表された。
脳をスキャンして、人間が目にしている顔を再現
あなたが誰かの顔写真を見ているとしよう。最新のAIは、その間の視覚野の神経活動を機能的磁気共鳴画像法(fMRI)でスキャンし、あなたが目にしている顔をそっくりそのまま再現できる。
その正確さは、ご覧のとおり。完全に同じではないにせよ、元の顔の特徴が不気味なほど正確に再現されていることがわかる。
![1](https://livedoor.blogimg.jp/karapaia_zaeega/imgs/b/c/bca1c310.jpg)
意識のない人とのコミュニケーションも可能に
この研究の中心人物である、ラドバウド大学のティルザ・ダード氏は、fMRIとAIを使ったシステムで、将来的には心を読めるようになるだろうとMail Onlineで語っている。
「目で見ている顔だけでなく、母親のような、誰もがはっきり思い浮べられる顔も正確に描けるようになるでしょう」
この技術を発展させれば、夢のような主観的な体験を再現したり、昏睡状態にある患者と会話するといったことすら可能になるかもしれないそうだ。
Inside the Dutch machine that can read people's minds
架空の顔への脳の反応から学習
驚異的なAIといえど、自分が何をするべきかまずは学習しなければならない。そのため、この実験に先立ち、被験者にはさまざまな顔が提示され、その間の脳の様子がスキャンされた。
ここで大切なのは、被験者に提示された顔が実在の人物のものではなかったことだ。
それはいわば”ペイント・バイ・ナンバー”(線の中に数字が割り振られており、数字に対応する色を塗ると絵が完成する塗り絵)のようなもので、小さなドット1つ1つに固有のコンピュータープログラムコードが与えられた画像だった。
AIは、このトレーニング用画像に対して人間の脳がどう反応したのか学習。これによって得られたデータをもとに、今度は脳の反応から人間が今目にしているだろう画像を推測できるようになった。
またMail Onlineによるなら、fMRIの進化も大きなポイントであるようだ。たとえば、昨年末フランスとドイツの研究者が、世界最強の脳スキャナーを開発している。
その「イゾルデ(Iseult)」というfMRIの心臓部には、11.7テスラという強力な磁石が内蔵されている。これは一般的な病院にあるMRIの3.9~7.8倍の磁力だ。
この強力なパワーによって、イゾルデは100ミクロンという精細さで、脳細胞のネットワークや発火の様子を調べることができる。
![6](https://livedoor.blogimg.jp/karapaia_zaeega/imgs/a/4/a432dfa1.jpg)
光を失った人の視力を回復させる研究
ダード氏らは今回、人の心を覗き込むAIを開発した。だが、本来の研究は目が見えなくなった人の視力を取り戻すことなのだそうだ。
「脳を刺激して、目を見えるようにする移植型カメラを開発しています」と、ダード氏は説明する。
まだ未発表だが、マカク(オナガザルの仲間)にカメラ付き視覚インプラントを移植するという実験が行われている。
このマカクに顔写真を見せて、その脳をスキャンしたところ、AIはきちんと顔を描き出したという。つまり、マカクが移植されたカメラを通じて、顔を見ていることが証明されたということだ。
References:Hyperrealistic neural decoding for reconstructing faces from fMRI activations via the GAN latent space | Scientific Reports / written by hiroching / edited by / parumo
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人の心を読むAI(人工知能)。脳をスキャンし、人が心に思い浮かべた顔を再現する事に成功(カナダ研究)
人間の脳波を使用して壁の向こう側を透視することができるAI「ゴーストイメージング」
AIで脳波を調べることで、個々にあった適切なうつ病の治療が行える可能性(米研究)
あなたの好きなタイプはお見通し。脳波から「好みの顔」を読み取るAIが登場、理想の顔を自動生成
脳のごくわずかな領域に「意識のエンジン」が発見される(米研究)
貼り付け終わり、