スパルタンXの思ひ出 | 懐古録

懐古録

人はいずれ無くなるのよ

小学4年位の夏ちびっこ沖縄探険隊に参加しました。


北は北海道南は九州まで一艘の船に子ども達をドンドン詰め込みながら沖縄を目指す旅でした。

僕は大阪から船に乗り込みましたが既に東京や北海道から悪ガキが乗ってました。

瀬戸内海を越え九州は鹿児島からも悪ガキが乗って来たのですが、そこにアメリカの悪ガキ達も乗り合わせました。

探険隊リーダー(大人)からアメリカ人の子がゲームコーナーにいるので行っては行けませんよ!と御触れが出ました。

ゲームコーナーと聞いて私は御触れを無視してそこに行ってしまいました。

アメリカンキッズ達は奇声を上げながらゲームをしている。

のぞき込むとゼビウスをやってる。
ゲームをほとんどやった事がないのか下手くそ。


しかもAボタン(地上攻撃)しか連打してない。

僕は笑いながらBボタンを連打してやるとキッズ達は一斉に

NO~‼

と叫んでいる。

私もNO~Bボタン

と叫びながらジェスチャー

すると1人のリーダー格のキッズが
今ハイスコアの勝負をしてる的なニュアンスで話し掛けてきました。

プレイしてるキッズはほぼ泣きながらプレイしている。

仕方なく僕は他のゲームに移動すると今度は黒人キッズ達がスパルタンXをプレイしている。

画面を覗くと移動せずその場でパンチの連打をしている。

僕は怒られる覚悟でレバーを左に動かしました。

すると怒られる処か

WAO‼

と歓声が上がった。

しばらく僕がコントロール
黒人キッズはパンチの連打をしながら日米夢の協力プレイ

言葉の壁を越えた友情が芽生えたような気がしました。

ゲームに慣れた頃に僕は席を立って彼にレバーを渡したのですが

何を勘違いしたのか別の黒人キッズが座りこんでレバーを動かしてる。

僕は間違いを指摘する言葉が思いつかずその後も彼等はコントロールとレバーを別の人が操作してました。

その後さっき泣きながらゼビウスやってた白人キッズが僕の所にやってきて
突然

じゃ~け~んぽー

叫びながらチョキを出したので僕は後出しグーで勝利

それを見た白人キッズ達は

俺も俺もと次々に僕にじゃんけんを挑んできました。

僕は甲板でジュースのかけ合いをしてる日本の都会っこに助けを求めました。

都会っこは大群でやって来てアメリカンキッズ達と日米じゃんけん戦争が勃発。

あちこちで日本人とアメリカ人がじゃんけんで戦っている。

歓声と悲鳴で大騒ぎになった所で

リーダーがやって来まして怒り心頭

誰が原因て事になりスレた都会っこは一斉に僕の方に指を刺しました。

僕はリーダー達の部屋で

あのアメリカ人はUSA軍人の子達だから粗相があってはいけない

ゲーセンする旅ではない

とコンコンと説教を受けた後そのまま大人の部屋で沖縄まで隔離されました。

僕は子どもながらに思いました。

アメリカ軍人の子どもに何で気を使う必要はあるのか?

ゲームコーナーで白人と黒人はなぜ別々だったのか?

白人の子はボタンを触ると怒ってきて

黒人の子はレバーを動かすと歓声が上がった。

約30年前の話

そこにはまだ人種差別が顕著に残っていました。

スパルタンXを見ると未だにあのときの出来事をたまに思い出し

あの時の自分のアホな行動を思い出します。