今日は「靴の日」ということで,
「動物に優しい靴」をご紹介します。
①まずは,
❶人工皮革,❷合成皮革,❸天然素材のヴィーガン材料
の3種類の説明をしてから,
②原材料の
❶パイナップル,❷サボテン,❸キノコ,❹リンゴ,❺トウモロコシ,❻ブドウ
の6種類の説明をし,
③最後に各メーカーの製品をご紹介します。
①非動物性の素材について
❶人工皮革
化学繊維を織ったものにポリウレタン樹脂を染みこませて作る素材で、
より本革に近い素材を再現したものです。
弾力性と柔軟性に優れ、撥水性が高いのが魅力です。
❷合成皮革
布地の表面ににポリウレタンなどでコーティングしたビニール素材です。
水濡れに強くお手入れがしやすいのがポイント。
※いわゆる,環境によろしくないとされるPVC(ポリ塩化ビニル)だし,
中には動物性原料を使っているものもあるので,
こちらはあくまでも「ざっくり非動物性」だと思って下さい。
❸天然由来のヴィーガン材料
主に天然由来の原料を使用したものです。
植物が原料のものが多く、
サスティナビリティを実現するエコな素材ですね!
②天然由来のヴィーガン材料について
❶パイナップル
以前の投稿でも採り上げましたが,
AnanasAnamという会社によって、
廃棄されたパイナップルの葉の繊維などから作られた
「Pinatex素材」です。
素の原料は、フィリピンのパイナップル農場から集められています。
シーズン終わりに収穫されたパイナップルの葉が
“パイナップルスキン”に生まれ変わります。
このパイナップルスキン80%と、
トウモロコシベースのポリ乳酸20%を混合し、
革の代わりに使用できる耐久性のある素材として使えるようになります。
※こちらの半身が写られている方は,
ヴィーガンスニーカーブランド「MoEa」の
日本代理店であるCHEYENNERICH LIFESTYLEの代表の方だと思われます。
❷サボテン
「Adrian and Marte(エイドリアン アンド マルテ)」という会社によって、
「Desserto」という素材が製造されています。
メキシコのサカテカス州にある認定のオーガニックサボテン農場で
栽培されているサボテンを使用しており、
強力な分子結合のお陰で耐摩耗性、摩擦、引き裂き、
引っ張りに強い耐久性があります。
成熟した葉だけを収穫し、
3日間太陽の下で乾燥してから処理をおこない、
安定剤と混合するという手間と時間をかけて作られています。
❸キノコ
アメリカにあるバイオテクノロジーの会社、
ボルトスレッド社(Bolt Threads)が開発したマイロ(Mylo)は、
キノコの支える根の部分にあたる菌糸体から作られました。
特徴は、
天然資源を栄養として2週間で成長するという効率的な生産スピードの上、
再生可能で質感もリアルレザーに勝るとも劣らないクオリティがあります。
最近ではさまざまなハイブランドからの注目を集めており、
アパレルではステラマッカートニーで採用。
後述しますが,靴ではアディダスのスタンスミス
の2022春夏でMyloを使ったモデルが発売されました。
❹リンゴ
アップルスニーカーはFrumatという会社が、
イタリアのジュース業界や繊維メーカーのMABELと綿密に連携を取り、
100%イタリア素材のアップルスキンを作っています。
主にイタリアのジュース産業から発生したリンゴの廃棄物を使用しています。
32%のリンゴ、
34%のオーガニックコットンと34%のリサイクルペットで構成されています。
❺トウモロコシ
「Viridis」という会社により製造されているコーンスキンは、
耐水性や耐久性もありながら、丈夫で柔らかいのが特徴です。
非食用のアメリカンコーンが原料として使用されています。
これをイタリアに輸入し、バイオベース(皮と油)69%と
バイオプラスティック31%が配合されて作られます。
※後述しますが,フランスのブランドVEJAでは、
オーガニックコットンにトウモロコシとヒマシ油の樹脂をコーティングした
C.W.L (Corn Waste Laminate)を靴のアッパーに採用しています。
C.W.Lは全体の50%が食品産業からでる
トウモロコシの廃棄物から作られていて、環境に優しい素材です。
❻ブドウ
グレープスキンは比較的新しい素材です。
「VEGEA」という会社により、イタリアのブドウ園と連携して製造されており、
100%イタリア素材でできています。
ワイン製造時に発生するブドウの残り、植物油、天然繊維などをリサイクルし、
バイオプラスティックやリサイクルされたポリエステル、
安定剤と混合して作られます。
VEGEAは、この革新的な材料の開発により
「Global Change Award」の最優秀賞を受賞しました!
❼番外編:なんと全てが詰まった「ALL INN」!
「ALL IN」は、これまでに挙げたキノコ以外の5つの果物
と植物のすべてを兼ねそろえたレトロ調のモデルです。
グレープスキンの白色ボディに、パイナップル、アップル、サボテン、
コーンのそれぞれの素材と色を組み合わせて作られました。
シンプルな中に個性が散りばめられていて素敵ですよね。
これ,絶対購入したいと思いました!
③ヴィーガンメーカー12選!
❶Will’s Vegan(ウィルズ ヴィーガン)
2012年ロンドン発の、
ヴィーガンアパレルで持続可能なファッションをリードするブランドです。
イギリスのブランドですがドイツなどでも有名です。
すべての商品がヴィーガン協会に登録されており、
商標がエンボス加工されています。
素材には、北欧でカーボンニュートラルなプロセスで栽培された
有機穀物から採取したバイオオイルから作られた、
イタリア製の手作りヴィーガンレザーが使用されています。
通気性、耐久性にも優れているため、
使いやすさの観点からもおすすめのブランドです。
ラインナップも豊富で、プライベートで履くスニーカーから、
仕事用のヴィーガンレザー靴やブーツなどいろいろあります。
併せて財布やカバンなども作っています。
全体的な特徴としておしゃれです。
見た目もすごくかっこいいので是非チェックしてみてください。
❷MATT & NAT(マット アンド ナット)
1995年カナダ・モントリオール発の、
ヴィーガンアパレルで持続可能なファッションをリードするブランドです。
ブランド名は、Material(素材)+ Nature(自然)から来ています。
「美しく生きる」というシンプルなモットーに基づき、
設立当初から革や動物由来の素材を使用しないことを約束しています!
長年にわたり、リサイクルナイロン、段ボール、ゴム、
コルクなどのさまざまなリサイクル素材を活用している、
全世界で愛され続けているサステナブルブランドです!
❸Womsh(ウォムシュ) ヴィーガンシューズ
Choose the Change(変化を選べ)というモットーのもと、
サステナブルで美しいデザインのスニーカーを展開する
イタリア発のブランドです。
アッパーは、りんごからできた繊維にポリウレタンを塗布した代替レザーから、
裏地は、綿とヴィーガンアップルスキンから作られていたりします。
パッケージには、リサイクルされた環境に優しいものが使用されています。
❹VEJA(ヴェジャ)
投稿の途中で言及しました,
フランス発のサステナブルなシューズブランドです。
アッパーに、100%リサイクルポリエステル製のメッシュを使っています。
破片状にした再生ペットボトルをブラジルの工場で繊維に加工した素材です。
シューズ1足あたり、3本のペットボトルが使用されています。
軽いB-メッシュ素材は、すぐれた通気性と撥水性を特色としています。
写真を掲載できないのが残念ですが,
シューズの側面に「V」のマークが際立っており,
まさにVeganのVを彷彿とさせる製品です!
❺adidas(アディダス):STAN SMITH(スタン スミス)
adidas(アディダス)は、来年の2024年までに
使用するポリエステルを再生材料のみにするという取り組みを行っています。
約50年にわたり、ブランドのアイコンとして
大きな存在感を放ってきたSTAN SMITH(スタンスミス)は、
2021年にリニューアルし、サステナブルな素材を使用した、
ヴィーガンシューズになりました。
素材には、高機能リサイクル素材シリーズの一つ、
プライムグリーンを採用しています。
アッパー部分の50%はリサイクル素材でできており、
バージンポリエステルは不使用です。
これもお伝えできなくて非常に残念なのですが,
特にどこまでも限りなく真っ白なシューズは必見です!!
❻NIKE(ナイキ):AIR JORDAN1 KO(エア ジョーダン1 コー)
アメリカのシンガーソングライター、ビリー・アイリッシュが
AIR JORDAN(エアジョーダン)シリーズと
コラボレーションしたスニーカーです。
目を引くライムグリーンカラーが素敵なんです!
(お伝えできなくてすみません!)
ちなみにビリー・アイリッシュ自身、13歳のころからヴィーガンであり、
食生活だけでなくファッションにもヴィーガンを取り入れています。
AIR JORDAN1 KO(エア ジョーダン1 コー)のアッパーには、
合成皮革が採用されており、
重量の20%以上にリサイクル素材が使用されています。
❼VANS(ヴァンズ):Eco Theory(エコセオリー)
Vans Eco Theory Collection(ヴァンズ エコ セオリー コレクション)は、
ヴァンズファンが愛するクラシックなルッキングを保ちながら、
自然や社会の生態系への悪影響を最小限に抑えプラスの効果をもたらすよう、
愛され続ける定番シューズを一から作りなおしたコレクションです。
素材には、オーガニックコットン、新しいEco Vans(エコバンズ)天然ゴム、
ジュートレース、コルクライニングのフットベッド、
水性インクと接着剤を使用しています。
❽ドクターマーチン
ドクターマーチンは60年も続くイギリスの老舗です。
ヨーロッパのヴィーガン界隈で人気で、履いている人が多いそうです。
見た目は革靴なのですが、
材料は「ポリエステルとコットンを混紡したベースにポリウレタン加工を施し、
ツートン仕上げを施したヴィーガン素材」を使っています。
ドクターマーチンは男性なら一度はあこがれた靴なので、
ぜひこの機会にヴィーガンのドクターマーチンを履いて街に繰り出しましょう!
ドクターマーチンの出身地であるイギリスサイズなので、
日本でいう25cm, 27cm, 29cmがあります。
❾サッカニー
ジョギングシューズの専門の靴のブランドです。
1898年創業のアメリカ最古のランニング用品専門のブランドなのですが、
ドイツなどでも結構有名です。
アメリカのセレブも使っていて、
ジェニファー・ローレンスやテイラー・スウィフト、ジェシカ・アルバなども、
このブランドのジョギングシューズを使っています。
サッカニーにヴィーガンシューズはあるのですが、
数はあまり多くなく、特に女性用は少ないかもしれません。
女性用で動物製品を使っていないものもあるのですが、
ヴィーガンと記載されていないので判断が難しいかもしれません。
❿Malibu Sandals
メキシコの民族的な履物である“ワラチ”からインスパイアされた
フットウェアを作る南カリフォルニアのブランド・マリブサンダルは、
ヴィーガンレザーを編み込んで作られたサンダルです。
特徴は足にフィットする履き心地で、街でも、ビーチでも、
旅行先でも場所を選ばずに使える1品です。
ヴィーガンと名の付くものは無駄に高価なものが多いのですが、
マリブサンダルの商品は財布にも、環境にも優しい商品が多いです。
⓫Iijin
アメリカ・ロサンゼルス発祥のストリートラグジュアリーブランドで、
主に女性用の靴を作っています。
ロサンゼルスの直営店をはじめ、アジア、イギリス、
ウクライナに60以上の直営店や販売店があります。
ラッパーのスヌープドッグや、
女優のケイトハドソンが使っている事でも有名です。
どちらかというと若い子向けのデザインが多く、
おしゃれでかわいいものが多いです。
⓬BC FootWear(ビーシーフットウェア)
ヴィーガン向けの女性用靴を作っているブランドで、
カリフォルニア発祥です。
Faux Leatherと言って人造皮革を使っており、
以前は一般的にフェイクレザーと呼ばれることが多かったものです。
日本では俗称として合皮と言われることが多いですが、
合皮は動物製品を使っていることもあるので正しい呼び名ではありません。
ブーツにヒール,サンダルやシューズも作っており、
バラエティー豊かでデザインもかわいいので、
ヴィーガンだけでなく一般の人にも人気が出てきています。
特徴は、すべての靴がヴィーガンなので、
いちいち靴の素材を調べなくても安心して購入できます。
とても長くなりましたが,以上になります。
私事になりますが,
私がやっていた剣道も,水泳も,
どちらも「裸足」ということもあって,
私は裸足が大好きで,靴下は特に嫌いです。
(剣道は本当は下着をつけてはダメだし,
水泳に至っては,ほぼ「裸族」ですから,
私は法律がなければ衣服も靴も身につけないと思います。
アフリカのマダガスカルにいた時は露出多めだったので,
本当に快適で,今でも「第2の故郷」と呼んでいます。)
そう言えば,
伝説のヴィーガン化ムービー『美しき緑の星』でも,
「切断プログラム『弱』」の影響を受けた男性が,
「靴を脱ぎ捨てる」場面がありました!
人間の「隠す」という行為は,
諸悪の根源だと私は思っています。
ポール・マッカートニーが
「屠殺場がガラス張りだったら,誰もがベジタリアンになるだろう」
と言ったように,
ガラス張りどころか,
その辺で堂々とやったらよろしい。
子供たちの前で,
泣き叫ぶ動物たちを
血だらけで捌いたらよろしい。
なぜ隠すのか。
そこには恥と罪悪感があるからです。
人間は元々裸だったのだから,
裸に戻ったら変わるんじゃないかなぁ。
「裸一貫」というように。
全てはBack to Basic(原点回帰)だと思うのです。
実際,外国には
"Free nipples"(乳首を解放しよう)と言って,
男性は上半身裸で許されるのだから,
女性も許されて当然では?という考え方があります。
見ようとしなくても見えているのが普通なのだから,
性犯罪もグッと少なくなるでしょう。
そもそも動物だけが,
人間からの視線や蹂躙を許されていて,
人間は頑強にそれをガードするって,
おかしくないですか!?
それが「種差別」に発展していく訳です。
まぁ,でも,
それが新しい(というか良い意味で古い?)常識となるまでは,
誰の犠牲もない服と靴を選びたいものです。
特に弱者である動物の犠牲は避けましょうよ。
皆さん,どうかご協力,宜しくお願いします。
本日の長い投稿も最後までお読み頂き,ありがとうございました。
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