今日は自分へのアウトプットも兼ねて、僕が個人的に洞察し、全て自分の実体験として得た話を書かせて頂こうと思います。

若輩者ですが、精いっぱい筆を運びました。


みなさんのお仕事や日常のお悩みに対する問題解決のレベルを高めるために、どんなジャンルのお仕事にとってもそれなりに参考になるんじゃないかなと思いますので、もし興味がございましたらご一読下さると有り難いです。



もしかしたら、僕と同じ考えの方が既にいらっしゃるかもしれませんし、今この瞬間に同じことを話している方がいるかもしれません。

ご容赦ください。


最近、堀江貴文さんの講演を聞く機会があり、ある事でふと考えるお話がありました。


堀江さんによると、「米国のIT業界で事業を立ち上げて成功している人たちは、大多数がエンジニア(技術者)上がりだ」と言うのです。


何故でしょうかか?


ITの分野で他の人より知識があったからでしょうか?


ITの分野で、他の人に無い突出した才能があったからでしょうか?


もちろん、この2つの事はITという分野で事業を立ち上げるに当たって重要なファクターである事は事実であると思います。


しかし、エンジニアが他と最も違う部分、僕は「努力」であると考えました。


ただ、エンジニアにとっての「努力」とは、一般の方々の思い描いている「努力」とは全く違います。


技術者というのは、その仕事の中で「改良する努力」に占める時間的割合が非常に多いのです。



だから、何か失敗したときに、そこから立ち上がって改良するエネルギーと、頭の使い方と回転が違うのです。


一般の方が悩んでしまうような障壁が出てきたとき、口笛を吹きながら楽しんでしまうのがエンジニアなのです。


彼らは、失敗から改良をするのが何より好きなのです。



失敗を成功へ導く為の、専門的な思考訓練を受けていると言っても良いでしょう。

あの職種の人らは、あらゆる困難を自分への試しと悟り、自らの技術を上げるために心の底から楽しんでいるのです。


だから、エンジニア上がりで起業する人の成功率が高いのでしょう。



僕は4年間、旋盤工として日本のモノづくりの仕事に携わりました。

そして、技能五輪出場経験のある、一流の職人の元で徹底的に教育して頂きました。


その実体験から持論としてお話します。


大田区をはじめ、日本には非常に高いレベルのモノづくり、いわゆる製造業を生業とする方々がたくさんいて、日本の国力を縁の下から支えています。


そんな数多くの製造業の中で、僕は金属加工の基本ともいうべき、旋盤工として働くことが出来ました。


僕が担当していたのは所謂「一品モノ」の製作加工です。

主な仕事は原子力発電所や火力発電所で用いられる、ジェットノズルの製作です。


この仕事は今、自分自身の為に最も役に立った経験であると同時に、自分を構成する多様な「思考力」を育てて頂きました。



一品モノの仕事というのは特注品ですから、様々な材質、形状、大きさがあり、同じ製品の製作依頼は二度来ることはありません。


よって、図面を見ただけでは出来上がるかどうかの判断が出来ないモノも度々あります。


初めてで作り方に前例がない、つまり「1からやってみないとわからない」というレベルの依頼です。


そんな中で師匠に教わったのは、「多面的に物事をとらえる思考力を磨け」と口すっぱく言われました。


製品をオシャカにするような失敗は言語道断ですが、やはり経験の差はあります。


僕も、製作にあたって如何にしても突破しがたい困難が次々と壁のように立ちふさがり、困難で諦めかけた事もありました。


そんな中、隣の師匠は飄々と仕事をこなしている。



技術者にとって経験の差というのは、即ち思考力の差だと思い知らされました。


僕と同じ道具、同じ設備環境で一流の品物を上げていく師匠。



師匠には失敗して自信を無くしたり、難しいから諦めるという事が頭の中に欠片も無いのです。

ダメだったら、徹底的に改良するんです。

これを見て、エンジニアという職種の凄さに気付かされたのです。


エンジニアとは、失敗が前提の仕事に対して、どうやったら成功するかという事を24時間フル回転で考えている人たちです。


よって、日常生活の中での失敗や問題に対しても、対応力がまるで違います。


まるで機械に最適な工具、圧力、切削方法を探るかの如く、日常の物事に対して常に多面的な見方をします。


僕の師匠ほどになると、問題解決に対して例えるならば3次元で挑んでいるかのように感じる事すらあります。


「このやり方ではうまく行かないな。作業環境が悪いのかな?それとも工具が悪いのかな?送り速度が速いのかな?遅いのかな?」

「横にしてみると、厚みが薄いからビビりが生じるな。立てて固定してから、切削しよう」

「そのまま立てると上手く行かないから反転させてみるか」

「反転させると工具が届かないから、じゃあ片方づつ加工して、最後に合わせようか」

「片方づつ加工するなら、過去の経験に奢ることなく、大胆に製作工程を変更しよう」

「それでもやっぱりうまく行かないから、もう一つ予備の素材で予行練習しておけばリスクを回避できるな」


こういうことを日常生活の中の悩みで平然とやってのけます(笑)

それもそのスピードが瞬時で、凄まじく速い。


常日頃から現状からの「改善、改良」のことしか考えていないのですから、当然ですよね。


困難に向き合って、成功への方法を探ります。

成功したら、より低いコストで生産的で、かつ品質の良い、より良い製品を生み出します。

その製品が誕生したら、新たな使い道を研究して、他の分野への応用を考えます。


技術者は職人であると同時に、発明家でもあるような気になります。


この思考力は僕の人生の中で、とっても役に立つ技術であり、財産であると思っています。


最近はボケてましたが、僕が起業をするに当たっても再び技術者としての勘と思考が戻ってきました。


技術者の端くれとして、今までの経験は全て生かし切りたいと思います。



失敗や困難にどのように立ち向かっていくか。



このブログをご覧になっている方々に、是非ともアドバイスさせて頂きたいのですが、問題や失敗に対して高い壁にぶつかった時、


「エンジニア」に相談してみると面白いかもしれません。


寡黙で職人気質なイメージのあるエンジニアですが、一度話してみるととんでもないことを平然としゃべったりします。


どこをどう改善すれば成功するのか、スラスラっと平然としながら答えを並べてくれるのは…もしかしたらモノ作りのプロかもしれません。


ですので、製造現場のセミナーや講演は非常に面白いと思います。


品種改良、カイゼンに対するプロのアプローチは非常に面白いですよ。


異業種と言って敬遠するのはもったいないと思います。


是非とも、オススメします。



僕をここまで育ててくれた師匠に対してだからこそ、自分の仕事で恩返し、恩送りがしたい。


多くの方々の仕事に対する誇りに火を付け、志に感動を添えて届けたい。


まずは、この日本を創ってきてくれた団塊の世代の皆さんの為に、よりよい形で華を咲かせるお手伝い出来れば、若者の僕として本当にうれしいです。


さぁ、僕の仕事を認めてもらえるだろうか。