い....今でもマジ足を向けて寝られません!!
何のことかと申しますと、私の漫画を手伝ってくれた歴代のアシスタントの皆様に対してでございます。
今でこそアシスタントに任せていた作画部分の多くをコンピューターが描いてくれるようにはなりましたが、その昔未だスクリーントーンがレトラセットしかなく感覚的なバックを必死に削り加工していたあの時代、カケアミや点描がすべて手描きだったあの時代は、一人の作家に数人のアシスタントがいなければ作品を量産できなかったのです。
しかし....私も含めみんな手でちまちまと本当によく描いていたなあ....
週刊誌に連載を持つことが多い男性漫画家の場合70年代から基本的に専属のアシスタントを数人つけて作画をこなすのが普通でしたが(まれにながやす巧先生のようにお一人で描かれるとんでもない方もいた!!)月刊誌が主な活躍の場である少女漫画家の場合は当時修羅場になると仲良しの同業者(プロの漫画家)を呼んで手伝ってもらうことがとても多かったのです。
で、今回はそんな時代のそんな部分にスポットを当ててみようかなと思いまして.....
閑話休題
で、私が知る限り、70年代の漫画家で最もゴージャスにプロの漫画家を使いつつ華麗に漫画を描かれていたのは、これはもうダントツに一条ゆかり先生をおいてほかには無いと思います!!
特にデザイナーのあたりの凄さときたら....なんたって主要キャラのお一人である執事の柾(まさき)を、かの大矢ちき先生が担当して(なぜ?)描いていたのですからっ!!
しゅ...主役を食ってしまいそうな柾の迫力!!
このあたりのモブキャラもすべて大矢先生なのは一目瞭然。
てか、大矢先生はこの作品と同時期におじゃまさんリュリュというトンデモなく緻密な作画の作品を
同りぼんで連載しているはずですが.....
一体全体なにがどうなっているんだか.....
しかし聞くところによると、一条先生側も大矢先生のリュリュをかなり手伝っておられたのだそうです。
以前一条先生とお食事した時に先生ってば、
ちきちゃんの漫画ってとにかく細かいベタが多くて大変なのよ〜!!
と申しておりました。
眺めてみると確かに。未だ筆ペンとか無い時代ですしね.....
ベタ(黒塗り)が大変そうなページ。
それにしてもなんとまあかっこいい画面構成!!
これも.....大変そう。
リュリュではありませんが、この雪割草という読み切り作品のラストページのこの点描、
なんとすべて一条先生が打ったのだそうです.....
しかも編集さんを隣に待たせて。(ひえええええっ心臓に悪い!!)
ああしかし.....こうしてアップしててもやっぱり大矢先生の絵のうまさってマジ....ホレボレ。
ちなみにリュリュではこのコマに有吉京子先生のモブが!!
そして、超絶画力の大矢ちき先生はなんと大島弓子先生の作品までも
めいっぱい手伝っておられます!!
ロジオン ロマーヌイチ ラスリーニコフより、右側の縦ロングのコマ。
右の黒髪の執事(また執事!!笑)細かく描かれた本棚もまさしく大矢先生のペンタッチ!!
下のベッド。こちらももうペンタッチでわかります!!
モブが見事すぎ。
この書き文字も間違いなく大矢先生。
おそらくこの首元のレースも。
話を一条先生に戻しますと、先生には当時メカ班なるチームがおり、(弓月光先生、新谷かおる先生、聖悠紀先生)
作品に出てくる車や飛行機などのメカ類は、な....なんとすべてこのお三方が描かれていたのだそうです!!(どっしぇーーーーーーっ!!)
お....恐れ多くもそんなお三方がもし私のところへお手伝いに来てくれたりなんかしたら....
正直すべての作画をまかせてしまいそうな勢いですよ!!(それじゃダメだろ)
そして、一条先生はジェミニという読み切り作品においてな....なんと.....
うおおおおお!!あの内田善美先生がここまで大胆に背景とモブをっ!!
ご....豪華すぎますっっっ!!!!
そしてそして....
手伝っている漫画家がわかりやすいという意味では、初期の
くらもちふさこ先生なんかもそうでしょう。
くらもち先生のところで当時もっとも多く手伝っていたのは妹の知子先生と
石井房恵先生ではないかと思うのですが、
ここに槇村さとる先生がっ!!
ジュネさまこと市川ジュン先生も!!
懐かしいところで吉田あかり先生!!
そして....
最近仲良くさせていただいてる笹生那実さんが別マの笹尾なおこ時代
初期のくらもち作品をかなり手伝ってると伺ったことがあるのですが....
くらもち先生はこの時代音楽を扱ったものが多く、観客などのモブシーンを
笹生さんも絶対描いているはずだ!!と思い必死に探した結果、
蘭丸団シリーズ、わずか5センチのロックのなかで見つけました!!イエーイ!!
キャラ一人一人の描きわけがお見事。
最後に....
手前味噌ですが、私の拙作ナインティーンの中には、後にぼくのマリーという作品で
ブレイクした竹内桜先生のモブがそれはもうあちらこちらに出てきます。
う〜む、なんだか当時の私の絵よりはるかに可愛くて上手いんですけどっ!!!!