「RE_PRAY」も終わりFaOI幕張のチケットもなんとか確保できた私ですが、ふと他のアイスショーを見ると、私が知っていた頃とは結構様変わりしていてちょっと驚いてしまいました。
なんなんですかね、あのチケットの値段
1月に福岡でやっていた謎のアイスショー(笑)「BIS F24」とかいうショーは、明らかにお役所が噛んでいたショーですよね?
たぶん企画はどこかのイベント会社なんだろうなぁ。
明らかにフィギュファンではなく海外の裕福層をターゲットとした内容で、ちょっと目ん玉が飛び出てしまいましたよ、私
なんてったって価格が示されているチケットの中で一番高いチケットの価格は1テーブル(4人まで)の席で75万円です
豪華な食事とお土産つき、その他色々あったとしても一人19万弱という価格はフィギュアスケートが好きで見に行くという人達向けの価格ではありません。
その他にも「ジャッジ体験」「アナウンサー体験」「カメラマン体験」などの席は5万円。
最前列席ではないので、これはあくまで「体験」がメインでアイスショーを楽しみに行くという感じではないんだと思います。
「体験」とつくものは大体お役所絡みの匂いがしますよね。
まあ、補助金狙いのイベントなんでしょう。
「BIS F24」は国土交通省官公庁の観光再始動事業の一環で、運営は福岡県スポーツ推進基金というところです。
観光再始動事業といってもすでにあちこちでオーバーツーリズムが起きているほど観光客は戻ってきているので今さらやる必要があるのかどうか疑問には思うのですが、役所が補助金を出すと言っているんだから企画して立ち上げてイベントやって補助金をもらう。依頼されたらそれなりの形にはする、という形でしょうか。
裕福層はもうグルメや観光は経験しつくしたので、今まで体験したことのないものを求めてお金を使います。
なので、「最近中国人にフィギュアが人気のようだ。その中で他では経験できない『体験』を盛り込めば裕福層に受けるだろう」とかなんとか、そういった浅い考えを持った人たちが企画したんだろうなぁと、私なんかはそう勘ぐってしまいます。
そういうショーだとすれば、集客などは二の次です。
もちろん、企業の接待用にも使えますし、VIP席が売れたらそれだけで黒字になるのかもしれません。
その他の席は3000円程度の安い価格設定になっていますから、お気軽にアイスショーを楽しみたいという人には入りやすいショーでしょう。
それにしても、フィギュアを見るというより歓楽施設の中でスケーターが滑っているというか、セレブの人達がポールダンスを見ながら食事をするというか、このイベントにはそんなイメージを感じてしまったんですが、どんなショーだったんでしょうね
出演者は日本のスケーターの他にお笑い芸人数組と韓流の歌手などです。
最近のよしもとは政治の世界にガッツリ食い込んでいますから、韓国のエンタメ業界と日本の役人がタッグを組んで何か日本でやるエンタメを構築しようとしているんでしょうか。
とりあえず、補助金目当てなら観客が入らなくても赤字にはならないのかもしれませんが…。
最近、日本のお祭りでも100万円する海外裕福層向けの桟敷席を作ったりして物議を醸していますが、それもどうなんだろうと思うところはあります。
日本人って、100万円の席に座ってふんぞり返っている外国人より、2~3万円ほどの参加料を払って一緒に御神輿を担いでくれる外国人の方に好感を持つと思うんですよ。
参加する人達もそういう体験の方を求めていると思うんですが、大金を使わせる企画を出してくるあたりが役所絡みの人間たちの視野の狭さというかなんというか…。
ちょっと短絡的だよなあって思っちゃいます。
まあ、企画しているのは大手広告代理店なんでしょうが、そういうところを使うと利益を半分くらい持っていかれるので結局お金は残らないんですけどね。
とりあえず、私としては「あまり触らない方がいいかな」というイメージですね。
最近は政府のカジノ構想もあって、エンタメ業界も色々とキナ臭くなっている雰囲気がありますから、良く分からないものは様子見した方がいいように思います。
で、最近発表された「THE ICE 東京公演」が、これまた同じ匂いがしてちょっと驚いているところです。
4回全公演最前列保障で37万円?
1公演あたり92500円?
ないわー、ちょっとないわー
ケータリングとミート&グリート2回付きとはいえ、キャストが変わるわけじゃないのに複数回のミーグリ?
選手と同じ食事をケータリングでって、席が売れないとケータリング自体がショボくなるとかないの?
37万円を出す「価値」を作れるの?
いやあ、なんかちょっとやっぱり海外の裕福層狙いの価格かなぁ。
37万円の他にも、こっちにもカメラ体験席とかVIP席とかがあるんですが、こちらは1公演13万円!
……大丈夫か?
まあ、結弦くんが試合に出ていた頃、まだ特定興行チケットなどが一般的でなくてダフ屋が高値で転売していた頃、20万以上で売れているのを見て驚いたこともありますから、そういう値段でも買う人がいるっちゃいると思いますよ。
でも、それはあくまで試合でのことですからね。
人生かけて挑んでくる試合と、体調を優先してユルめのプログラムで演技するショーを一緒に考えちゃいけませんよ。
最近の集客に苦戦しているアイスショーを見る限り、そう簡単に「裕福層をおもてなししていっぱいお金を出してもらう」という手法が通用するとも思えないんですけどね。
さらに、今回の「THE ICE 東京公演」は、男子じゃショーマとマリニンくんくらいしかワールドメダリストがいないじゃないですか。
まあ、去年まで座長の役割を担ってくれていたネイサンは今、一生懸命お医者さんになるため勉強に励んでいるという話ですし、アメリカの大学は入学より卒業の方が厳しいみたいですから当分海外のアイスショーに戻ってくることはないんでしょう。
スケートは氷に乗らないとすぐに3回転すら跳べなくなってしまいます。
いくらショーに出て欲しくても、スケーティングが維持できているかどうかは難しいところでしょうから、勉強を頑張っている人に無理を言ってもいけません。
今回の「THE ICE」は、女子スケーターが除外され男子中心になってしまいましたが、これはもうさかもっちゃんがワールドを3連覇してしまったので呼べなくなったってことでしょうか
しかも、ここ数年「THE ICE」を盛り上げてくれていたジェイソンもいないし去年いたシャオ・イムファくんもいない。
ヴァシリエフス、エイモズ、ジュンファン君はいますが、他のスケーターはまだまだ知名度のない選手ばかり。
名前は聞いたことあるけど、これから上がってくるかどうかすら分からない選手ばかりです。
ヨーロッパの選手は特に、いいものを持っていてもなかなか表彰台に届きませんし、当然集客もそれほど期待できないでしょう。
そんなメンバーで37万だの13万だののチケットが売れるのかな?
なんか怖いわぁ…。
こんなチケット価格を見ちゃうと「氷艶 2024」のプレミアムボックスシート80000円が安く感じちゃうから不思議(笑)
こっちも高橋大輔氏と2ショット写真が撮れるとかプログラムがつくとかアフタートークがつくとか、とりあえず特典はあるようですが、それにしても高いです。
最前列のスーパーアリーナ席というわけではなく、スタンドにあるボックスシートなんだと思いますが、2ショット撮影とかはファンには嬉しいでしょうけど、ショーの中身を良くすることよりオマケをつけて高値で売る方向に向かっているのが残念というか何というか…
プレミアムのつかないスーパーアリーナ席でも39000円ですからね。
最近アイスショーのチケット代がインフレしてますが、一気に突き抜けてきたなあという感じです。
でも、以前BSでやったのを見たことあるんですが、フィギュアとお芝居が合っているかどうかと言われたら、ちょっとビミョーだと私は思っているんですよね。
なんというか、ああいったセリフや歌もあるようなお芝居タイプのショーは氷の上でやる意味をあまり感じないというかなんというか…。
特に、モブの方々のヨチヨチしたスケートを見ると、むしろ氷じゃなくてフロアでやった方が迫力が出るんじゃないのかなと思ったんです。
フロアなら男子新体操の群舞を入れたりワイヤーとかも駆使できますし、ダイナミックで迫力のある演出が出来ますよね。
そもそも動きにくい衣装を着たらスケートの良さを殺してしまいますし…。
ああいったゴージャスでスペクタクルなショーを見たければ、旧ジャニーズのショーやスーパー歌舞伎の方が完成度が高くて価格も断然安いです。
今年は「ゆず」さんの楽曲を中心にしたミュージカル風の演出みたいですが、芝居の部分をメインにするならもう少し小さい会場でやった方がいいと思うのは私だけでしょうか。
芝居をやるにはアリーナって大きすぎて、演者と観客が遠すぎますから…。
真央ちゃんも新しい「Everlasting33」というショーをやるようです。
何というか、会場が狭くどうやってリンクを作るのか不思議に思いますが、スケートだけではなく陸ダンスやオーケストラも取り入れた形になるそうです。
ちょっとだけTVでやってるのも見ましたが、エアリアルにも挑戦するそうですし、Kバレエの人とかも参加しているみたいですね。
スケートの比重がどこまであるのかわかりませんが、何か新しい可能性を模索しようとしているのは感じられます。
一番高いチケットは25000円。他のエンタメに比べたら決して安くはありませんが、今までの目ん玉飛び出るチケット代を見た後だとホッとします。
まあ、このショーがアイスショーというカテゴリでいいのかどうかは分かりませんが、色々取り込もうとしているのは理解できますね。
「SOI」の集客は、今のままでは当面改善しそうにありません。
もうエキシビション形式のショーは過渡期に来ているんだと思います。
あの形式で集客できるとしたら、出演スケーターがみんな「TVで見ていたスターぞろい」という時だけでしょう。
でも、そもそも最近の人達はTVを見なくなっています。
どのスポーツもTV放映は無くなりつつありますし、フィギュアもかつてのように視聴率が20%以上取れるような時代じゃなくなっています。
私の周辺では鍵山くんよりタケシの方がまだ知名度があるくらいですよ。
アイスショーの難しいところは、出演スケーターが決まる前に会場を押さえる必要があるということ。
ぶっちゃけ結弦くんが出てくれたら横浜アリーナが埋まるけど、結弦くんが出てくれなければ席は半分も埋まらない。
出てくれるかどうかわからなくても取り敢えず箱は押さえておかなくちゃいけないし、出演が決まっていても怪我などで欠場されたら一気にチケットは売れなくなる…。
どうも、今のSOIはそんな博打のような興行になっているように思います。
なんにしても今のようなエキシビ形式のショーはそろそろ限界です。
荒川さんのトゥーランドットや真央ちゃんのラフマニノフ、それに結弦くんのSEIMEIのように、イントロがかかった瞬間に会場がどよめくような、そんなオーラのあるプログラムが少なくなりましたし、ショーで目を引くプログラムを滑る選手も少なくなりました。
1日2回、合計4プロ滑ることを強いたら、スケーターはみんなスローな曲調を選びますし、それはそれで見ていて退屈になっちゃうんです。
終わった後に「ああ、凄かったねぇ!きれいだったねぇ!」という感想が出てくるような、そんな演技が出来る選手は2~3人いるかどうか。
そんなショーに2万以上払うのはあまりにもコスパが悪いです。
何かを変えなくちゃいけないんです。
旧ジャニーズやスーパー歌舞伎や劇団四季のように、凄かった、また見たいと思わせる何かが必要なんです。
スケーター人気に頼っていたらジリ貧になります。
そこは本当に考えて欲しいと思います。
そういう意味では「Dreams on Ice」も新しく変わっていこうと模索しているようです。
DOIは元々「オフシーズンにアイスショーに出た選手は成績がいい」ということに気づいた当時スケ連にいた城田さんが、CICの真壁さんに相談して「オフシーズンに現役選手がお客さんの前で滑る機会を設ける」ために創設されたショーです。
なので基本的に若手中心。そこにゲストが数組参加する形です。
以前はチケット瞬殺だったDOIも、他のアイスショーと同じく集客に苦戦しているようで、今年は内容を色々変えるようです。
HPによると、グループ分けして実戦のように6分間練習を取り入れるそうで…。
結弦くんがアイスショーに取り入れた6分間練習ですが、あの緊張感がショーとしても見応えがある演目になると広まってきた感じでしょうか。
まあ、6練を取り入れる意味があるショーはDOIくらいでしょうけど、現役選手に競技の擬似体験をしてもらうという意味では面白い試みかもしれません。
なんか、海外のスケオタの方が、最近の集客に苦戦しているアイスショーを観て
「羽生ファンは後輩の支援をするべき」
なんて訳の分からないことを言っていたようですね。
要するに、羽生ファンがアイスショーを埋めて若手スケーターの資金稼ぎに協力せよ、ってことなんでしょう。
何言ってるんでしょうね。
羽生ファンは長年ショーや競技会の席を埋め、スケ連の莫大な資産作りに貢献してきましたよ。
まだその資金は充分に残っているでしょうし、その資金を使って後輩を支援するのは羽生ファンではなくスケ連の仕事ですよ。
まさかスピスケに資金をつぎ込んできたからフィギュアの選手に使うお金が無くなったというわけでもないでしょうし、まだまだ資金はあるはずです。
本当に、アマチュアスポーツの連盟とは思えないほどスケ連の資産は潤沢なハズですから(笑)
それだけの資金があれば選手の支援プログラムなども構築できたでしょうし、30億以上あったでしょうからまだまだしばらくは余裕のハズです。
もう無くなったとは言わせませんよ(笑)
結弦くんが金メダルを取る前、結弦くんだって資金には悩んでいたはずです。
確か結弦くんはANAがスポンサーとしてつく前は、上月財団やIOCから奨学金を得て活動していましたよね?
有望な選手に奨学金やスポンサーを探してくるのも連盟の仕事ですし、少なくとも結弦くんの頃より今の方がスポンサーはつきやすくなっているように思います。
羽生ファンはプロについて行くのに手一杯(笑)
そして、最高に楽しんでいます。
もちろん後輩を応援している羽生ファンもいると思います。
そのファン達を繋ぎ止めるのは選手個人の努力の問題ですし、それ以外のファンを新たに呼び込むのは主催者の仕事です。
フィギュア界を盛り上げるのは連盟の仕事であって羽生ファンの仕事じゃありません。
試合のチケットだって以前はコーチ達にもノルマがあったと聞いたことがありますが、その頃に比べたら全然状況はいいはずです。
アイスショーも、まあ方向性に疑問符がつく部分もありますが、それぞれに頑張っているようです。
フィギュア界ってちょっと独特なところがあって、メダリストが生まれるとそのメダリストを座長に据えた座長公演というのを作りますよね?
しかも、座長公演はその座長より実績が上の人をゲストに呼ぶことが出来ない…。
かつてプルシェンコが自分のショーに結弦くんを呼ぶことはできないと言っていましたが、多分そういった暗黙のルールのようなものがあるんでしょう。
実績が同じであればその国の人気者が座長を務めることに問題はないんでしょうが、結弦くんは五輪2連覇です。
集客も人気も持っていかれることになるので、少なくとも座長公演に結弦くんをゲストで呼ぶのは難しいんでしょう。
SOIのように座長がいないアイスショーであれば誰が出てもいいのかもしれませんが、そうなると今度は成績による序列でトリが誰になるかでファンがやきもきすることになります。
もちろんTHE ICEのように、中京スケーターメインのショーとして立ち上げられたショーであっても座長の実績を上回るゲストが来たことはあります。
真央ちゃんの時代にはソトニコワが。
ショーマの時代にはネイサンが。
なのでその序列も厳密なものではないんでしょうが、メダルによる序列でギャラも決まるようなので、大体の目安にはなっているんじゃないかと思います。
まあ、メダルの色だけではなく集客力でもギャラは変わるんでしょうし開催国の選手が優遇されるのは普通にあると思いますけどね。
しかし、そうやってメダリストごとに座長公演を作っていったことがアイスショーの乱立にもつながっているのかもしれませんし、そういったところの垣根を取っ払って一つにまとめる動きがあってもいい時期になってきているのではないでしょうか。
そうそう、少し話はそれますが、結弦くんのアイスショーで、いい席が外国人に占められていたという不満も目にしたのですが、これは仕方のないことだと思います。
日本人も海外の試合に行くとき、飛行機やホテルとチケットが一緒になったパックを利用するじゃないですか。
その場合、大体が「SS席以上を保障」などといってよい席を日本の旅行会社が押さえているわけです。
海外の人も、自国で売り出されているエアとホテル付のチケットをパックで購入する場合は、すでにいい席を代理店が押さえているんじゃないでしょうかね。
日本人が海外のアリーナ席を埋めるのは当たり前で、海外の人が日本のアリーナを埋めるのは許せないという考えは通らないですよね。
もちろんアイスショーや競技会に来なれていない人たちがアイドルのライブのように奇声を上げるのは追々注意していくしかないと思いますが、少なくとも代理店がいい席を押さえているのは当然のことです。
なんといっても結弦くんの場合、世界中にファンがいます。
先日、自動録画されていた番組に、結弦くんのショーを見るため仙台に行っていたというアメリカ人カップルが出ていました。
中国からだけじゃないんです。
っつーか、結弦くんのショーの方が絶対にインバウンド需要がありますよ。
(もちろんお役所が絡んでくるのはノーサンキューですけどね)
今回も30カ国からチケットの申し込みがあったとのことですし、そのうち日本人の方が少数になるかもしれないですよね。
負けちゃいられないんですよ
というわけで、他のアイスショーにリソースを割く余裕がもう私にはありません。
来年にはどのような変動があるのか、その辺は注目しつつ、羽生プロの情報を追うことに注力したいと思います。
以上