あらゆる暴力に断固抗議する決議について・・・反対討論しました

2023年02月22日

テーマ：: 内子町議会

午前11時から臨時議会が開かれました　

議案１

山王橋の追加工事の変更契約に関する議案

議案２

あらゆる暴力に断固抗議する決議について

以上の2案件でした

議案２は森永和夫議員・久保美博議員・向井一富議員・関根律之議員・塩川まゆみ議員が賛成者となり城戸司議員が提出された案件です

あらゆる暴力に断固抗議する決議について

　1月16日、内子町内の飲食店で女性町議会議員が、成人男性からいきなり顔面を殴られ、全治約2週間の傷を負うという傷害事件が発生した。幸いにも被害を受けた町議の殴打による傷は回復傾向にあるが、本人はもちろん家族や関係者の心のダメージを懸念するものであり、一日も早い回復を心より願うものである。

　今回はたまたま議員である女性が被害者となったことで明るみになったが、暴力被害を受けても声を上げられず、人知れず心身に困難を抱える人はたくさんいることが考えられる。

　暴力は最悪の人権侵害であり、とりわけ社会的に弱い立場に置かれやすい女性に対する暴力は断じて許されることではない。また、こうした事件が契機となり、女性の活動を委縮させるような言動が広がってはならない。

ここに、内子町議会はあらゆる暴力を断固許さない姿勢を明確に示すとともに、町民の安全が守られる、豊かで平和な地域社会に貢献していく決意である。

　以上、決議する。

　令和5年2月22日

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　愛媛県内子町議会

というのが議員発議による決議文です。

　いくら女性に対する暴力事件が起きたといえど、個人的な事件を今の時点で協議したり討論したり決議することが果たして正しいことか、町民が納得する公益に関する決議であるか私は疑問に思いこの議員発議による決議に、私は反対しました。

反対したのは以下の反対討論を読んでいただきたいと思います。

今回の発議第1号に対して反対の立場で討論をします。

　決議とは、議会が行う事実上の意思形成行為で、政治的効果をねらい、あるいは議会の意思を対外的に表明するために行われる議会の議決のことであります。公益に関するものであれば、幅広い事案に関して決議することができることになっています。

　今回の決議案の内容をみると、あらゆる暴力に断固抗議する決議となっています。いかなる理由があっても非人道的な暴力を自己主張の手段として使うことは許されることではありません。私も暴力を断固許さない町を目指すことにはなんら反対するものではありませんが、ただ、今回の決議は、個人的な事件に対して議会が意思表示を示すことであり、今回の暴力事件に対しての決議が果たして公益に関する案件であるか疑問に思うものであります。

　人を殴った加害者がいたとすれば、その人が犯罪を行ったか、行ったとして刑罰はどうすべきかを考えるのが刑事事件で、殴られた人が殴った人に対して治療費や慰謝料などのお金を請求するのが民事事件です。

　現在、被害にあった女性は病院で医師の診断を受けて診断書とともに警察へ被害届を提出しているとまでは聞いています。被害届により、現在、刑事事件や民事事件で取り扱われているとは思われますが、先ほどの同僚議員の質疑の答弁にもありましたように、審議中で結果がまだ出て無いのではないでしょうか。

　今回の事件をきっかけとして、弱い立場に置かれやすい女性に対する社会への呼びかけの機会にしたいという趣旨であっても、個人が個人的にプライベートな時間にプライベートな場所で起きた事件であります。事件の全容や刑罰がはっきりしてない時点での決議は正しいことでしょうか。また、被害者の社会的立場や地位の文言を入れることにより刑罰がはっきりしてない時点で、被害者、加害者が特定されることになります。また、そのことにより事件が起きた飲食店までもが特定されることになり、影響が出ることもあり得ると思います。この議員提案がでた1月20日の全議員協議会でも「あらゆる暴力への抗議」をする決議なら理解できるが、個人が特定される内容の決議は妥当かどうか議会運営委員会で十分協議していただくよう要望していましたが、今回提出された内容はほぼそのままであります。

　いくら女性に対する暴力事件が起きたといえど、個人的な事件を今の時点で協議したり討論したり決議することが果たして正しいことか、町民が納得する公益に関する決議であるか私は疑問に思うものであり、以上のようなことから反対いたします。議員各位のご賛同をよろしくお願いしまして反対討論を終わります。

賛成討論を塩川議員がされて、採決　

反対4名、賛成9名　欠席1名　で可決されました　