ECサイトにありがちな8つの間違い
わたしは(自身の記事を通じて)ECビジネス発展の役にたつ方法について、肯定的で実践的なアドバイスをしようと努めています。しかし今回は、ECサイトにありがちな、事業に損失をあたえる間違いについて探っていきます。このうちいくつかは、わたしの会社での失敗から自ら学んだものですし、売上や利益が減少して支援が必要になったマーチャントから教わったものもあります。
(間違いその1)特定の集客源に依存する
2012年、そして今年と、多くのマーチャントの記憶にあるように、Googleはアルゴリズムを頻繁に変更しています。Googleからの検索流入に頼りきってしまうと、たった1日で、売上が減ってしまうかもしれません。
Google以外であっても、特定の集客源に頼りきってしまうのは間違いです。オーガニック検索、クリック報酬型広告、ソーシャルメディア、アフィリエイト、パートナーサイト、ブログ、その他の広告、メールプロモーション、ダイレクトトラフィックからバランスよく集客することがベストです。
絶えず新しい集客源を確保しましょう。PPC広告はとても高価だと多くのマーチャントが感じていますが、売上の減少を相殺するだけの積極的なキャンペーンは、たとえ薄利であっても大きな強みになります。
(間違いその2)現行の品揃えで満足する
ユーザーの嗜好は常に変化しています。競合企業は代替製品を提供して、価格競争は激しくなります。サプライヤーは製品の生産を中止したり、在庫を切らしたりすることもあります。買い物客は新商品を目にするのが本当に好きなのです。
これを変えていきましょう。
売れすじ商品を確保しつつ、新商品のチェックを怠らないようにしましょう。新商品カテゴリーで試してみてください。商品の幅をひろげ、それぞれにあったプロモーションをしましょう。店におく準備をした新商品のために、新たな集客のルートを確保しましょう。新商品を投入して既存の顧客に販売することが、売上を増やすための最も簡単な方法のひとつです
(間違いその3)ショップを更新しないままにしておく
多くの小規模なECサイトにとって、継続してコンテンツを新しくしたり、新商品を特集したり、プロモーションを行ったり、商品配置をいじったりするのは骨が折れます。
ネットショップに重要なのは、つねに(少なくとも季節ごとに)更新をすることです。一週間ごとにトップページとカテゴリページで新商品を提供するぐらいが理想的です。多くのECサイトにとっては大変な仕事です。しかし、ホームページやいくつかのカテゴリ、プロモーションを定期的に更新するよう努力しましょう。
古くなったプロモーション情報は必ず削除してください。ずっと在庫切れとなっている商品はショップからひっこめてください。定期的にリンクをチェックしてリンク切れは削除しましょう。サイトでの検索結果に、購入可能な商品がきちんと反映されるようにしてください。
(間違いその4)パフォーマンスをチェックしそこなう
これは大きな失敗のポイントです。毎日、KPI(主要業績評価指標)をチェックすることが重要なのです。今年前半のKPIについては「21 Key Performance Indicators for Ecommerce Businesses」で言及しています。
最低でも店舗売上、新規訪問客数、流入元、かご落ち率、精算落ち率、収益、新規顧客、平均注文量、その他の重要な指標を毎日チェックしましょう。クリック報酬型広告のパフォーマンスは少なくとも一週間ごとにチェックしてください。お金を決してムダにしないよう、広告を徹底的に吟味しましょう。
PPC広告の運用を外部に委託した場合は、サプライヤーのパフォーマンスを必ずチェックしてください。結果を出そうという「やる気」を、委託業者はあなたほど持ち合わせていません。こうした業者は、時としてコストパフォーマンスの悪い広告やキャンペーン、キーワードにお金をかけることがあるのです。
(間違いその5)「顧客のニーズをわかっている」と思い込む
「顧客のニーズをよくわかっている」と思い込み、顧客からの情報を全く必要としなくなる、・・という罠に簡単に落ちてしまいます。とくにネットショップの商品ラインナップやデザインに当てはまります。自分やデザイナーの好みだけでデザイン変更を行うことは危険です。
顧客の意見を聞きましょう。十分な集客があるならば、ウェブサイトのデザインについてABテストを実施して下さい。調査(たとえばオンラインチャットの提供、ざっくばらんに顧客の意見を聞く、改善を求めて電話をくれた顧客と話をするなど)をすることで、顧客からのフィードバックを得ましょう。
商品、顧客サービス、ショップ、価格設定などビジネスのあらゆる面についての質問をしましょう。質問をすれば自身の「気づき」に驚くことがあるかもしれません。
(間違いその6)収益増加を狙ってプロモーションに頼る
競争が激化したり、収益が減りはじめると、マーチャントは収益を維持するためにプロモーションに頼る傾向にあります。これは短期戦略としては十分ですが、長期戦略としてはダメです。
割引や送料無料に頼らないユーザー体験を提供する必要があります。説得力のある商品を販売し、リッチコンテンツや優れた顧客サービス、堅実なベネフィットを提供すればいいのです。閲覧しやすくて楽しく買い物ができるショップで、強固なブランドを構築することも重要です。
(間違いその7)モバイルデバイスを無視する
小規模のマーチャントは、モバイルショッピングに大した影響力はないと考えがちですが、これは大変な間違いです。
消費者はタブレットでの買い物やスマートフォンでのメールや検索が大好きです。簡単で使いやすいモバイルアプリも大好きです。すでにモバイル機器への移行は始まっています。モバイル向けの環境を整えなければ、売上は減少するでしょう。
つまり、一部のECサイトは、モバイルストアの構築・提供をサポートするベンダーを見つける必要があるかもしれません。その他のECサイトは、既存のショップをレスポンシブデザインに直す必要があるかもしれません(手引きとして「Getting Started with Responsive Web Design」をご覧ください)。昔からある売り上げの少ないショップにとっては、プラットフォームの変更は最善の選択かもしれません。
これに代わる案を模索していないのであれば、今すぐ始めてみてください。
(間違いその8)競合企業を無視する
通販ビジネスでは、競合企業の販売価格をチェックする自動化ソフトが徐々に使用されるようになってきています。ほとんどのECサイトにとってはやり過ぎだと思いますが、競合企業やその企業の商品、価格戦略を理解し、定期的にチェックすることは重要です。
「競合企業」というのは、新商品のアイデアや売れない商品(在庫一掃セールのページ参照)を知るのに、また、適切な価格設定の基準を測るのにぴったりな情報源です。競合企業の動向をチェックしそこなうと、他企業がある商品を低価格で積極的に販売しているときに、自分は同じ商品を高額で販売している、といった事態も起こりうるのです。
※この記事はpractical ecommerceに掲載された「8 Common Mistakes by Ecommerce Merchants」を翻訳した内容です。
記事の感想:
いかがでしたでしょうか。
「これで大丈夫」という思い込みこそECサイトの収益性をおとす元凶であると理解していただけたと思います。
なかでも間違い6で紹介した「収益増加を狙ってプロモーションに頼る」は、楽天市場のようなモールに出店している店長の多くにとって覚えのある話でしょう。インターネット、中でもECモールには比較されやすい文化があるからこそ、比較されても揺るがないブランドを築くことが重要です。そのためには自社のKPIを把握し、競合を知り、顧客の声を聴いて品揃えやデザインを考えなければいけません。
わたしは(自身の記事を通じて)ECビジネス発展の役にたつ方法について、肯定的で実践的なアドバイスをしようと努めています。しかし今回は、ECサイトにありがちな、事業に損失をあたえる間違いについて探っていきます。このうちいくつかは、わたしの会社での失敗から自ら学んだものですし、売上や利益が減少して支援が必要になったマーチャントから教わったものもあります。
(間違いその1)特定の集客源に依存する
2012年、そして今年と、多くのマーチャントの記憶にあるように、Googleはアルゴリズムを頻繁に変更しています。Googleからの検索流入に頼りきってしまうと、たった1日で、売上が減ってしまうかもしれません。
Google以外であっても、特定の集客源に頼りきってしまうのは間違いです。オーガニック検索、クリック報酬型広告、ソーシャルメディア、アフィリエイト、パートナーサイト、ブログ、その他の広告、メールプロモーション、ダイレクトトラフィックからバランスよく集客することがベストです。
絶えず新しい集客源を確保しましょう。PPC広告はとても高価だと多くのマーチャントが感じていますが、売上の減少を相殺するだけの積極的なキャンペーンは、たとえ薄利であっても大きな強みになります。
(間違いその2)現行の品揃えで満足する
ユーザーの嗜好は常に変化しています。競合企業は代替製品を提供して、価格競争は激しくなります。サプライヤーは製品の生産を中止したり、在庫を切らしたりすることもあります。買い物客は新商品を目にするのが本当に好きなのです。
これを変えていきましょう。
売れすじ商品を確保しつつ、新商品のチェックを怠らないようにしましょう。新商品カテゴリーで試してみてください。商品の幅をひろげ、それぞれにあったプロモーションをしましょう。店におく準備をした新商品のために、新たな集客のルートを確保しましょう。新商品を投入して既存の顧客に販売することが、売上を増やすための最も簡単な方法のひとつです
(間違いその3)ショップを更新しないままにしておく
多くの小規模なECサイトにとって、継続してコンテンツを新しくしたり、新商品を特集したり、プロモーションを行ったり、商品配置をいじったりするのは骨が折れます。
ネットショップに重要なのは、つねに(少なくとも季節ごとに)更新をすることです。一週間ごとにトップページとカテゴリページで新商品を提供するぐらいが理想的です。多くのECサイトにとっては大変な仕事です。しかし、ホームページやいくつかのカテゴリ、プロモーションを定期的に更新するよう努力しましょう。
古くなったプロモーション情報は必ず削除してください。ずっと在庫切れとなっている商品はショップからひっこめてください。定期的にリンクをチェックしてリンク切れは削除しましょう。サイトでの検索結果に、購入可能な商品がきちんと反映されるようにしてください。
(間違いその4)パフォーマンスをチェックしそこなう
これは大きな失敗のポイントです。毎日、KPI(主要業績評価指標)をチェックすることが重要なのです。今年前半のKPIについては「21 Key Performance Indicators for Ecommerce Businesses」で言及しています。
最低でも店舗売上、新規訪問客数、流入元、かご落ち率、精算落ち率、収益、新規顧客、平均注文量、その他の重要な指標を毎日チェックしましょう。クリック報酬型広告のパフォーマンスは少なくとも一週間ごとにチェックしてください。お金を決してムダにしないよう、広告を徹底的に吟味しましょう。
PPC広告の運用を外部に委託した場合は、サプライヤーのパフォーマンスを必ずチェックしてください。結果を出そうという「やる気」を、委託業者はあなたほど持ち合わせていません。こうした業者は、時としてコストパフォーマンスの悪い広告やキャンペーン、キーワードにお金をかけることがあるのです。
(間違いその5)「顧客のニーズをわかっている」と思い込む
「顧客のニーズをよくわかっている」と思い込み、顧客からの情報を全く必要としなくなる、・・という罠に簡単に落ちてしまいます。とくにネットショップの商品ラインナップやデザインに当てはまります。自分やデザイナーの好みだけでデザイン変更を行うことは危険です。
顧客の意見を聞きましょう。十分な集客があるならば、ウェブサイトのデザインについてABテストを実施して下さい。調査(たとえばオンラインチャットの提供、ざっくばらんに顧客の意見を聞く、改善を求めて電話をくれた顧客と話をするなど)をすることで、顧客からのフィードバックを得ましょう。
商品、顧客サービス、ショップ、価格設定などビジネスのあらゆる面についての質問をしましょう。質問をすれば自身の「気づき」に驚くことがあるかもしれません。
(間違いその6)収益増加を狙ってプロモーションに頼る
競争が激化したり、収益が減りはじめると、マーチャントは収益を維持するためにプロモーションに頼る傾向にあります。これは短期戦略としては十分ですが、長期戦略としてはダメです。
割引や送料無料に頼らないユーザー体験を提供する必要があります。説得力のある商品を販売し、リッチコンテンツや優れた顧客サービス、堅実なベネフィットを提供すればいいのです。閲覧しやすくて楽しく買い物ができるショップで、強固なブランドを構築することも重要です。
(間違いその7)モバイルデバイスを無視する
小規模のマーチャントは、モバイルショッピングに大した影響力はないと考えがちですが、これは大変な間違いです。
消費者はタブレットでの買い物やスマートフォンでのメールや検索が大好きです。簡単で使いやすいモバイルアプリも大好きです。すでにモバイル機器への移行は始まっています。モバイル向けの環境を整えなければ、売上は減少するでしょう。
つまり、一部のECサイトは、モバイルストアの構築・提供をサポートするベンダーを見つける必要があるかもしれません。その他のECサイトは、既存のショップをレスポンシブデザインに直す必要があるかもしれません(手引きとして「Getting Started with Responsive Web Design」をご覧ください)。昔からある売り上げの少ないショップにとっては、プラットフォームの変更は最善の選択かもしれません。
これに代わる案を模索していないのであれば、今すぐ始めてみてください。
(間違いその8)競合企業を無視する
通販ビジネスでは、競合企業の販売価格をチェックする自動化ソフトが徐々に使用されるようになってきています。ほとんどのECサイトにとってはやり過ぎだと思いますが、競合企業やその企業の商品、価格戦略を理解し、定期的にチェックすることは重要です。
「競合企業」というのは、新商品のアイデアや売れない商品(在庫一掃セールのページ参照)を知るのに、また、適切な価格設定の基準を測るのにぴったりな情報源です。競合企業の動向をチェックしそこなうと、他企業がある商品を低価格で積極的に販売しているときに、自分は同じ商品を高額で販売している、といった事態も起こりうるのです。
※この記事はpractical ecommerceに掲載された「8 Common Mistakes by Ecommerce Merchants」を翻訳した内容です。
記事の感想:
いかがでしたでしょうか。
「これで大丈夫」という思い込みこそECサイトの収益性をおとす元凶であると理解していただけたと思います。
なかでも間違い6で紹介した「収益増加を狙ってプロモーションに頼る」は、楽天市場のようなモールに出店している店長の多くにとって覚えのある話でしょう。インターネット、中でもECモールには比較されやすい文化があるからこそ、比較されても揺るがないブランドを築くことが重要です。そのためには自社のKPIを把握し、競合を知り、顧客の声を聴いて品揃えやデザインを考えなければいけません。