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繁殖業者が入院
残された成犬24匹
「数値基準内動物愛護法」に限界
https://sippo.asahi.com/article/11715322
適切に飼育していた?
甲斐犬にとっては、十分とは言えない大きさのケージで飼育されていた
静岡県焼津市
また、動物愛護法の限界が露呈した
静岡県焼津市内の県道沿いに立つ戸建て住宅
7月中旬に尋ねると、
その敷地内に甲斐犬の成犬が24匹
多くがケージに入れられたまま取り残されていた。
所有者は、70代半ばの一人暮らしの男性
これらの甲斐犬を使い
長く繁殖業を営んでいた
地元紙などに広告を出し、
1匹16万円ほどで
甲斐犬の仔犬を販売していたという
男性の他に従業員はいない
ケージから出せず、排泄もケージ内でさせるしかない
今年、6月下旬、
男性は転倒してそのまま入院してしまった
親族によると、
今も意思疎通が図れない状態が続いている
主治医は
「失語は避けられず、麻痺も残る
今後も意思疎通は無理かもしれない」
とみているという
こうした事態を受けて
親族から相談された同市内の
が動いた。
7月上旬に
同NPO法人メンバーらが現場に足を踏み入れた
すると、
大きめのケージには2匹ずつ
身動きもままならない小さなケージには
1匹ずつ
犬達が入れっぱなしになっていた
足元には 糞尿
産まれたばかりの仔犬5匹のうち2匹が
既に死んでおり
続けてもう1匹が直ぐに死んだ
動物病院に運び込まれた残りに2匹にも
沢山のノミダニが付着していて貧血状態だった
同NPO法人は、
親族と共に成犬の世話にあたっているが
警戒心が強く、
ケージ内の掃除や散歩はままならない
首輪を付けた事がない犬がほとんどの為
当初は、
ケージの外から餌や飲み水を与え
ホースで水をまいて糞尿を洗い流すのが
精一杯という状態だった
7月下旬になり
多くの犬に何とか首輪をつけられ
一部はケージ外に係留できるようになったという
同NPO法人の
谷澤勉理事長は
「犬達にとって、かなり厳しい状態が続いている
犬の所有権を親族の方に移したうえで
譲渡に努めていきたいが
24頭もの甲斐犬に新しい飼い主を
見つけてあげることは、
かなりハードルが高い
こうなる前に、
行政は適切な監視・指導が
出来なかったのだろうか
と話す。
警戒心が強いためケージ内の掃除もままならない
甲斐犬は、
もともと両県として使われていた中型犬
主人には従順だが
それ以外の人には強い警戒心を示すとされる
運動量も豊富なことから
本来は長時間の散歩も必要な犬種
この繁殖業者の男性は
倒れるまでは
適切に飼育管理をしていたと
静岡県衛生課動物愛護班では見ている
「年に1回は定期的な立ち入り検査をしており
第1種動物取扱業の登録更新も行われている
現場の判断としては問題なかった」
(県動物愛護班)とする
だが、
70代の高齢者が1人で
20匹を超える
豊富な運動が必要な中型犬の世話を
適切に行うことは
一般的にはかなりの困難を伴う
ケージも
甲斐犬の体調・体高では
身動きをとるのが難しいサイズのものが
一部使われていた
また、
2013年に施行された改正動物愛護法で
犬猫等販売業者に義務付けられた
「終生飼育の確保」の観点からも疑問が残る
男性は
策定と順守が義務付けられている
「犬猫等健康安全計画」に
「自分で終生飼育する」という趣旨の
文言を記入していたというが
若い犬では、1歳の犬もいる事から
日本人男性の平均寿命や健康寿命から考えて
「終生飼育が出来なくなる」リスクを
どう考えていたのか…
静岡県でも
これらの問題は把握していた
だが
動物愛護法のあいまいさが
指導のネックになっていたという
県動物愛護班は
犬猫販売業者に対する指導の難しさを打ち明ける
「ブリーダーに限らず
高齢者による犬猫の飼育について
飼育放棄に繋がりやすい
などの問題がある事は
理解している
しかし
動物愛護法では
犬猫等販売業者に対して
飼育数を減らせという指導は出来ず
本人の意思に任せざるをえなかった。
ケージの大きさについても
狭ければ当然問題なのだが
やはり、
具体的な数値規制が
動物愛護法にはない
これも感覚だけで判断するしかないのが
現実なのです
(県動物愛護班)
犬猫等販売業者に対する各種の数値規制導入は
国の中央環境審議会動物愛護部会が
11年末に
ケージなどの飼育施設について
「サイズや温湿度設定などの
数値基準が示されていない。
現状より細かい規制の導入が必要」
などとする小委員会報告をまとめて以来
動物愛護行政の大きな課題になっている
環境局は
今年3月になってようやく
「動物の適正な飼育管理方法に関する検討会」
(座長・武内ゆかり東大大学院教授)
を立ち上げて1回目の会合を開き
各種数値規制の導入に乗り出した
だが
2回目の会合は 未だ開かれず
導入の目途は立っていない
「犬猫にとっても業者にとっても、
適切な飼育環境を実現できるよう指導していくことが、
行政の仕事。
それなのに、現行の動物愛護法ではそれが難しい。
「環境省にはできるだけ速やかに、
ケージの大きさや
従業員1人あたりの
上限飼育数などについて、
具体的な数値規制を定めてもらいたい」
(県動物愛護班)
劣悪な環境に取り残されている
甲斐犬達については
新たな飼い主を探す作業を
地道に続けていくしか今は道が無い
NPO法人「まち・人・くらし・しだはいワンニャンの会」は
ホームページを立ち上げ、支援を呼びかけている。
駿河の甲斐犬たすけ隊
甲斐犬ブリーダー崩壊と
全頭譲渡に向けた取り組み
https://kaiken2018.jimdofree.com/
【譲渡に向けて】
現在は、1頭ずつ係留しながら、
飼育環境の改善を行っています。
これまで首輪をつけたり、
係留された経験がないことから、そ
れだけでも順調には進んでいません。ま
た飼い主以外の人間に馴れていないため、
うかつに手を出すことについては、
大きな危険もあります。
ボランティアが出入りする中で、
どのていど人に対する警戒感が薄れていくかが、
重要になってきます。
環境改善後に、各犬の健康診断や治療、
ペットとして飼われるための躾など、
譲渡可能となるまでには、
超えなければならないハードルが数多く存在します。
また飼い主がブリーダーであり、
現在意思疎通ができないということから、
所有権についてもはっきりさせる必要があります。
これについては、現
在対処中ですが、1~2ヶ月ほどかかる見込みです。
【皆様へのお願い】
犬たちは被害者です。
私たちのような愛護団体が関わらなければ、
殺処分される運命です。
今回の甲斐犬たちは、
今までの柴犬たちと違い、
人馴れしておらず、
私たちが触ることさえままなりません。
厳しい見通しではありますが
諦めることなく、
全頭譲渡できるよう努力していくつもりです。
この犬たちを救うために、
多くの方のご協力が必要です。
「資金の寄付」
https://kaiken2018.jimdofree.com/寄付支援/
第一次目標金額 50万円
「ボランティア参加」
https://kaiken2018.jimdofree.com/ボランティア/
トレーナーさん・餌やり・水やり・散歩・お掃除など
「譲渡」
https://kaiken2018.jimdofree.com/譲渡希望/
*現時点では譲渡可能な個体はおりません
順次情報はアップしていく予定です
お問い合わせなどありましたら こちらからお願いします
など、
可能な方法でのご支援をおねがいします。