こんばんは!
舞台「クジラの子らは砂上に歌う」
再演の全公演の幕を
無事に降ろすことができました。
スオウとして
泥クジラに生まれた一人の人間として
だけではなく
演劇の世界にいる一人の人間として
とても幸せな感情を抱き
そして素晴らしい景色を見て
これからの希望も感じることができました。
この瞬間を過ごすことができるのは
どれくらいの確率なのだろうと思います。
それくらい
人が作品を愛し
人が人を想い
生まれた場所も時間も違う人が
同じ場所で同じ時間を過ごすこと。
奇跡のようなことなのではないかと思う程
素敵な人との出会いでした。
初演の話を少しだけ。
正直にありのままに。
初演の幕開けの光景は今でも残っています。
稽古から一人一人が考え
悩み、迷い、見つけ、
前に進もうとしていて
朝早くから夜遅くまで
作品を表現するために
一生懸命に生きていました。
だからこそ作品に対する自信があったし
この人達とならカタチではない何かを
作れるはずだとも思っていました。
だから
観に来てくれた人達に
伝えたい
届けたい
と強く強く想って
演じていました。
千秋楽の公演
その光景も
残っています。
これが伝えるということ
届くとはこういうことなのかもしれないと
気づくことができたのです。
恵まれた環境でなくても
諦めずに自分の意思を持ち
前に進み続けることで
きっと光が見えてくる。
そう教えてくれました。
初演のDVD上映会の時に
満杯の客席を見た時
すごくすごく嬉しくて
震えるほど嬉しくて
温かい気持ちになったのを覚えています。
この作品を観たいと思ってくれている人が
こんなにもたくさんいてくれることが
幸せな時間にしてくれました。
この作品は
人の生と死を描いています。
だからこそ、
責任を持って考えなくてはいけない
覚悟を持って向き合わなければいけない。
実はある方に
初演を観て下さった時
あなたは何を伝えたくて
何を想って今の作品を演じているの
と聞かれました。
その言葉がなかったら
僕の中で
この再演は繋がらなかったかもしれません。
作品を演じる意味
演劇をする意味
生きる意味
今思いつく
今できる
全てを全身で
中からも外からからも
なにもかもぶつけて幕を降ろした初演でした。
その初演があったから
再演では
自分がどう想いどう演じたいのか
それが問われているような気もしました。
この作品の持つ力なのか
この作品が引き寄せる魔術なのか
稽古場から
誰一人として前を向くことをやめない
進み続けることに意思を持つ人たちばかりで
自分はこの新たな出航で
もう一度、考え、悩み、迷うことに
恐れず立ち向かおうと思えました。
そしてなにより
待っている人たちのために
観たいと思ってくれる人のために
伝える
届ける
これは絶対に変えないとも
思いました。
初日の幕が上がり
そして最後
皆さまからの拍手をいただいた瞬間に
裏で自然とこみ上げてくるものがあって
それは嬉しさゆえのことだとわかりつつも
はじめて体験する感覚のようで
同時に
自分はこの瞬間に出会うために
生きていきたいと思いました。
当たり前でないこの瞬間だからこそ。
そう思わせてくれた
人
と
作品
に心から感謝の気持ちでいっぱいです。
初演から出逢えたあなた
DVD上映会から出逢えたあなた
再演から出逢えたあなた
あなたのお陰で
前に進むことができました。
見つけてくれてありがとう。
背中を押してくれてありがとう。
原作のように
舞台「クジラの子らは砂上に歌う」も
前に進み続けていくことができるように
希望を信じて
人を想い
生きていきたいと思います。
これが今の僕の記録です。
いつかまた、この記録に触れた時
思い出すことができるように
確かにここにあった証を
記して終わります。
読んでいただきありがとうございました。
それでは、またいつの日か。
追伸
同い年の赤澤燈がいてくれたからこそ
崎山つばさが
スオウが生きれたのだと思います。
ありがとう。