地方から大阪の中学校に来て、いじめられないかそれを1番心配している、、
中学校側も、それを1番配慮しての娘の受け入れだったが、結果として残念な結果に終わった。
中学校側は考えた。
新しいクラス、娘をいじめた男子、つまり中2で同じクラスの男子は中3の新しいクラスに1人もいなかった。女子は、娘に同情的だった賢い子1人と、かおりさんとしおりさん。
そして、担任の先生は去年3年生を卒業させたばかりの27歳独身、英語の先生、杉原先生。髪の毛は茶髪。ナヨッとした体型。声はあまり大きくなく、電話は聞き辛い。保護者からは、この先生で大丈夫かな〜という感じだった。
しかし、彼は違った。
彼はクラスの生徒達を本当によく見ていて、休み時間も職員室に帰らなかったらしい。体育の時間や音楽の時間は、クラスの生徒が好きすぎて付いてきて一緒にしたらしい。兄貴分のような先生の、生徒達の人気は絶大だった。
娘にも、よくタメ口で話してくれたらしく、大事な中3、困った時は彼に相談して娘は安定していた。
更に、クラスの席も彼が独断で決めた。
『みんなが勉強しやすい環境にしてやるからな』と。彼の席替えは実に巧妙だったらしい。彼だからこそのクラスをよく見ている目が、的確な座席を実現していた。
この時、ある時点から娘の横に来たのが凌君であった。温厚で優しい、男子に圧倒的に人気、数学の天才、漫画が好き、分け隔てない性格の良さ、明るさ、、杉原先生は娘の隣に彼を抜擢した。
これはとてもいい効果をもたらした。
一見、中2の頃の再来かと思われた。しかし、クラス背景や、娘に対する理解も違っていた。だからと言って、女の子の友達は相変わらず出来なかったが、、
娘は、凌君だと自然に話せたようだし、凌君も漫画の話をしたり、勉強を教える事を根気よくしてくれた。そのせいで、驚くほど娘のノートもきれいだった。圧巻だったのは、数学の証明までも、綺麗にノートを完成させていた事だった。
しかし、この時も、後ろの女の子が娘の椅子を蹴るというような事があった。
やはり、娘はスローなのだろう。
が、これを男子が見ていた。
『おまえ今、りかりかの椅子を蹴ったよな❓なにしとんねん❣️』男子にそう言われると女子は引き下がった。そういう、女子のちょっとした意地悪を男子が守ってくれた感があった。
これは、杉原先生の差し金であったと思う。
男子の性格の良い力のある子達に、上手に相談して娘を守ってくれた。凌君に負担がかかり過ぎないようにも配慮してくれて、である。
娘は、女子よりも会話が軽く、面白可笑しく過ごす男子との会話があってしまっていた。が、女子のグループに入れずにいると、男子が『りかりかも入れてやってよ❣️』と言ってくれた。
そのせいか、私にも男子のママ友ばかりだったがお母様方の話を聴くと丁寧に育てられた、実はマザコン❓ではないけれども、そんな男子が多かった。
杉原先生は、この学年の先生は初めてだったけど、1年生からこの学年を見ていた他のクラスの担任の先生達が、問題のある生徒をそれぞれ自分の手元に引き受けて、色々とわけのある子達をいれた、ユートピア的クラスを作ったのだと、、、、後で知った。
❤️中3の受験でもあるこの1年間、この1年が娘の学生時代で1番輝いた一年と言える。学校側も色々と考えられるんだなあ、、と思って下されば上2つポチッとお願い申し上げます❤️
意識が朦朧とする中、看護婦さんが
『お孫さん❓こっちに来られないかしら。ずっと絵を描いておられるのね』
そこで祖父はガバッと起き上がった。
『ごめんなさい。お孫さんはずっと隣の部屋で絵を描いてらして、、可愛らしいですね。後で来てもらいますね❤️』
おじいちゃんが意識を持って起き上がったのはそれが最期だった。
隣の部屋に呼びに行くと、娘は取り憑かれたように絵を描いていた。真ん中のフクロウはおじいちゃんそのもので、、今のおじいちゃんだという。
目の前に川のようなものがあって、渡ろうかどうか悩んでいるのだと言う。その川の向こうが楽しいのかどうか、、
翌朝早朝、、おじいちゃんは帰らぬ人となった。
、、、、娘は何を視ていたのだろうと、、
私は思った。
残念ながら、娘は来る事が出来ず、夕方からの親族の会にだけ出席できた。