何で魅せる?

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近年、ニューヨークをはじめとするアメリカでとても人気のある若手の中国人女性ピアニスト、ユジャ・ワン。とにかくなんだって弾きこなしてしまうアクロバティックな演奏が人々を引き付けるのでしょうが、それ以上に彼女の人気を支えているのが露出度の高いドレスとそのドレスから出る脚。超ミニスカートとそこから出る美脚、そしておそろしく高いハイヒール(あれでどうやってペダルを踏むのだろうか?)、まずそこから人気に火が付いたといっても過言ではないかと思うのですが、その露出度の高さはどんどん増してきているような気がする今日この頃。わざわざ観客席側に開けられたドレスのスリットはほとんどウエストぐらいまで至り、背中のオープニングもウエストぐらいまで至る。。。肌の露出度はゆうに50%を超えているのではないでしょうか?

 

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以前から彼女の大ファンである知り合い(ちなみに女性)が一番最近行われたカーネギーでのコンサートの様子を教えてくれたのですが、とにかくお客さんはほとんど男性だそうです。若者からお年寄りまで、とにかく男性。そしてその多くが演奏中は快眠されていたそうですが、彼女が新しいドレスで出てくると(数回の衣装替えがあるのだそう!)、一気に目が覚めて割れんばかりの拍手で迎える。演奏自体はいたってまじめなもので、プログラムだってかなりのボリュームと難易度を要求するもの。しかしお客さんの多くは、彼女がガンガンとハンマークラビアを弾いている間はぐっすりと眠り、衣装替えの時に盛り上がる。

 

彼女に対抗するように出てきたグルジアの女性ピアニスト、カーシャ・ブニアティシヴィリ。こちらは脚ではなく、胸部を強調。くねくねは一切ないユジャワンと比べて、こちらは更に胸部を強調したくねくね付き。技術的なことだけに注目すれば、ユジャワンには全く及ばないと私は思うのですが、こちらもアメリカでは大人気。つくづく単純でわかりやすいアメリカ人。

 

音楽家。ミュージシャン。

何で魅せる?

もちろん耳で勝負、音そして音楽で魅せるべき!と思うのですが、やっぱり視覚的な効果もあるにこしたことはないのでしょうか?

 

友人が送ってくれたユジャワンのコンサートの写真をM氏に見せたら、

「僕らみたいな脱いでも何の足しにもならないミュージシャンはどうしたら良いんだろうね。」

とM氏。

 

視覚的効果を加えてスターダムを駆け上がるのも一つの手だとは思いますが、年齢を重ねて見せられる物がなくなったらどうするんだろうか。それまでに音楽をまとめ上げなければなりません。ユジャ・ワンのプログラムを見ているとそういう考えを感じなくもありません。どんな曲も素晴らしい技術で、思い通りに弾けても、人の心を揺らせなければ寂しいと思ってしまう私は少数派なのかもしれないです。

 

 

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