梅雨も明けて気温が高くなるとR75WHは運行停止処置をしています。
空冷、しかも日本より緯度の高い国で使用する事を前提として作られたので、昨今の高温多湿を乗り切るには機械にも潤滑するオイルにも、操縦する人間にも辛いわけで…
お陰様で壊した壊れたもなく大規模な開腹作業が無いとなると偵察オートバイ関連の記事が自ずと増えてしまいます。
自衛隊が採用しているKLX250は日本の国土では非常にバランスが良い選択だと考えます。
しかし運用してみると高速移動は辛いですし、500㎞程度で疲労困憊してしまいます。
しかし運用してみると高速移動は辛いですし、500㎞程度で疲労困憊してしまいます。
私は年に1度くらいの頻度で栃木南部へ往路下道、復路高速で日帰り800㎞程走る事がありますが、流石にKLXで走る気にはなれずR1250GSで運行しています。R75WHとエンジンレイアウトは同じ、動力伝達系統もシャフトで同じ、大きなシート、幅広のハンドル、懸架方式こそ違えどBMWだからなのか、排気量があるからなのか、重量故の安定性なのか、とにかく疲れません。
そんなBMWはドイツ連邦軍の現行偵察オートバイとしてF850GSをベースにしたものを納入しています。この事は私のFacebookで色々書いていますが公開ブログでは初めてです。
主だった市販車との違いはガード類の付与とシート形状です。
F850GSの市販車は前後分割できるシートではありません。
分割させる理由はパッセンジャーシートの下に無線機を搭載するスペースを確保する必要からのようです。
KLX250ベースに偵察オートバイを作ったのだから朝飯前だと考え、方々にコンタクトを取り架装メーカや調達価格を調べて部品番号を拾上げました。これを発注して車体をモスグリーンに塗るかラッピングするだけです。
しかし迂闊に発注してしまうのは危険です。
過去に偵察オートバイとして納入されたKLXの部品番号を判読できる写真を記事にしてネットへ掲載した方がいました。するとカワサキ側では全ての部品番号を廃止・改変してしまいました。
日本でF850GSはあまり売れていません。理由は水平対向エンジン搭載のRシリーズが有名過ぎてBMW=ボクサーエンジンという固定概念、そしてそのRに負けず劣らずの高価格帯である事です。そんな車種の偵察バイクを車両価格と部品代諸々で200万円近く捻出して作ろうなんて変わり者は海外の掲示板で情報を交換している数名(それでも10人居ません)、そしてここ日本では私が初だと思います。なにより数が少ないから怪しい部品を発注すると余計目立ちます。
とりあえず日本国内に部品として在庫があるのか端末を叩いて調べて頂いたところ当然の事ながら国内在庫は無し。でも部品として登録はされていたので発注をかける事は可能です。しかし先人として自分だけ良ければというお行儀の悪い事をしたくありません。同じ事を考える後進の為にも調達ルートは荒らさず騒がず穏やかに入手する方法をずっと探すこと9ヶ月、掲示板でのやりとりやR75WHの繋がりを駆使して海の向こう側からの入手ルートを構築、手はずが整いました。
ガード一式とシート一式、取付ネジやブッシュ等で部材費、そして送料込で15万円相当。BMW純正部品としては意外と普通の価格でした。
メーカー側で出庫になるか取り消しになるかと様子を伺っていたら国際貨物が発送されたと連絡が入りました。
EN ROUTEのアイコンがGIFアニメでトラックがピョコピョコしているのも何気に可愛い(笑)
外周の黄色も届くまでのプロセスを表しているようで視覚的にも良く判るデザインです。こういう所は日本の運送会社にも頑張ってもらいたいです。
そして作業場でR75WHの整備をしている時に配達されてきました。
ポーランド等、東欧からの荷物は関税はかからないのですが今回は少々高くて7000円でした。
各々の部品にBMW正規のマークとバーコード管理票がついているので致し方なし。
ガードは自分で黒色に塗らないダメなようです。新品部品なのでセラコートに出してみようかと思っています。
部品が出てきたのでR1250GSからF850GSに乗り換えを考える事になりそうです。でも、テレ・パラレバーの安定性を知っているが故に乗り換えには躊躇します。となると増車?体は一つなのに車両が増えていく悪循環に陥っている気がします。