電磁波の遮蔽
マイクロ波聴覚効果について講義すると、アルミは電波を反射するので、アルミホイルとか、アルミレジャーマットとか市販されているアルミ製品で対策できないかというような相談がされることがあります。
例えば、頭をアルミホイルで覆うとか、帽子を被って、帽子の内側にアルミホイルなどを入れるというようなことです。
しかしながら、このような対策は有効でないのです。
電波は波ですから、回り込むことができます。例えば、頭を覆っていても、顔とか首までは覆っていないので、電波はアルミなどで覆っていない部分から回り込むのです。
また、部屋の内部を電磁波から遮蔽するときには、天井の内側にアルミホイルを貼っただけでは意味がないのです。電磁波は壁を透過します。
通常の部屋では、壁は四方にあるので、壁の一面だけでなく、壁全体を電磁波から遮蔽することが求められます。さらに、窓もドアも電磁波から遮蔽することが必要です。さらに床も電磁波から遮蔽する必要があります。
要するに、天井、床、壁、窓、ドアのすべてが電磁波で遮蔽することが求められます。また、窓やドアの隙間も電磁波で遮蔽することが求められます。
例えば、洗面台で手を洗うときに、洗面台の排水口にゴム栓をして、水を溜めることもできます。それでは夜、寝る前に洗面台に水を溜めて、朝、起きてから洗面台を見ると、水は残っているでしょうか。多分、水は無くなっているのではないのかな。
ゴム栓で水を溜めていても、その隙間から少しずつ水が漏れて、一晩で水は流れ出してしまうのです。
電磁波から遮蔽するときには、隙間がないようにするというか、隙間の遮蔽が大事になります。隙間は、ドアと壁の隙間とか窓と壁の隙間のことです。
次に、水が隙間から漏れるのと、電磁波が隙間から漏れるのを比較します。
水分子の分子量が18です。分子量は質量に対応しますが、サイズの大まかな目安になります。
例えば、水素分子の分子量は2ですが、水素分子は水分子より小さいのです。
それでは、電磁波の最小単位、光子のサイズはどれぐらいでしょうか。
光子は、原子より小さく、原子核より小さく、電子より小さい。光子の質量は0であり、体積なるものは観念することはできません。
水分子が通れない微小な隙間であっても、光子は通れるのです。
部屋全体を電磁波で遮蔽するときには、ドアなどの隙間をどのように遮蔽するかで遮蔽性能が決まります。
AD