ラジオは電波を受信して、音声を出力する機械ですが、ラジオの別名は受信機になります。
受信機といったときには、ラジオだけでなく、テレビも受信機の一種になります。さらに、携帯電話は送信機と受信機の双方が組み込まれた機械ということになります。
市販されているAMラジオの多くはスーパーヘテロダイン方式を採用しています(文献)。
中波放送(AM放送)は、526.5kHzから1620.0kHzまでの周波数のいずれかの電波を使っているので、AMラジオのアンテナには、526.5kHzから1620.0kHzまでの周波数の電波が入力されます。
一方、ユーザーは、一度に多数のラジオ放送を同時に聞いたりしません。一つのラジオ局のラジオ放送を聞きます。受信機は、526.5kHzから1620.0kHzまでの周波数の電波から特定の周波数の電波、お目当てのラジオ放送の電波を選択的に取り出す必要があるのです。
お目当てのラジオ放送の電波が600kHzであっても、1000kHzであっても、1500kHzであっても、スーパーヘテロダイン方式の受信機は、中間周波数に変換します。中間周波数はいくつもあるのではなく、一つの周波数になります。中間周波数に変換するしくみは単なる引き算になるのですが、ここは本稿のポイントでないので省略。
中間周波数は455kHzに設定されることもあれば、450kHzに設定されることもあります。
また、発振器という電波を発生する部品があるのですが、450kHzの電波を発生する発振器は市販されていますし、450kHzの電波を発生する発振器を組み込んだ電子機器も市販されています。
これらの電子機器の近くで電磁波を計測したときには、当然、周波数450kHzを検出することになります。
インターネットでウェブサイトを見ていると、デジタルオシロスコープで周波数450kHzの電磁波を検出したので、この周波数の電波が、摩訶不思議な用途に悪用されていると主張しているウェブサイトを発見しました。
マイクロ波とかマイクロ波聴覚効果と、周波数450kHzの電磁波も似たようなものと思う人も多いかもしれませんが、人体に与える影響という観点では全く異なります。
世の中には、電波であれやこれやの健康被害を訴えている人もいますが、周波数450kHzの電磁波で摩訶不思議な健康被害が発生していると主張しても、通常はまともな主張とされません。
文献
1 受信機
愛媛大学工学部電気電子工学科ウェブサイトより