ザ・シークレット ロンダ・バーン , 山川 紘矢 , 山川 亜希子 , 佐野 美代子
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昨今下火になりつつも流行りつづけている引き寄せの法則。
ザ･シークレットでこの分野に惹き込まれ、アファメーション、イメージング、クリアリング、セドナメソッド、断言法、1000回唱えろ、ノートに書け、たくさん存在する『何とか式』などなどに振り回され、人生破滅寸前に陥った方も多いと思います。
私もその一人であったりします。
今日は一つ、皆さんに本当のことを教えて差し上げましょう。
引き寄せの法則というヤツは、実は存在します。
普通に過ごしていて敏感な方なら分かると思いますが、一つのキーワードに関連して
複数の情報などが自分のもとに引き寄せられてくるということがあります。
例えば、最近の私の体験からすると
道端でとある可愛らしい花を見かけ、その花の名はなんだろうかと思っていたら
ネットサーフィン中に偶然みたブログで、その花の名を知ることになり、
さらに後日、その花と同じ名前の作家が書いた本を書店で見かけ、その本の内容が自分の状態と類似していたということがありました。
でも、これは引き寄せようと思って引き寄せたものではなく、もちろんメソッドの類もしていませんし
願望や欲望といった汚らしいものを抱いたわけでもありません。
ただただ自然に引き寄せられてきただけで、さらにそれが連鎖したというわけです。
私は思うわけです。
引き寄せの法則自体は存在し常に動作していると。
しかしそれは、意図的に操作できるものではなく、またどういった形で動作するかという予測すら出来ないものだと。
さらに願望・欲望の類を持った内容に関しては、『意図的に操作する』ということになるわけで、法則は動作しない。
もともと、知らず知らずのうちに、いろいろ引き寄せて、人生うまくいっていた人が、引き寄せの法則なるものを知った途端に、
何もかもが上手く回らなくなってしまい、人生の歯車を錆び腐らせたようになってしまうことがあります。
これは引き寄せの法則のメソッドで意図だのイメージングだのを試した結果、願望・欲望を持ってしまい、それが大きな障害になっているからです。
まさにこれは罠といっても過言ではないでしょう。
こういった引き寄せ本の著者は、書籍を買わせた上で、人生を狂わせ、狂った人生から立ち直るために高額のセミナーに参加させる。
これが引き寄せマスターと言われる愚か者どもの狙いです。
ザ･シークレットには多くのマスターが紹介されており引き寄せの法則を利用するための具体的な方法は示されていません(そもそもそんなもの存在しない)。
法則に魅力を感じた読者は、引き寄せを実践しようと欲を出し、紹介されていたマスターの著書を手にする。
そして怪しいメソッドに捉われ、自由な精神を失い、身動きの取れない状態になってゆく。
人生の歯車は徐々に錆び腐り、そこから抜け出そうとして、新たな書籍に手を出すか、高額なセミナーに参加して
洗脳され、布教活動じみたことをして、さらに犠牲者を増やし、抜け出すことが困難な人生のデフレスパイラルに嵌りこんでゆくわけです・・・。
さらに、場合によっては、セミナー参加中に事故死という結末もあるわけで、本当に怖ろしいものです。
実際にザ･シークレットに登場したマスターのセミナーで死者が出ています。
さて、それではどうしたらいいのでしょうか。
今現在、上手く引き寄せられないよとお嘆きの方、もうメソッドも何もかも、やめてしまいましょう。
もともと操作できるものではないのですから・・・。
でも、成功談もあるよという方、成功の証拠はありますか？
ネット上で見た成功談なら、９９％は嘘と思ったほうが良いです。
というのも、その人は成功したつもりでネットに書き込むというメソッドをしている可能性があるからです。
もし、本当の成功談であったとしても、成功者本人にとっては本当の成功ではないかもしれませんよ。
思い出してください、この法則を知る前の自分自身を・・・。
今ほど願望というものを強く意識していましたか？
欲望を美化しすぎていませんか？
精神的に依存度が高くなっていませんか？
そして、今のあなたは自分自身に対して不自然ではありませんか？
不自然な心に宇宙の法則(自然の法則)の一部ともされる引き寄せの法則が適用されるでしょうか？
メソッドとされているものは、不自然な茶番なのです。
マスターとされている人たちの大半は、読者や信者たちに不自然さを押し付けて、それまで自然に接していた法則から引き剥がし
自分の支配下に置き、骨の髄までしゃぶり尽くすことを目的としています。
彼らへ依存心を捨て、全てを断ち切ってしまいましょう。
私が色々な願い事をかなえた頃の話をしましょう。
これは引き寄せの法則を知る前のことです。
そのとき私は人生に絶望し、自殺することばかり考え、もう死ぬ日も決めていました。
ただ、そのまえにやっておかなくてはならない事があり、その事にだけ専念していました。
そしてそれがきっかけで、旧友と再会し、さらに旧友を通じてそれまでの念願であったヨーロッパのほうへ長期滞在できることになり、
そのための資金源にするための仕事も得ることができ、人生が一気に反転しました。
ここでのキーワードは専念するということです。
実はこの人生の反転に至る少し前からヒンドゥー教に興味を持ち、
その聖典の一つであるバガヴァッド・ギーターというものを愛読していました。
もちろん怪しい新興宗教のものなどではなく、本当に数千年前から伝わる聖典で、今でも多く読み次がれており、岩波文庫からも出版されているきちんとしたものです。
内容は、とある王の家系の中で起きた戦争の話ですが、その内容は生きるということの意味とそのための姿勢を説いたものです。
この中で神の化身が、主人公(？)の勇者に繰り返し『放擲』と『専念』について説いています。
この２つのキーワード。
これが正に、引き寄せの法則を称した詐術を打ち破り、自分の人生を取り戻すための切り札。
願望や欲望を『放擲』すること。(願望も欲望も持たない期待しない)
目の前にある事象の一つ一つに『専念』すること。
そうすることで必要なものは自然に整い、道が開けてくる。
その積み重ねが人生であり、生きるということである。
究極的には、自分の目の前にある道を、一心に突き詰めて行けば、充実した人生を送れるということ。
操作できるわけでもない法則を当てにするよりも、一瞬一瞬を丁寧に見つめて、専念して生きる。
それこそが正しい人の在りかたではないでしょうか。
バガヴァッド・ギーター 上村 勝彦
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バガヴァッド・ギーターは岩波文庫から出ていますので、ぜひ読んでみてください。
臨済録 入矢 義高
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臨済宗の祖、臨済義玄の語録集。
仏教書ですが、バガヴァッド・ギーターの実践編的な印象を受けました。
生きる意味 諸富 祥彦
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『生きる意味』
この著者が本物のマスターかどうかは知りませんし、立ち読みしただけですが、書いている内容は良かったので紹介しておきます。
