ご訪問ありがとうございます。
標準治療(≒保険診療)とは、や、
乳癌治療の目的と概要、を再掲しました。
標準治療(≒保険診療)の具体的な治療手段
手術、放射線、薬物療法についての
各論も、再掲しておきたいと思います。
まずは、手術について。
一昨年書いたものですが、
まずは、こちらの記事を再掲し、
昨年、新ガイドラインで改訂された
差分の記事を、次に再掲します。
(ガイドライン再掲5)
医療の進歩、最新の医療を正しく理解し
玉石混淆の情報で怪しい治療に流されない
ためには、
まず、「標準治療≒保険診療」を
知っておこうよ、押さえておこうよ、
ガイドラインをツールとして
それぞれの治療のメリット、デメリットを
主治医と話し合って
(場合によっては、セカンドオピニオンも
受けて)
患者自身が納得して治療選択する、
場合によっては、人によっては、
先進医療や臨床試験も検討してみる、とか
その上で、代替療法(補完療法)は、
追加で、考えようよ
というのが王道で、
年齢や基礎疾患や、癌の種類、状態や
それぞれの価値観で、
選択は変わってくるのだと思います。
※次に、燻っていた気持ちの解決2として
転移リンパ節の(腋窩)リンパ節郭清と
術後病理検査(抗がん剤効果)のことを
書こうと思うのもあり。
前提知識がないと、ご理解いただけない
でしょうし…。
ー◆ー◆ー◆ー
(元投稿:2017/9/4)
読者さんからメッセージでご質問を受けて
いた、
乳癌と診断されてから、
どのような経過をたどるのか、に対して、
(⬆リンクあり)
で、まず、初期治療(ステージ3まで)と
遠隔転移後(ステージ4)の治療の目的と
治療概要を書きました。
もう少し、初期治療の三大治療、
手術、放射線、薬物補助療法
それぞれの標準治療について、
『患者さんのための乳癌診療ガイドライン』
から抜粋転記しておきます。
まず、根治のために必須の手術
について。
※植松先生のピンポイント照射(放射線)も
根治を狙える治療だと私は考えますが、
標準診療(保険診療)ではないので、
ここでは省略します。
何らかの事情で手術が出来ない方や
手術したくない方で、自費診療の費用負担
が出来、鹿児島で治療が受けられる状況の
方は、植松先生に問い合わせてみると
よいかと思います。
⬛かつての手術
・かつては局所(乳房や周辺のリンパ節)に
とどまっている癌を取り切る目的で、
広範囲の手術が行われてきた。
ー ハルステッド術
(乳房切除 +大胸筋、小胸筋、
腋窩~鎖骨上リンパ節の切除)
ー 拡大乳房切除術
(ハルステッド術+鎖骨上リンパ節、
+胸骨傍リンパ節の切除)
・しかし近年、
乳癌は比較的初期の段階から
癌細胞の一部は全身に広がる(微小転移)
という考え方が主流になり、
必要以上に大きな手術は行われなく
なってきた。
※広く取れば、リンパ浮腫になる可能性
が高くなる。
※私は、胸骨傍リンパ節転移疑いだった
けれど、上記の通りの説明を受け、
「拡大乳房切除術は勘弁してくれ」、と、
主治医に断られ、ハルステッドも
上記理由で、2度断られました。
抗がん剤でリンパ節転移は画像上
見えなくなっていたので、
リンパ浮腫との見合いで、
諦めました(納得しました)。
※炎症性乳癌の読者さんは、
大きめの手術をされている方が
私のブログの読者さんに何名か
いらっしゃいます。
ガイドラインによると、
炎症性乳癌は1%未満の
(近年増えてはいる1~2%) ようです。
⬛現在の標準的手術
・以下のいずれか
ー 乳房温存療法
(乳房温存手術+放射線)
ー 乳房切除術
※全摘術のこと
・内視鏡手術も保険診療で可能(施設は限定
される)が、乳癌の手術(温存、全摘)自体
内蔵でないため身体の負担も軽く、
内視鏡手術の方が時間がかかるため、
普及はしていない。
・低侵襲治療として、ラジオ波焼灼療法
(針を刺して電磁波の熱で癌を死滅)や、
FUS(集束超音波療法、MRIで癌を
狙って超音波で癌を死滅)が、
現時点では臨床試験として実施すべき
治療。保険診療の対象ではない。
⬛温存か全摘か
・しこりの大きさや位置、広がりで
温存可能か否かが決まる。
・日本乳癌学会としては温存が
第1選択の標準的治療(と書かれている)。
・しこりが3cm以内で(概ねの目安)、
以下に該当しなければ、温存可能。
① 2つ以上のしこりが離れてある
② 癌(石灰化など)が広範囲に広がっている
③ 放射線治療をできない事情がある
④ しこりの大きさと乳房の大きさの
バランスから美容的な仕上がりが
良くないことが予想される
⑤ 患者が温存を希望しない
※私の友人は、0期でも②で全摘。
※HARUさんの場合は③
ステージ3だとほとんどが全摘。
※ 私は早期であっても超早期であっても
全摘を選ぶ(私の気持ち的な安心感)ので
⑤に該当する。
⑤がガイドラインに明記されてるのは
よいですね。
※主治医の判断で納得いかなかったら、
セカンドオピニオンに行ってみる
ポイントだと思います。
温存手術(美容的なところ)は外科医の技量
にかかっているような感じがするので
病院や先生を選ぶのもポイントかな?
・全摘と温存(+放射線)で生存期間が
変わらないという臨床研究結果。
※乳房内再発や局所再発は、全摘に比べ、
外科医の技量に依存する部分も大きい
と私は思うので、
たとえ可能であっても私は全摘を選ぶ、
というのもあります。
(気持ち的な安心感)
⬛腋窩リンパ節郭清
・腋窩リンパ節郭清の目的は2つ
ー リンパ節転移の有無、転移個数を
調べる『診断』
(転移個数が多いほど、
再発転移リスクが高い。
これも参考に術後の抗がん剤治療を
するかしないかの判断材料にする)
ー 局所再発予防
・腋窩リンパ節郭清が適正に行われた
場合の腋窩リンパ節再発はまれ。
・腋窩リンパ節郭清が遠隔転移を
予防する効果があるかは、議論が
分かれているが、
腋窩リンパ節郭清を行わないと
術後に再発が少し多くなるという
臨床試験結果のメタアナリシスから
腋窩リンパ節郭清を行うべき
というのが現時点の乳癌学会の見解。
・画像上腋窩リンパ節転移がある場合、
腋窩リンパ節郭清を行う。
※私は、腋窩リンパ節レベル3まで
(レベルは領域レベルで1~3)
転移疑いでしたが、どの道取れない
胸骨傍リンパ節疑いもあり、
術前化学療法で画像上は消えていたので
レベル2までの郭清しかしていません。
おまけに主治医は郭清漏れがあったと
言って、そこは譲らない(笑)
転移疑いがレベル3までの人は
レベル3まで郭清すると思います。
鎖骨下や小胸筋は医師判断かな。
読者さんにいます。
胸骨傍リンパ節を取った人には
巡りあえていません。
ハルステッド術、拡大乳房切除術に
なるわけですが、全体の1%だし、、。
・手術時のセンチネルリンパ節生検で
転移があった場合、
レベル2までのリンパ節郭清を行う。
※がん研有明の先生も、私の主治医も
レベル3まで触ってあれば、
(癌がいれば固くなってて、外科医は
触って分かるとのこと)
レベル3まで郭清する。
※なぜ、レベル2までが標準かというと、
リンパ浮腫リスクが格段に大きくなる
からとのこと。
⬛センチネルリンパ節生検
・センチネルリンパ節生検が開発される前は
ほぼ全ての患者に腋窩リンパ節郭清を
行っていた。
※リンパ節転移のない人でも、後遺症の
リンパ浮腫等で苦しむ人が 多かったっ
てこと。
・センチネルリンパ節とは、乳房内部から
癌細胞が最初にたどり着くリンパ節。
それを取って癌細胞の有無を顕微鏡で
調べるのが、センチネルリンパ節生検。
・通常、手術の際にセンチネルリンパ節
生検を行う。
ただし、具体的な方法は各施設で
バラツキがあり、熟練した外科医でも、
センチネルリンパ節が見つからない
場合がある。
・センチネルリンパ節生検で癌が検出
されなければ、腋窩リンパ節郭清を
省略できる。
・センチネルリンパ節生検の適応となるのは
手術方法に関係なく、しこりが小さく、
リンパ節転移の可能性が低い場合。
⬛術前化学療法後の
センチネルリンパ節生検
※これ、3年前より進化してる
3年前はNG言い切りだった。
・術前化学療法前の画像診断などで、
腋窩リンパ節転移がないと判断された
場合は、センチネルリンパ節生検可能。
・術前化学療法前にリンパ節転移があった
場合は、術前化学療法後の画像診断で
腋窩リンパ節が消失していても、
センチネルリンパ節生検の信頼性は
不十分なので、
『担当医とよく話し合ってセンチネル
リンパ節生検をするかどうか決める
ことをお勧めします。』
※どの道、抗がん剤効果を見たかったし
あれだけ転移があったのだから、
腋窩リンパ節郭清して全体の転移有無を
知りたかったので、私には無縁ですが。
NG言い切りじゃなくなり、患者の選択
が可能な書き振りになったのは進歩。
ーーーーー
⬛HARUさんの選択 (9/3)
(HARUさんから頂いたコメントより)
今後、放射線や抗がん剤治療ができない事
を考え全摘を選びました(>_<)
今はとにかく、HANSに負けず
手術を乗り切る事に専念してきます。
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