テセントリク肺癌1stライン、キイトルーダ標準治療のないMSI-High適応追加 薬事審部会承認 | HER2タイプ乳癌ステージ3C 経過観察中シングルマザー

HER2タイプ乳癌ステージ3C 経過観察中シングルマザー

HER2タイプ乳癌のこと、治療のことなどを書き残しておこうと思います。温かい目で見守っていただければ、幸いです。アメンバー申請、コメント、メッセージ、リブログについては、「はじめに(私のスタンス)」テーマ内の記事をご一読下さい。

ご訪問ありがとうございます。

免疫チェックポイント阻害剤の
日本での保険適応追加の承認動向
の最新情報です。

テセントリクとキイトルーダの適応追加が、
厚労省の薬食審医薬品第二部会
を通過し、年内承認されるようです。

適応追加の内容は、

テセントリク

・肺癌(非小細胞肺癌)について、
    1stラインでの適応追加

    正確には、
 「化学療法未治療の扁平上皮がんを除く
   切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」

   化学療法併用(カルボプラチン、パクリ)

  ※因みに現時点では、 PD-L1高発現患者に
    キイトルーダが1st ラインで保険診療で
    治療可。(承認済)


キイトルーダ

読売新聞(YomiDr)、朝日新聞デジタル、
日経BPも報じている通り、
以下の、適応追加の条件付き迅速承認が
薬食審医薬品第二部会通過しましたね。

・癌種を制限しない、
  「高頻度マイクロサテライト不安定性
   (MSI-High)を有する固形がん

・「標準的な治療が困難な患者に限って
      使用する」ラストライン

第2相臨床試験中の条件付き迅速承認

MSI-Highと、キイトルーダの作用機序
(免疫にブレーキをかけているPD-1と
 くっついて免疫のブレーキを阻害する)
の関係が、素人の私には、
さっぱり、しっくりこないのですが、

MSI-Highというのは、遺伝子の修復機能の
低下を示すバイオマーカーだそうで、
米国では、胃癌や子宮内膜がんで約20%、
大腸癌や胃癌などの消化器系の癌や
子宮内膜がんで発現率が高いらしい

※新聞報道によると、MSI-High発現率は
  全固形癌の3%程度のようです。

標準の抗がん剤治療が乏しかったり、
効きにくい消化器系の癌の、
「今」治療中の患者さんには
朗報でしょうか。


乳癌では、

・対象患者がいるのか、

   ※遺伝性乳癌のBRCA遺伝子異常だったら
     MSI-Highを示しそうだけど…。
    遺伝子修復できずに癌化していると
    言われているのだから…。

   ※岩田広治先生がお書きになっている情報
     によると全乳癌の2%くらいらしい。
    
・MSI-Highだと、
   なぜキイトルーダが効くのか、
   本当に効く確率が高いのか、

素人では理解できないのだけれど、

そして、保険適応で使える、
また、消化器系の癌腫に比べれば
効く確率の高い、
殺細胞性抗がん剤や新薬が、
そこそこの数、存在している乳癌で、
「標準治療がなくなる」
という状況は、

・認可されている(保険適応で使える)
   殺細胞性抗がん剤を全て使い切った、

   あるいは、

・基礎疾患や、それまでの抗がん剤治療の
    副作用の影響で、抗がん剤治療そのものが
    困難になっている

といった状況でしか使えない
ということだと思うのですが、

基礎疾患で抗がん剤治療が困難な方は
MSI-Highの検査をしてみると
よいのかもしれません。
  ※それより先に遺伝性乳癌の検査を
     してみる方が先だと思いますが…。
検査も保険適応になるようです。

というような見方も参考にしていただき、
主治医さんに確認してみて下さい。

それより前に、
乳癌の国際第3相臨床試験(トリネガ)の
結果はどうなっているのか、
知りたいですよね…。

 ※ KEYNOTE-355の結果待ち
    キイトルーダ+医師選択薬
    (nab-パク  or  パクリ or
      ゲムシタビン+カルボプラチン)

=====

乳癌治療へのインパクトは、それほど
大きくないとは思いますが、

RCT(第3相のくじ引き試験)なしの、
条件付き迅速承認による適応追加は

命の危機に直面している患者にとって、
プラセボに当たることなしに新薬を試せる
(勿論、試したくない患者は、治療を受け
 なければよいだけ)
ようになることは、

結果が精緻に取得、統計処理して公表
される前提で

医療、厚労省の薬事承認の進化だと、
喜ばしいことだと、私は、思います。


ー◆ー◆ー◆ー

私のブログの関連過去記事


一部、RCTに関する私の思いを転記します。

   何度か過去記事に書いていますが、
   念のため、ここにも補記しておきます。
   私がRCTを「非人道的」と書いたのは、
   国民皆保険で保険診療の治療費が安くて
   済む日本では、治療費が払えないから
   治療費を負担しなくてよい新薬の臨床試験
   を希望する、という患者はそうはいないと
   思われ、そもそも新薬の臨床試験に参加を
   希望する患者は、新薬を試したいから
   参加するのであって、
   そうでないならば標準治療を受ける、
   あるいは無治療を選択するはずで、
   誰もプラセボ(対象群)に当たりたいなどと
   思っていない、
   「必ずしも効くとは限らない、予期せぬ
   副作用があるかもしれないリスクも負う」
   と覚悟を決めて新薬に賭けるのです。
   そういう状況下でのプラセボ群の設定を、
    命の掛かった治療、厳しい局面の癌患者
    に行うのは、「非人道的」だと、
    述べているのです。
    患者の命は1つですから、
    患者は医療研究用のモルモットでは
    ありませんから。


ー◆ー◆ー◆ー

AnswersNews(株式会社クイック)
『【UPDATE】5陣営がしのぎを削る免疫チェックポイント阻害薬、最新の国内開発状況まとめ』より引用

AnswersNews(株式会社クイック)
『【UPDATE】5陣営がしのぎを削る免疫チェックポイント阻害薬、最新の国内開発状況まとめ』より引用

乳癌の国際大規模臨床試験をしているのは
アテゾリズマブ(テセントリク)の他には
ペンブロリズマブ(キイトルーダ)。
乳癌に関するキイトルーダの結果は、
まだ公表されていない。
因みにキイトルーダは、過去にも書いた
ように、肺癌の臨床試験の勝者であり、
近いうちに売上はオプジーボを抜くと
言われている。

AnswersNews(株式会社クイック)
『【UPDATE】5陣営がしのぎを削る免疫チェックポイント阻害薬、最新の国内開発状況まとめ』より引用

にほんブログ村 病気ブログ 乳がんへ
にほんブログ村

   私がフォローさせていただいている方々、または
   癌に罹患した経験のある方、 がん患者の家族
  (の経験者)、 保険診療での癌治療や癌緩和治療の
   経験がある医師 以外の方々からの 
 「いいね」は固くお断りします。

  癌罹患または癌家族の経験が最近のブログ記事や
  プロフィールに書かれていない方からの
  共感、応援は  「いいね」でなくコメントで
  お願いいたします。