先進医療に指定されている、
(3~4年前の初期治療時にも調べたが…)
陽子線治療や重粒子線治療の
最近の状況?も確認しました。
やはり、基本的には原発巣の治療ですね。
ガイドライン的なところは、
日本放射線腫瘍学会(JASTRO)が出していて
足並み揃えて多施設共同臨床試験で
結果を出していきましょう、
という感じでしょうか。
◼陽子線、重粒子線のメリット(対X線)
・X線は身体を突き抜けてもエネルギーが
相当残るくらい正常組織にもダメージを
与えるが、陽子線や重粒子線は、
癌の手前にエネルギーのピークを持って
いって、そこでエネルギーを放出して癌を
やっつけることに使ってエネルギーを
消滅させる、ということができるので、
正常組織へのダメージが小さい。
・重粒子線(炭素線が使われている: 因みに、
ヘリウムより重いものを重粒子線と
呼ぶらしい)は、X線や陽子線に比べ、
癌を死滅させる力が強いので、
放射線治療が効きにくい癌にも
有効な可能性が高い。
治療期間も短くて済む。
と言われている。
◼陽子線の保険適応
陽子線治療は公的保険適応になってきて
いますね。
・小児癌(限局性の固定癌)
・限局性及び局所進行前立腺癌(転移なし)
・頭頚部癌(除:口腔・咽咽頭の扁平上皮癌)
・骨軟部腫瘍(根治手術非適応)
◼陽子線先進医療
▼国立がんセンター東病院
・「ラインスキャニング法」
・転移性肝癌(単発で他の部位に転移が
ないもの)も対象に入っている。
▼メディポリス国際陽子線センター
(鹿児島指宿)
・肝転移、肺転移(3個まで)も対象。
※低リスク早期乳癌の臨床試験もやっている
サブタイプはホルモン陽性/HER2陰性に限定
以前、書いたことがある。
この臨床試験、上記記事を書いた当初は
「自由診療」と書かれていたが、
その後の変更で、患者は費用負担を
しなくてよくなっている。
・リゾート滞在型の陽子線治療に
ちょっと惹かれますね…。
指宿の砂風呂懐かしいなぁ…。
▼北大病院陽子線治療センター
・「スポットスキャニング法」という
ビームの利用効率のよい最新の機械、
最新の技術のようで、
二次発癌の減少も期待されるらしい。
・残念ながら、転移性癌は対象として
掲載されていない。
▼筑波大病院陽子線治療センター
・対象は「他の臓器への転移がなく、
病巣が狭い範囲に限られていること」
▼静岡県立静岡がんセンター
・「遠隔・リンパ転移がないこと」
▼名古屋市立西部医療センター
名古屋陽子線治療センター
・「スポットスキャニング照射」
(頭頚部、骨盤、脊椎など)
・「二重散乱体照射」 (肺、肝臓など)
・「固定照射」(前立腺がん)
・転移性を対象としているかは不明。
「その他は、ご相談ください」
▼相澤病院陽子線治療センター (松本)
・「ラインスキャニング法」
・転移性腫瘍も対象としている。
・先進医療の適応外でも自由診療で
治療を行うこともある。
▼福井県立病院
・転移性の対象
①発見された転移性腫瘍が一ヶ所だけで
その状態が続いている。
②化学療法の効果により小さな転移巣は
消失したが、大きな病巣が一ヶ所
残っている。
その他の施設一覧は
厚労省のHPをご参照下さい。
ーーーーー
◼重粒子線の公的保険適応
・限局性及び局所進行前立腺癌(転移なし)
・頭頚部癌(除:口腔・咽咽頭の扁平上皮癌)
・骨軟部腫瘍(根治手術非適応)
◼重粒子線の先進医療
▼放医研病院(千葉、稲毛)
・早期低リスク乳癌の臨床試験中。
(ステージ1、サブタイプは問わない
広範なリンパ管浸潤・乳管内進展なし
治療前のセンチネルリンパ節生検で
2mmを超えるリンパ節転移なし 等)
※患者は費用負担しなくてよい。
(公的保険適用の検査の3割負担はあると
思いますが)
▼群馬大病院
▼九州重粒子線国際治療センター
(サガハイマット)
▼神奈川県立がんセンター
※医師退職問題は片がついたのでしょうか…。
上記4施設では膵臓がんも対象になって
いました。
その他の施設一覧は
厚労省のHPをご参照下さい。