ご訪問ありがとうございます。
PRESIDENT Onlineで、
マネー 2017.8.6
乳癌とお金の連載(全3回)が掲載されて
いますね。
内容は記事内容をご参照いただき、
私は、PRESIDENT Onlineの記事の筆者が
元ネタにしている、
公益財団法人がん研究振興財団「統計'16」
や、
ホルモン陰性には関係ない記事内容に
ビビっと反応してしまったので、
それについて書きたいと思います。
公表されて、一時話題になった、
10年生存率の統計。
乳癌では、タイプによって、
予後が大きく異なるにも関わらず、
多数(乳癌の8割)を占める、
ホルモン陽性の穏やかな癌が、
乳癌の標準として語られる。
「乳がんがかかりやすく、治りやすい
がんであることは、
生存率によく表れている。」
統計は、多数派のホルモン陽性の寄与度
が大きいから、
サブタイプ混在の乳癌患者集団で括って
他の内臓系の癌と比べれば、
それは紛れもない事実ではありますね、、。
サブタイプ(&ステージ)混在の平均は、
・5年生存率 93.6% (2006-2008年診断例)
・10年生存率 81.7% (2000-2003年診断例)
統計表示としては、正しいですね、、。
ステージ3の、サブタイプ混在の平均は、
・5年生存率 82.6% (2006-2008年診断例)
・10年生存率 54.7% (2000-2003年診断例)
統計表示としては、正しい。
そして、このステージになると、
おそらく、予後の悪い、
しかし人数比的にはマイノリティーである、
ホルモン陰性(トリネガやHER2タイプ)
や、トリポジ(HER2陽性)の寄与度が
高くなっているはずで、
タイプ混在であっても、
自分の参考にはなってくるかな?、、。
※予後の悪さの因子で最大の因子は
ハーセプチンが出る前はHER2陽性、
次いでホルモン陰性。
要するに、HER2タイプ(私のタイプ)は
悲惨なくらい予後が悪かったらしく、
院前薬局の薬剤師さんにも、しみじみ、
「ハーセプチンが出てからで、
本当によかったよ。
ハーセプチンは本当にいい薬だから、
頑張って続けてね。」
と励まされたくらい、
乳癌患者を長い間見てきた医療関係者は、
揃って同じことを仰る。
私が、公益財団法人がん研究振興財団
「がんの統計'16」の統計が
公表された時に、おっ、と思ったのは、
過去の数字からの変化(上がってること)。
ステージ3の5年生存率が、
10年前と比べて、10%ほど上がっています。
ハーセプチンの寄与度が高い
のだと、私は思います。
さらなる抗HER2薬の開発も進み、
今まさに、トリネガ向けに、
免疫チェックボイント阻害剤
が、開発、臨床試験中です。
※過去記事でも書きましたが、
私が再発転移する時は、
ハーセプチンが効かずに生き残った癌細胞
ということで、
トリネガの癌細胞である可能性も高い。
(ホルモンは、ゼロ、ゼロの非反応なので
ホルモン陽性になることは、
まずないと思われる)
同病の方のブログを拝見すると、
臨床試験に参加されて、
治療を頑張っている方もいらっしゃいます。
期待と希望を持って、
臨床試験に
参加して下さってる先輩方、
過去の同病者の方々に
感謝
しつつ、

第2のハーセプチンが生まれるまで、
命を繋ぎ、
自分らしく、
自分がよし、と思えるよう、
日々を生きていきたいなぁ、
と思います。
と前向きに思っているとね、
PRESIDENT Onlineの記事はまだいいのよ、
マイノリティータイプの存在
を無視した、
「乳癌になっても10年は大丈夫、治りやすい、長生きできる」を大前提に、
乳癌って皆同じだと思って
それを当たり前の前提として、
諸々言ってくれる人も多く、
説明しても、所詮他人事の場合、
相手は軽く、思い込んじゃってるから、
相当、不快なことを
言われる続けることもあります。
客観的な数値、統計を公表することは、
一歩前進で、私は大賛成ですが、
乳癌の統計は、
必ずタイプ別まで出して、
何かを述べていただきたい、
と切に思います。
マイノリティーの人自身も、
数値や統計を誤解釈あるいは利用して
ミスリードされたり、したりしちゃう人も
いるかも、ですし。
私は、
「乳癌の人では何年も長生きしている」
と言われる、
標準外治療の治療情報提供者には、
HER2タイプやトリネガもいますか?
と聞いています。
梅澤先生にも質問したことがありました。
梅澤先生の直近の書籍には、
乳癌のサブタイプも
明記して下さっています。
※因みに、最大限の治療を望んでいた私は
梅澤先生には
セカンドオピニオンを2回断られています。 が、きちんとお返事をいただいています。
梅澤先生のブログは
日々、愛読しております。
(乳癌を全く忘れて日々を送っていた
1年半近く、遠ざかっていましたが、、)
私の性分なので、
意見の手紙を関連機関に出したい
と思っています。
※もちっと娘ちゃんが落ち着いて、
心と時間の余裕ができたら、近々、、。
関連機関とは、統計を出しているところ。
それから、
少なくとも、医師が、
治療のエビデンスとして、
臨床試験結果を示す時には、
後ろ向き統計でもよいので、
サブタイプ別に
示していただきたい、
それは、乳癌学会にも、再度、
治療を受けた、今後、治療を受ける
可能性の高い一乳癌患者として、
要望の手紙を出したい、と思います。
(言うべきところ、すなわち、
改善していただける組織、主体に、
堂々と要望を伝える、ってこと)

この記事しか読まない方々に誤解を招かない
ように補記しておきます。
生存率統計は、まだまだ癌種別でしかない
ようですが、
「少なくとも」以下に書いた、
乳癌の治療選択、治療判断のための
根拠となるエビデンス、臨床試験結果は
新薬開発では、当たり前ですが、
ターゲットとなる対象群が選ばれ、
比較対象となる標準治療が異なるわけだから
サブタイプが選定条件に入ったり
全タイプ対象であれば結果がサブタイプ別に
解析されており
さらに新しいターゲット因子の発見と
治療開発が進んできていますので、
それらの因子別に生存期間曲線、生存期間
中央値やある時点の生存率も
当然、論文には書かれ、
ネットで臨床試験や臨床研究論文も
検索でき、
少なくとも乳癌については
診療ガイドラインに、根拠となる臨床試験
も書かれているので
特に乳癌患者、罹患者は、
それらの正確な情報を参照すればよいと
思います。
問題は、自分事ではない人々向けの
不正確かつ偏った(意図もあるから…)
マスコミ報道と、マスコミに扇動されて
思い込む世の中の人々が更に広める、
偏見に満ちた不正確な情報、
癌であることをカミングアウトすると
善意であれ、悪意というか利用される
というか(癌ビジネスの押し売り)であれ、
不正確な情報しか持たない人々の
余計なお節介にも悩まされることに
なるのは、相変わらずのようで、
何とかならないものでしょうかね、、。
(2019/11/9 紫字追記)