始める前に調べたことを書き残します。
2年前の情報なので、最新ではない点は
ご留意の上、必要な方はご自身で調べて
下さいね。
⬛免疫細胞療法比較(リンフォテックHP)
▼がんペプチドワクチン療法と関根法
・ペプチド抗原を化学合成した「がんペプチド
抗原」を投与し、患者のTリンパ球を
身体の中で、癌を攻撃できるリンパ球
「がん特異的リンパ球」に変化させて、
がんを治療するのがペプチドワクチン療法
・関根法では患者の血液の中にある
「がん特異的リンパ球」を含むリンパ球を
身体の外(研究室)で、がん抗原を用いず、
『がん抗原ー樹状細胞』による刺激と
似た活性化手法で活性化させ増殖させる。
活性化させたTリンパ球群を投与して
行うがん治療。
直接癌細胞を攻撃するリンパ球(キラーT
細胞 )だけでなく、体内の免疫機能の
活性化を手助けするようなリンパ球
(ヘルパーT細胞)も投与されるので、
患者の免疫反応性も高まる。
これにより、QOLの改善や抗がん剤や
放射線療法の副作用を軽減する効果も
期待できる。
▼樹状細胞療法と関根法
・樹状細胞療法は、理論上では、がんを認識
するように教育を行うので確実な教育が
行えれば効果が期待できる研究段階の療法。
現在では、癌組織に直接樹状細胞を注入
すると、効果があることが分かっている。
しかし、樹状細胞が、効率よく癌細胞に到達
出来るような工夫が考えられているか、
かつ確実にがん細胞の特徴を捉えているかの
確認が必要となる。
現段階では、がんの特徴を確実に認識させる
ことは大変難しいとされている。
・樹状細胞療法に使用する細胞は、アフェ
レーシス(成分採血)により、2時間ほど
かけて抽出される。血液中から大量の
リンパ球や単球を体外循環により採取する
ので非常に患者の負担(リスク)が大きい。
免疫力を心配される場合には不向きと
言われている。
(効果がなかった場合は免疫力の低下のみ
残る)
・この点、活性化自己リンパ球療法は、
1回の採血が20~50mlと少量であり、
しかも1回の採血で複数回投与することが
でき、採血による患者の負担が少なくて
済む。
・樹状細胞療法が有効である可能性は、
理論で構築されつつあるが、樹状細胞療法
が有効と思われる例では、
活性化自己リンパ球療法も有効であると
考えている。
それは、両者ともよく似た活性化が
起こっているから。
▼NK細胞療法と関根法
・ NK細胞療法はLAK療法とも言われ、
一時盛んに研究されていたが、
期待したほどの治療効果がなかった。
その理由は、癌細胞に対する殺傷力は
T細胞の約3分の1程度で、さらに
血管壁を通過して癌に到達することが
困難であるためと言われている。
また、IL-2の副作用も強いこととあり、
LAK療法は数年で後退した。
・最近、少量の血液から活性化培養する
方法が開発され、いくつかの医療機関で
臨床応用されているが、
培養方法やその効果に関する学術的な
報告はほとんどなく、
その臨床効果は確認されていない。
・『関根法』で培養している活性化自己
リンパ球は、血管壁を通過して癌に到達
することが可能で、抗腫瘍効果が期待
できる。
また、活性化自己リンパ球投与時に
抗CD3抗体やIL-2を除いているため、
重篤な副作用もない。
・効果については臨床試験を実施し、
有効性の確認を行っている。
結果は、英国医学雑誌「Lancet」に掲載され
世界の医学会に認められた。
※大腸がん。抗がん剤と違って癌種は
あまり関係ないのでは、と私は思う。
きちんと筋を通した療法という点、
副作用がほぼない点を、私は評価する。
⬛免疫細胞療法の種類(リンパ球バンクHP)
「NK細胞は活性を上げない
と役に立たない」
が
「増殖させると活性が下がる」
という壁
![下矢印](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/121.png)
![](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/269.gif)
のもの(日本版LAK療法)
![](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/269.gif)
他の免疫細胞を用いるもの
(T細胞系)
※関根法、CD3-LAK法のT細胞はこれ
![](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/270.gif)
(ペプチドワクチンなど)
![](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/271.gif)
(リンパ球バンク/勅使川原)
▼日本版LAK療法とは
・ANK療法を除けば、「NK細胞を培養
している」とする各種免疫療法は、
基本的に同じもの。
日本版LAK療法と総称しているが、
個々の名称は、
NK細胞療法、活性化NK療法、
活性化自己リンパ球療法、あるいは、
もっと独自の名称を使っている場合もあり
様々。
(例外は、広島大学で生体肝移植の際に
用いられるLAK療法)
・静脈血を20(30~40の場合もある)ml程度
採血し、リンパ球を分離後、低濃度IL2を
含む一般的な培地(市販されている)を
用いて、2週間程度、血液バッグの中に
細胞を静置する。
一般のクリニックでも手軽に行え、
培養原価が安く、各地のクリニックが
独自に行っている。
全国で100以上のクリニックで実施されて
いる模様。
2週間の培養期間中に、ざっと10倍前後の
NK細胞が増えてくるが、活性が下がって
しまう。
この条件下では、T細胞が1000倍程度
増殖してくるので、培養後の細胞の大半は
T細胞。
免疫刺激も弱いので、発熱などの副作用は
ほとんどない。
▼ANK療法は
・ ANK療法は、「NK細胞は活性を上げ
ないと役に立たない」が「増殖させると
活性が下がる」、活性と増殖を同時に
成立することができない、という壁を
正面から乗り越えた世界で唯一の実用的な
培養方法を用いている。
(現在のANK療法で用いている培養法以外
にも、NK細胞の本格的な活性化と増殖を
同時に実現する技術は、勅使川原が創業前
に開発しているが、培養コストが更に高く
実用的とは考えていない。)
・ANK療法では、概ね90分間、動脈血を
採取することを基本としている。
(リンパ球以外の成分は、その場で直ちに
体内に戻す)
米国LAK療法より、2桁細胞数が少ない
ことになる。(72時間 vs 1時間半)
その代わり、患者の細胞の状態や数に
よって大きく異なるが、所定の細胞数に
達するまで概ね、数十倍(~数百倍)
NK細胞を増やせる。
・現在、知られている限り、如何なる癌細胞
でも攻撃し、かつ、正常細胞を傷つけない
存在は、体内で、がん退治の主役を担う
NK細胞しかいない。
但し、NK細胞は活性が低いと、癌を攻撃
しない。
▼CTL療法は
・CTLは、キラーT細胞を標的癌細胞と
一緒に培養することで得られる。
CTLは、覚えた標的のみを攻撃するが、
CTLの場合、認識できる癌細胞に制限
がある。
(MHCクラスI分子を持つ癌細胞しか
認識できない。)
・なお、NK細胞とキラーT細胞の中間的な
性質を持つNK-T細胞や、γ/δT細胞も、
癌細胞を攻撃することを確認されている。
但し、体内に存在する数が少なく、
NK細胞よりも格段に攻撃力が劣るため、
癌を制圧する主役とは考えられていない。
・それ以外の免疫療法は、NK細胞の培養が
困難なため、もっと扱い易いものを探した
結果、「こうすれば、癌を攻撃するように
なるかもしれない」と、考え出されたもの。
体内で、癌細胞を攻撃する主役ではない
細胞や物質を用い、人為的に、癌を攻撃
させようとして研究を重ねている段階。
実際に癌細胞を攻撃するのかどうか、
確認されていない。
免疫細胞療法は、どのようなものであって
も(ANK療法を除く)、安全なもので、
QOLを改善するか、少なくとも損ねない
ものではある。
![ダウン](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/175.gif)
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