『ベルギーの奇才による至福の傑作、待望の上演!!
ヤン・ファーブル 演出・振付・舞台美術天井に吊るされた沢山の瓶。
そこから糸をひくように滴り落ちるオリーブオイル。
水溜まりのように照明の光を照り返すオリーブオイルが、
徐々に舞台全面を覆い尽くす。
初めそれを避けるように踊っていた女性ダンサーは、
やがて全身にオリーブオイルを浴びて床を転げ回り、
全速力で滑り、アクロバティックな踊りを繰り広げて、
男女の性を超越したアンドロジナス(両性具有者)、
「美の戦士」として立ち現れる。
ヤン・ファーブルは、美貌のダンサーが秘める
両性具有の妖しい官能性を鮮やかに描き出した。
(ドミニック・フレタール ル・モンド紙)
このダンスは完璧なアートであり、
ダンサーは抜群の表現力を持ったアーティストだ。
…素晴らしいの一言に尽きる。
(ルネ・シルヴァン ル・フィガロ紙)』
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という舞台を友人と見て参りました。
急遽、演者が変更になり、
韓国人のSung-im Her(スン・イム・ハー)さんの
スピード感溢れるダンス。
ちょうど、私は演劇の稽古の真っ最中で、
開演10分前位から、
ただ、天井から釣り下がる紐と
オリーブオイルが30~40本ほど置いてある舞台に
彼女が後ろ向きで微動だにせずいる姿を見て、感動。
演劇をやってみて分かったことだが、
大勢が見ている中、完全に静止する、というのは
かなり度胸がいて、普通は視線が泳いだり、
踊る前ならば、軽く肩を回すとか、ストレッチをしたくなるもの。
踊る前から、その姿に何か訴えてくるものがあった。
歌を歌いながら沢山ある瓶を1つずつ、一人で吊るす。
オリーブオイルが徐々にステージ上に落ち、
油まみれの足場の悪い中、
もの凄いスピードの動きの連続が始まる。
少しずつ衣服を脱ぎ、全裸で開脚もしながら踊る。
これは本当に度胸がないと出来ない。
舞台は裸になるようなモノと言うけど、
やっぱり本当に全裸になるっていうのは、ね。
普通、観劇に行くと、8~9割は女性だが、
この舞台は半数は男性だった。
芸術の名を借りた、集団ストリップ。
という目で見ている人がいるのと
元々のダンサーがスパニッシュ系美人だったので
演者が変わったことが非常に残念。
昆虫学者ファーブルが曾祖父、という
演出ヤン・ファーブル作。
1階E列7番 2006/7/2
主役の男が女である時 Quando l'uomo principale e una donna