2018年度診療報酬改定における更なる向精神薬投与制限について | kyupinの日記 気が向けば更新

2018年度診療報酬改定における更なる向精神薬投与制限について

20184月から、更に厳しい向精神薬投与制限が行われる見通しである。正式には35日か6日に決定される。

 

この内容を簡略にざっくり言うと、主に2つの柱があり、1つは睡眠薬、抗不安薬のカテゴリーでそれぞれ2剤まで処方できたものが、この2種類のカテゴリーでトータル3剤までしか投与できなくなる(1つのカテゴリーでは2剤まで)。これに違反するとレセプト点数にペナルティが生じる。

 

なお、抗精神病薬、抗うつ剤は従来通りである。

 

もう1つはベンゾジアゼピン系の薬剤を12月以上、 連続して同一の用法・用量で処方されている場合にやはりペナルティが生じる。

 

患者さんには主に前半が重要だと思う。今年度まで可能だったが来年度から制限に引っかかる処方例。

 

1

サインバルタ 40

ワイパックス 1.5

デパス    1

ベルソムラ  20

レンドルミン 0.25

 

2

エビリファイ 24

ソラナックス 2.4

ワイパックス 1.5

ハルシオン  0.25

ロヒプノール 2

 

と言った感じである(眠剤2剤、抗不安薬2剤)。急に決まった処方制限で国が決めたものなので従うしかない。

 

後半の「ベンゾジアゼピン系の薬剤を12月以上、 連続して同一の用法・用量で処方されている場合」だが、「ベンゾジアゼピン」と明記されているので、ベルソムラやロゼレムは含まれない。また一般に非ベンゾジアゼピン系とされるマイスリー(ゾルピデム)やルネスタ、アモバン(ゾピクロン)は含まれないと思う。

 

問題はデパスである。デパスは厳密にはベンゾジアゼピン系ではないが、このような記載の場合、含まれてしまうような気がする。正式にリストアップされるまで待たないといけない。

 

参考

外来における向精神薬投与制限
外来処方制限における微妙な向精神薬
2014年10月1日から始まる外来の多剤投与制限の薬物一覧
外来における向精神薬投与制限 Q&A

向精神薬2剤制限の拡大について

眠剤2剤制限の代替薬は肥満する薬が多い