イタリアでコロナウイルスの感染が
広がっています。
早い収束を祈るばかり…。
感染拡大の一因が
イタリアの医療崩壊とも
言われていますが、
実は我々親子は
4年半前のベネチア旅行の際
イタリア医療崩壊の現実を
実感していました。
元気に機内食を全て平らげていた母でしたが、
8月の予想を超える暑さの中
街を観光した翌日、
熱中症のような症状が出てしまったのです。
朝、ぐったりしていた母に
慌てた私は、
ホテルの人に相談し
そこを通りかかったアメリカ人医師から
病院に行くことを勧められ、
救急車ならぬ
救急ボートを呼び、
運河を渡り
島に一つしかない
大きい病院に駆け込みました。
ところが、救急搬送にもかかわらず
診てもらえる気配は皆無。
車輪付きのベッドに寝かされたまま
廊下に放置されること約4時間。
冷房下で
母の脚はすっかり冷たくなり
念のため診てもらうつもりで来たのに
不安が募ります。
ようやく診察してもらって
告げられたのは
即入院。
病名はてんかんとのこと。
え!?
これまでてんかんと
診断されたことはありません。
症状が出たようなことも
一度もない。
そして
即入院と判断される患者を
4時間放置とはどういうことなのだ!?
という驚き。
実は、
日本に帰国後
改めて診察したら
てんかんではなかったのですが、
しかしながら、
てんかんと言われてしまったことで
突然、いつ帰れるかわからない
母のイタリア入院生活が始まりました。
イタリアの医療現場は
日本と随分違うことを私は知りませんでした。
財政危機からの予算削減。
公立病院は質もマンパワーも不十分。
ある程度収入のある人は
皆プライベートドクターにかかるということ
帰国してから聞きました。
日本がどれだけ恵まれているのか。
イタリアの公立病院での入院で思い知りました。
信じられないことの連続。
人種差別も加わり、地獄のような日々でした。
つづく