子宮頸がん検診の受診回数が多いほど、健康が害されます。

 

検診を多く受けても、子宮頸がんの死亡率等は変わらず、不安と医療被害が増えるだけで、医者と検査機器メーカーが儲かる仕組みです。そして、過剰診断によって、見かけ上の患者が増えているだけなのに、がんが増えたと喧伝して、不安をあおり、ワクチンの宣伝につなげています。

 

過剰診断された患者はもともと予後が良い(そもそも健常人であって、治療が必要ながんや異形成ではない)のに、不安と治療という行為(儀式)によって、救われたと誤解します。そして、検診を勧める伝道者となる悪循環が起こります。

 

 

今回紹介するのは、より多く検診するアメリカと、検診頻度が少ないオランダのデータを比較した昨年の論文。

 

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27864938

 

オランダは、20代に検診を推奨していません。30歳以上が対象で5年間隔(50-60代は10年間隔)と、検診頻度が少ない国です。生涯の検診は6-7回程度。

 

一方のアメリカは20代も検診対象で、生涯の検診回数はオランダと比べ3倍近くです。

 

検診回数が多いとどうなるのでしょうか?

 

 2017 Mar 1;140(5):1215-1222. doi: 10.1002/ijc.30524.

Harms of cervical cancer screening in the United States and the Netherlands.

(参考抄録)

 

米国(US)およびオランダの、子宮頸癌のスクリーニングおよびスクリーニング陽性女性の管理に関連する有害性について検討しました。

 

我々は、4つの米国総合医療システム(SEARCH)、米国国民健康インタビュー調査、ニューメキシコ州、オランダの全国組織病理登録からのデータを利用し、子宮頸部スクリーニングの健康への悪影響に関する研究を行った。

我々は、Papanicolaou(Pap)スメア検査、異常検査結果、パンチ生検、治療、健康問題(不安、痛み、出血および退院)および切除治療に伴う早産を比較した。

結果は、2007年の米国人口に年齢標準化されました。

 

2007年に21〜65歳の米国の女性9100万人に対して
推定3600万のパップテスト
が実施された。(約40%の単年受診率)

 

230万人の検査異常(陽性)、
150万回のパンチ生検、
30万回の前癌病変のための治療、
5千人の早産
800万人の健康問題 が生じた。

 

 

オランダのスクリーニングでは、米国と比較すると、
パップテスト(検診頻度)が58%少なく、その結果として、
異常な検査結果(陽性判定) 64%減、
パンチ生検 75%減、
手術・治療 40%減、
早産 60%減

健康問題 63%減。

 

SEARCHデータは、2007年の他の米国データや2013年までの最新のデータと大きく異ならなかった。

 

したがって、オランダでの集中的でないスクリーニングの実施と比較して、米国の子宮頸癌のスクリーニングは、子宮頸癌の発生率および死亡率への影響は類似しているものの、2〜3倍高い損害をもたらす可能性がある。

 

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やはり20代の検診は、有害無益と言えるでしょう。

 

害が明確で、20代での有効性を示すエビデンスがないのですから、NATROMさんの理論だと受けるな! となるはずですが、なぜか彼は検診を強く推奨します。彼が患者に向き合わず、お金と権力を見ていることが良くわかる事例です。

 

日本の子宮頸がん推奨は、アメリカよりも対象年齢が広く、間隔も2年とアメリカの3年よりも高頻度です。さらに、企業や自治体や学会・病院によっては毎年の受診を推奨しています。

 

日本の子宮頸がんの単年受診率は、H28年の最新データで20-69歳で33.7%、上記調査対象である20-65歳で計算すると、35.5%です(H28国民生活基礎調査より)。

 

現在の日本の受診率とアメリカの受診率(単年40%)は、ほぼ同程度です。日本の受診率が低いというのは過去の話で、今はアメリカ並みに無駄な過剰な検査をしています。

 

そして、実際に、深刻な偽陽性と過剰診断による害が増えています。

 

20代の子宮頸がん(高度異形成、上皮内外含む)は、約20倍! 30代も10倍近く増えに増え、検診によって、膨大な数の患者が量産されていることがわかります。 

 

病気が増えているのではなく、検査で病人を作りだしているのです。

 

 

 

 

 

そして、検査頻度や受診率が違っても、死亡率と罹患率が変わらないのは、死亡率の低い現代の先進国では、検診の効果がないことを示していると思います。

 

 

(上の図は、以前に検診受診率と死亡率に相関がないことを説明した図

 

 

また、高度異形成(CIN3)について、治療した場合の害については日本産科婦人科学会でも認めています。

 

 

 

 

なお、日本では、検診受診率が上昇すると、死亡率が上昇することが、宮城悦子氏の神奈川県の研究データでも示されています。

 

それでもあなたは検診を受けますか? 友人や家族に勧めますか?

 

 

 

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