次亜塩素酸水は、次亜塩素酸ナトリウムを薄めた溶液ではありません。特殊な機械で生成されたものです。全く別のものです。濃度だけが違うわけではありません。
なので、次亜塩素酸ナトリウムをどんなに薄めても、人体（手指含め）には使用してはいけません。危険です。
昨日の次亜塩素酸水の記事に、コメントやメッセージ、たくさんありがとうございました。
登録販売者の私でも、１日中、パソコンと睨めっこしてわかったことは、ごく少ないです。
なので、一般の消費者の方が、惑わされるのは仕方がないことと思います。
とにかく、メーカーは販売して利益を得ることが1番の優先事項です。
医薬品や医薬部外品は、厚生労働省が「使用方法」「安全性」などを一定の検査を通して、合格しないと認定しません。なぜなら、利益優先ではないからです。安全第一だからです。
以前にもブログに載せましたが、この商品をパッとみて、どのように感じますか？
商品の表側には以下の記載があります。
「薬用」
「細菌やウイルスを素早く消毒」
「消毒用」「アルコール配合ジェル」
「手指・皮膚の洗浄・消毒」
「保湿成分でしっとり」
「指定医薬部外品」
なんか、コロナウイルスにも効果がありそうですよね。私もそう思って購入しました。
今度は裏側の表示を見てみましょう。
「薬用ハンドジェル」
「アルコール基剤配合薬用ジェル」
「用法容量：適量を手に塗布し、手指全体に伸ばします。乾燥するまでよくすり込んでください。」
「効能効果：手指・皮膚の洗浄・消毒」
間違いありません。
この商品は「除菌剤」ではなく「消毒剤」です。
それがわかるのは、成分表示です。
「有効成分：塩化ベンザルコニウム 0.05w/v%」
「添加物：濃グリセリン、エタノール、疏水化ヒドロキシプロピルメチルセルロース」
塩化ベンザルコニウムは、殺菌剤です。菌を殺菌します。
ですが、ウイルスには有効ではありません。
つまり、商品としての表示と有効成分が不一致なので、この商品は、コロナウイルス（ウイルス全般）の消毒には使えないこととなります。
塩化ベンザルコニウムが細菌類にしか効果がないなんて、一般消費者の方は知るわけないですよね。アルコール配合と書かれていると、コロナに効果があるって思ってしまいますが、重要なのはエタノールの濃度です。
添加物としてエタノールが配合されている程度では、コロナウイルスには効果がないんです。
（エタノール濃度70〜80％必要）
つまり、メーカーの謳い文句を鵜呑みにしてはいけないということです。メーカーも間違います。あえて、騙してるのかもしれません。ウイルスに効果があるとして売り出したほうが、たくさん売れますよね。
さてここからが本題です。
次亜塩素酸水について、わかりやすい詳しい説明が書いてあったサイトをまず参考にしてください。
昨日のコメントで気になったのは、殺菌力が次亜塩素酸ナトリウムよりも80倍高いとか、
開封後も長期間の保存に耐えうるとか、
真逆のことを信じておられる方がいらっしゃるのを心配しています。
わたしは、コロナウイルス対策に、次亜塩素酸水をお勧めしません。なぜなら、消毒剤として厚生労働省が認めていないからです。
ですが、除菌消臭剤として販売されている商品ですから、「除菌剤」「消臭剤」として使用するのは、構わないと思います。
ただし、次亜塩素酸水のメリットだけでなく、デメリットもちゃんと理解した上で使用しないと、ただの水を撒き散らし、消毒殺菌した気持ちになっていたら、大変危険です。
次亜塩素酸水は、とても不安定な薬品です。
光に弱いので、透明な容器に入れておくと、成分が変化します。
また、有機物（汚れなど）に触れると、すぐに水に変化します。ので、除菌効果すら失います。
また、開封後は、すぐに使い切らないとやはり成分が薄くなります。ただの水に変化します。
次亜塩素酸水を除菌で使用する場合は、まず、汚れを取り除いてから（掃除、石鹸で手洗い）、最後に除菌として使用するのが正しい使い方です。
室内の消臭のために、空気中に噴霧するのは、その効果があるのかどうかは、わたしにはわかりませんでした。
厚生労働省では、「次亜塩素酸ナトリウム」溶液の空中噴霧について、危険なので禁止しています。
次亜塩素酸水の噴霧について（4ページ目の最初の方）
わたしは、ただの登録販売者ですので、薬剤師でもなければ研究者でもないので、自分で調べたことしかわかりません。
ともかく、次亜塩素酸水をご使用になるのであれば、その商品についてだけでなく、成分についてもしっかり理解した上で、ご使用になることをお勧めします。
最後に繰り返しになりますが、厚生労働省では、新型コロナウイルスの一般家庭における消毒には、次亜塩素酸ナトリウム（家庭用塩素系漂白剤）を規定量で薄めて使用するようにと指示しています。
以上、長々と失礼しました。
本日も、我が町ではさらに5人の感染者が増加したようです。
みなさん、３密を避けて、手洗いを励行し、「STAY HOME」お家にいましょうね〜❣️
華音でした🌺
追記:厚生労働省の記事の読み間違いを指摘していただきました。一部ブログ記事の内容を変更してます。ありがとうございました