ミポリン
突然の訃報だった。
信じられない。
今も実感が湧かない。
事実を受け入れられないでいる。
頭の中に靄がかかっているようにふわふわした状態が続いている。
彼女を初めて知ったのは中学生の頃だっただろうか?
テレビで観るスーパーアイドル。
遠い存在とも思わないくらい遠い存在の人。
その時は会うことになることも、友達になることも想像すらしていない。
8年前くらいだろうか?
友人に焼肉に誘われて行ったら、そこにミポリンが座っていた。
ミーハーではないが、「あっ、中山美穂」くらいは思った。
焼肉食べて、その後にカラオケバー的なところに行って、なぜか途中で友人が帰ってしまい、さすがにと思い、酔っている彼女を家まで送っていった。
夜中3時くらいだったかな。
次の日に友人から美穂ちゃんが連絡先教えてって言ってるとのLINEが。
これが彼女と仲良くなるきっかけだった。
その後、美穂ちゃんの親友の女性と知り合い、よく3人で遊んでいた。
週1くらいのペースで会っていたんじゃないかな。
3人ともに3月生まれだったので、毎年合同誕生会もしていた。
一緒に旅行もした。
ほんと、女子友って感じで、彼女が俺のことを「妹的存在」というのも頷ける。
自分でも自分のことを女性らしいのか、男らしくないのか、そんな部分は自覚している。
それでもこんなに仲良しな女性は今までいなかった。
中山美穂を「美穂」と呼ぶことになるなんて思ってもいなかった。
コロナで会う回数は減り、たまに連絡を取るくらいになった。
中野サンプラザのコンサートがコロナで中止になった時は、凄く落ち込んでいた。
ファンから愛され、ファンを愛していた。
スーパーアイドルでありながら、1人の人間であり、1人の女性であり、でも環境からかやはり変わっているところもあって、魅力的で面白い存在。
コロナも落ち着き、彼女のコンサートを観に行ったり、ご飯行ったりするようになったのは嬉しかった。
アウトデラックスに一緒に出演したことは、一生の思い出だ。
最近は、「コンサートの途中でマジックをお客さんに見せて盛り上げたいんだけど、マジシャンの友達いない?」
という相談を受けていた。
色々提案したんだけど、結局マジックをすることもなくこんなことになるなんて。
美穂、もっと会いたかった、もっと話したかった。
君は世界中の誰よりも輝いていた。
「ただ泣きたくなるの」を聴いたら、こっちが涙が溢れてしまう。
こんな僕を親友って呼んでくれてありがとう。
歳を取るのは老いよりも、好きな人が居なくなっていくのが辛い。
それでも辛さや悲しみを受け入れて前に進まなきゃいけない。
人間は限りある命、自分もいずれこの世から去っていく。
そしたらまた会えるかな?
美穂、いっぱいありがとう。