随分放置していたココですが、まさかこんな形で更新するとは夢にも思いませんでした。
まあ元々が筆不精だし…
閑話休題。
本題に入ります。
2018年1月15日正午、目を疑うニュースが文字通り飛び込んできた。
有安杏果卒業
またまた〜とこの手のニュースを山ほど見てきたし、こういう時はまず信頼出来るソースをだな………探すまでもなくまさかの本人発信でした。
当然この日の午後は仕事も上の空で、夜にあるWeb放送を観ない事にはと一旦落ち着かせようとしてました。
まあ、意外と受け止められた自分も居たんですよ。
いや、そりゃ残って欲しいしやっぱり5人揃ってだろとは当然思うんですけどね。1番危うそうだなとは薄々思ってたんです。
思い起こせば数ヶ月前のココロノセンリツ武道館公演。
彼女が2年以上費やして手掛けてきたソロプロジェクトの集大成………ん?集大成って何だよ。
そうか「ココロノセンリツVol.0〜1」の集大成ね、ぐらいに受け止めてました。もうこの時点で実は間違ってたんです。
本当に凄いライブだったし、そりゃあ楽しかったし。まさか全力で楽しんでいる様を真後ろで4人のメンバーが見ていたとも知らずに。(はい、ここ余計ですね)
でもそんな余韻すら吹っ飛ぶ発言がライブ後半に出て来ました。
「ココロノセンリツはこれで終わりです」
Why? 大人をからかっちゃいけないぜボーイ!
いや待てよと、アナタは「ココロノセンリツはライフワークにしたい」的な発言を幾度かされてましたよね。そのライフワーク止めちゃうの? こんなに早く? Why?
と頭が大混乱を始めた後から彼女が語る言葉が全て『引退する人のソレ』だったワケですよ。聞けば聞くほどこのままマイクをステージに置いて去っちゃうんじゃないかと本気で心配になってきて、本能的に口から「やめないで!」って叫ぶ寸前でした。瞬時に何言ってだオマエと思って本当に手で喉元を押さえて言葉を何とか飲み込みました。
まあ、今となっては叫んだ方が良かったのか誰にも答えは分かりませんけどね。
さらに追い打ち(違うけど違わない)が続きます。
更新されたブログには『引退する人のソレ』が綴られ、幾度か「これからもももいろクローバーZを宜しくお願いします」という謎の文面が記されました。
もう緑推し大混乱。
タダでさえ(色んな意味で)面倒くさい人(自分含めて)が多い緑推しはここから1ヶ月に渡り『ココロノモヤモヤ』を抱える事になります。
まず武道館公演の翌日FCイベントで5人揃ったパフォーマンスを観てまあ大丈夫かと落ち着かせ、その翌日のFCイベントの様子を聞いてまあ大丈夫かと落ち着かせ…結局11月に出た日経エンタの連載記事を読むまで続いたんですね。そこでkwkmさんと杏果の対談を読みこれで大丈夫だ、と『ココロノモヤモヤ』を飲み込みました。
実はココに今回へと繋がる(結果的に繋がった)一文があったワケですね。
「杏果のソロコンは他のメンバーのソロコンと意味合いが違う」(的な文でした、確か)
いや〜嬉しいよね。kwkmさんも杏果の頑張り認めてくれてて。完全自己プロデュースでここまでやってのけたんだからそりゃ意味合い違うわなと。あーりんのソロコンも自己プロデュースだけど総合プロデュースと楽曲提供は他の人だったし―なんて喜んでた当時の自分を捕まえて小一時間説教したい。
そりゃ辞めるんなら、この公演の意味合いは全然ちゃうわ!! んなもん分かるか!!
思えば、この武道館公演では「やり残した事が無いように」と宇多田ヒカル氏の「First Love」をギターで弾き語りしました。彼女がギターを始めた時にチャレンジしてた曲だそうで(その音源をたまたま見つけて聴いたら余りに酷かったそうだ)今回リベンジしたいと。観衆の前でそれをやっちゃうのがこの人の度胸の凄さでもあるんですが。しかもこの会場もまたEXPG時代の因縁の箱。今回はたった1人でこの箱を埋めて公演を成立させてんだからリベンジもへったくれもねえわと。
1年前のソロコンのスタートである横アリもまた彼女がリベンジを果たした箱ですね。色々振り返ると22年という長い芸能活動の中で彼女があちこちに落として来た『落とし物』を全て拾って来る事が実は目的だったのかしら、なんて思うんですよ。武道館で全て拾い上げてしまったが故に【歌いたい<一旦休みたい】になっちゃったかなって。なんせ恐ろしいスピードで自分の『夢』が叶っていったんですから。そりゃ上手く行き過ぎだし、何処かでブレーキかけなきゃって思っちゃったのかも知れない。
彼女は超の付く現実主義者で、事ある毎に語られる夢は自分の足元をしっかりと見たものだけで、大言壮語とは無縁の人でした。
アタシは大箱ライブの最後の挨拶が大好きです。ここに今後の活動の方向性とかが示唆される事も多く、その典型例が国立の『笑顔の天下』宣言ですよね。また桃神祭2016はれにちゃんがライブのテーマの答えを見つけたりと数えればキリがないぐらいの名言の宝庫でもあります。
でも杏果だけはここでも『夢』を語る事をしなかった。
正直、推しですがここの毎回の挨拶は物足りなかったんです。アナタはどう思ってるの?どうやって行きたいの? そんな願望ぐらい聞かせてくれてもええんちゃうかな、なんて実は思ってたんですよ。そりゃ「寒くない? 大丈夫?」と真っ先に聞いてくれるアナタの優しさがたまらなく好きですけどね。
他の媒体でもれにちゃんや玉さんが強烈に『ももクロの存続を願う』発言を垣間見るのに、アナタからは余りその手の発言を聞けなかった。まあ先なんて見えないし今が精一杯って言われたらそれまでですけどね。実際それだけ精一杯以上に努力してたのは間違いないけど。
有安杏果という人は自己表現の手段として、そして自身が芸能活動を生きていく手段として偶然『アイドル』になっただけに過ぎない人だったんですよね。他の4人も偶然『アイドル』にはなりましたけど、そこで『アイドル』として生きる道を見つけられたからこそのこれまでの発言になっているんだなって。
でもあの子だけはそうじゃなかった。『歌』が生きる道になったから。杏果だけは『職業としてのアイドル』をプロとしてやってたんだなあって。でもプロだから徹頭徹尾素晴らしいし、本人の優しさも相まって(多分本人の意図としない所で)高い『アイドル力』を示していたように思う。
ーーーーーー切り取り線ーーーーーー(こっからは…いやここまでも全部想像の域を出ませんよ)
本人の口から聞いた引退理由
「普通の女の子を体験したい」
そりゃそうでしょ。頻繁にオーディションやら何やらに行ってて、行く先々で大人の顔色伺って、時にはおべんちゃらも言ってたでしょうよ。
そんな子がいくら学校通ってたとは言え、『普通の女の子』からは程遠いよね。
メンバーがモー娘。で盛り上がってても、彼女だけはその盛り上がりすら体験していなかったんだろう。これは24hUstでもハッキリ分かる。なんなら子供達の間で今何が流行ってて、どんなゲーム遊んでて、何ならマリオカートとかでケンカとか絶対体験してないと思うもん。兄弟も居ないしさ。
さらに「大喜料理」とか「ぽいキング」とかの企画で如何に『常識』が身に付いていないかを実感してたんだろう。彼女は学校の勉強は出来ていた。でも例えば休み時間とかに読む伝記とかそういうのって直接の勉強とは違うよね。自分が興味あるか無いかだけど、そういう時間が余り無かったんじゃないかなって。
Twitterでも荒れたけど、3度目の「大喜料理」は見ていて正直辛かった。根本的にあの子は典型的な負けず嫌いだし、かと言って出来ない自分を笑いに繋げられる程器用(それでも随分こなせるようになってた)でもない。そういう性格って分かっているから見ていて辛かった。
大学って高校までと全然違ってて、本当に色んな価値観のある人と出会えると思ってます。実際アタシはそうだった。だから『普通』を知らずに育って来たあの子にとって凄くキラキラしたものに見えたんじゃないかな。それでも単位フルコンとかやっちゃう辺りが如何にもあの子らしいけど。負けず嫌いだから芸能活動を言い訳に絶対したくなかっただろうし。
恋愛や学業、自分の夢、就職、周りのみんなを見ていると、芸能活動じゃ絶対見えてこない世界の広さを見てみたくなったんじゃないかな。そりゃあ、芸能活動していたからこそ特にももクロでの8年間は『普通の女の子』じゃ絶対見られないとんでもねえもんを山ほど見られたんだけど、それはそれでこれはこれ、だわな。
多分こういう積み重ねが『普通の女の子』(ま、これは恋愛も含めてだろうけど)に憧れる事に繋がったんだろう。
有安杏果という人は努力の人でもあるんですが、準備の人でもあります。
とにかく準備を徹底的にする。恐ろしいぐらい準備しています。それが例えばフォーク村での数々の好演に繋がってますよね。
そしてその準備が大崩壊した事がありますね。
緑推しは思い出したくもない2015年3月のフォーク村。
有安杏果は準備の人です。だからサプライズやアドリブに滅法弱い。
この日のフォーク村は彼女を祝う為にオープニングから(杏果にとっては想定外の)誕生日サプライズ。
ま、これだけなら何とか耐えられたでしょうが、この日は追い打ちをかけるように順番をすっ飛ばして「有安杏果を満足させるコーナー」(だっけかもう覚えてないわ)がいきなり1発目に。このコーナーは当時杏果が1番準備する必要がある程負担の大きいもので、それをいきなりやれと言われてパニックを起こした(ように見えた)事件です。
余談ですが、この事件は当時の2ちゃんで格好のネタとなりそりゃあ酷い言われようでした。本人が見てなきゃいいけど。
番組終了後、Pとしっかり話をしたそうだが本当に見ているのが辛い放送でした。後に村長とPは杏果のメンタルの弱さについて語っていましたね。これから段取りすっ飛ばすようなサプライズは無くなりました。
段取り変えるつーても2014年の桃神祭2日目とかは、事前に話し合って段取り変えてるワケだし本人納得の上ですからね。この日のコレとは別物です。だから素晴らしいライブでした。
で、ですね。この準備もまた負担が大きかったんじゃないかなって。歌だけじゃなく楽器もあるしで元々がめちゃくちゃ忙しい人達ですから、ホントどこで練習してんの?っていつも感心してましたよ。杏果は特に歌で期待されていますしね。(まあこれは玉さんとかも凄いよね。複数の楽器練習してんだもん)
あの子が心休まる時間ってあったのかなって思うんです。
無論条件は他の4人も一緒ですよ。
でも杏果の性格だとキツいんじゃないかな。下手したら病みますよ。こんなん。
でもそんな不安は一切見せないで『楽しいももクロ』を見せ続けてくれてたとしたら、と思うと『ココロノキュウソク』は必要になるかなって。
ももクロは常々『ファンタジー』であると思ってたし、そう見せられていました。だからこそ裏での凄い努力を鑑みながら「あの子らスゲ━━━━━ヽ(゚Д゚)ノ━━━━━!!!!」って誇りに思ってたんです。
この2日間で複数の方が仰ってましたね。『魔法が解けた』と。
かつてヒャダインはももクロをこう例えました。
4人の天才と1人の人間
そして唯一の平凡人である杏果は『努力の天才』だと。
キン肉マンでいうと超人に憧れ、やがて本当に超人になったジェロニモだと。
このジェロニモさん、人間(である事は隠して)として悪魔騎士の1人であるサンシャインと戦い辛うじて勝利します。しかし人間がそもそも超人に勝った事が異常で(何ならサンシャインはトップクラスの実力者)当然ながら彼の身体は限界を超えており、生命が燃え尽きようとしていました。(直接の原因はその後に皆を守る為に崩れるリングの下敷きになった事ですがね)そこで他の正義超人は自分の超人パワーをジェロニモに分け与え、何とか生命を繋ぎ止めようとします。そしてそのパワーを彼に与えようとした瞬間、ジェロニモの身体はそのパワーを受け取れませんでした。本来出来る事が出来ないと驚く正義超人にジェロニモは涙を流しながら語ります。
「だって、オラ人間だから…」
彼が後に超人になる話は置いといて、何か今の杏果と通じるところって無いですか?
杏果の心身に限界が来てたんじゃないかなと。
だってももクロの活動を通じて『喉が弱く風邪も引きやすくて、それでも歌い続ける為に扁桃腺を切り』「握ったマイク もう離さない」と歌った人がマイクを置いちゃうんですよ。
実際卒業を発表した後の表情が恐ろしいぐらい晴れやかで、むしろ笑顔の象徴とも言える夏菜子の表情の方が痛々しかった。まだ杏果が泣きながら発表してくれてた方がいくばかマシだったんじゃ無いかと思える程に。
肩の荷が下りたにも程があるやろ!って思って見てました。
凄く残酷なシーンでしたね。ホンマに。
あの子は常々「ウソがキライ」と言ってました。その言葉には今もウソが無いと思っています。推しの偏見と言われりゃそれまでですけど。
んじゃ「マイクを離さざるを得ない何か」があるとしか思えないんです。
あの子はメンバーの中でもスケジュール管理などをしっかりしていたのは有名な話ですが、多分彼女の手帳にはビッシリ予定が書かれていたんでしょう。それは準備を怠らない為にも。
そりゃあ推しですから「無期限活動停止」じゃダメなのかなって思いましたよ。
でも「無期限」でも「じゃあいつ再開するの?」って話になりますよね。となればまた手帳に予定書かなきゃってなりませんかね。だからこその卒業&契約解除なんだろうなって。
アレだけの音楽の才能、このまま埋もれさせるには惜しい限りですよ。
でもあの子が残した『傑作』(何度でも言いますよ、あれは傑作としか言い様が無い)である「ココロノオト」は本当に彼女の身を削って削って削りまくった結果出来た作品だと思うんですよ。だから拙い歌詞でもまあ刺さる刺さる。真っ直ぐにココロに響きます。1曲1曲職人の様にココロを込めて丁寧に作り上げたからこそあんだけ刺さるんだと。
それだけ身を削ったらもう削るもん残ってないんでしょうよ。次の作品が生まれるには充電期間がどう考えても必要じゃないかな。そん時には『普通の女の子』の経験が歌に活きてきますよね。あの子の友人で(多分)師匠であるaikoさんを見れば良く分かります。
ま、あの子が自分の想いを吐き出したくなる時が来れば自然と歌に変わっていくんじゃないかなって、密かな『ファンタジー』に期待は残しておきます。
【最後に】
ま、あの子ホンマにガンコやから絶対発言撤回なんてしないし、やっぱり5人が揃ったももクロが1番好きなんよ。だから敢えて言うね。
杏果のバカーーーーーーーーーーー!!
なんで先に辞めちゃうんだよ。
まだまだ見てない景色たくさんあんだろ。
夏菜子が言ってた「モノノフすら着いて来られない場所」にすら行ってないやないか!!
途中で逃げ出してんじゃねーぞ。負けず嫌いだったら最後まで戦えよ!!
貴女に出会えて本当に良かった。たくさんの想い出をありがとう。
たくさん素晴らしい景色を見させてくれてありがとう。
たくさん楽しいライブを見させてくれてありがとう。
いっぱい楽しませてくれてありがとう。
どうかゆっくり休んで新しい人生を満喫して下さい。
有安杏果さん、8年間お疲れ様でした。
またね。
まあ元々が筆不精だし…
閑話休題。
本題に入ります。
2018年1月15日正午、目を疑うニュースが文字通り飛び込んできた。
有安杏果卒業
またまた〜とこの手のニュースを山ほど見てきたし、こういう時はまず信頼出来るソースをだな………探すまでもなくまさかの本人発信でした。
当然この日の午後は仕事も上の空で、夜にあるWeb放送を観ない事にはと一旦落ち着かせようとしてました。
まあ、意外と受け止められた自分も居たんですよ。
いや、そりゃ残って欲しいしやっぱり5人揃ってだろとは当然思うんですけどね。1番危うそうだなとは薄々思ってたんです。
思い起こせば数ヶ月前のココロノセンリツ武道館公演。
彼女が2年以上費やして手掛けてきたソロプロジェクトの集大成………ん?集大成って何だよ。
そうか「ココロノセンリツVol.0〜1」の集大成ね、ぐらいに受け止めてました。もうこの時点で実は間違ってたんです。
本当に凄いライブだったし、そりゃあ楽しかったし。まさか全力で楽しんでいる様を真後ろで4人のメンバーが見ていたとも知らずに。(はい、ここ余計ですね)
でもそんな余韻すら吹っ飛ぶ発言がライブ後半に出て来ました。
「ココロノセンリツはこれで終わりです」
Why? 大人をからかっちゃいけないぜボーイ!
いや待てよと、アナタは「ココロノセンリツはライフワークにしたい」的な発言を幾度かされてましたよね。そのライフワーク止めちゃうの? こんなに早く? Why?
と頭が大混乱を始めた後から彼女が語る言葉が全て『引退する人のソレ』だったワケですよ。聞けば聞くほどこのままマイクをステージに置いて去っちゃうんじゃないかと本気で心配になってきて、本能的に口から「やめないで!」って叫ぶ寸前でした。瞬時に何言ってだオマエと思って本当に手で喉元を押さえて言葉を何とか飲み込みました。
まあ、今となっては叫んだ方が良かったのか誰にも答えは分かりませんけどね。
さらに追い打ち(違うけど違わない)が続きます。
更新されたブログには『引退する人のソレ』が綴られ、幾度か「これからもももいろクローバーZを宜しくお願いします」という謎の文面が記されました。
もう緑推し大混乱。
タダでさえ(色んな意味で)面倒くさい人(自分含めて)が多い緑推しはここから1ヶ月に渡り『ココロノモヤモヤ』を抱える事になります。
まず武道館公演の翌日FCイベントで5人揃ったパフォーマンスを観てまあ大丈夫かと落ち着かせ、その翌日のFCイベントの様子を聞いてまあ大丈夫かと落ち着かせ…結局11月に出た日経エンタの連載記事を読むまで続いたんですね。そこでkwkmさんと杏果の対談を読みこれで大丈夫だ、と『ココロノモヤモヤ』を飲み込みました。
実はココに今回へと繋がる(結果的に繋がった)一文があったワケですね。
「杏果のソロコンは他のメンバーのソロコンと意味合いが違う」(的な文でした、確か)
いや〜嬉しいよね。kwkmさんも杏果の頑張り認めてくれてて。完全自己プロデュースでここまでやってのけたんだからそりゃ意味合い違うわなと。あーりんのソロコンも自己プロデュースだけど総合プロデュースと楽曲提供は他の人だったし―なんて喜んでた当時の自分を捕まえて小一時間説教したい。
そりゃ辞めるんなら、この公演の意味合いは全然ちゃうわ!! んなもん分かるか!!
思えば、この武道館公演では「やり残した事が無いように」と宇多田ヒカル氏の「First Love」をギターで弾き語りしました。彼女がギターを始めた時にチャレンジしてた曲だそうで(その音源をたまたま見つけて聴いたら余りに酷かったそうだ)今回リベンジしたいと。観衆の前でそれをやっちゃうのがこの人の度胸の凄さでもあるんですが。しかもこの会場もまたEXPG時代の因縁の箱。今回はたった1人でこの箱を埋めて公演を成立させてんだからリベンジもへったくれもねえわと。
1年前のソロコンのスタートである横アリもまた彼女がリベンジを果たした箱ですね。色々振り返ると22年という長い芸能活動の中で彼女があちこちに落として来た『落とし物』を全て拾って来る事が実は目的だったのかしら、なんて思うんですよ。武道館で全て拾い上げてしまったが故に【歌いたい<一旦休みたい】になっちゃったかなって。なんせ恐ろしいスピードで自分の『夢』が叶っていったんですから。そりゃ上手く行き過ぎだし、何処かでブレーキかけなきゃって思っちゃったのかも知れない。
彼女は超の付く現実主義者で、事ある毎に語られる夢は自分の足元をしっかりと見たものだけで、大言壮語とは無縁の人でした。
アタシは大箱ライブの最後の挨拶が大好きです。ここに今後の活動の方向性とかが示唆される事も多く、その典型例が国立の『笑顔の天下』宣言ですよね。また桃神祭2016はれにちゃんがライブのテーマの答えを見つけたりと数えればキリがないぐらいの名言の宝庫でもあります。
でも杏果だけはここでも『夢』を語る事をしなかった。
正直、推しですがここの毎回の挨拶は物足りなかったんです。アナタはどう思ってるの?どうやって行きたいの? そんな願望ぐらい聞かせてくれてもええんちゃうかな、なんて実は思ってたんですよ。そりゃ「寒くない? 大丈夫?」と真っ先に聞いてくれるアナタの優しさがたまらなく好きですけどね。
他の媒体でもれにちゃんや玉さんが強烈に『ももクロの存続を願う』発言を垣間見るのに、アナタからは余りその手の発言を聞けなかった。まあ先なんて見えないし今が精一杯って言われたらそれまでですけどね。実際それだけ精一杯以上に努力してたのは間違いないけど。
有安杏果という人は自己表現の手段として、そして自身が芸能活動を生きていく手段として偶然『アイドル』になっただけに過ぎない人だったんですよね。他の4人も偶然『アイドル』にはなりましたけど、そこで『アイドル』として生きる道を見つけられたからこそのこれまでの発言になっているんだなって。
でもあの子だけはそうじゃなかった。『歌』が生きる道になったから。杏果だけは『職業としてのアイドル』をプロとしてやってたんだなあって。でもプロだから徹頭徹尾素晴らしいし、本人の優しさも相まって(多分本人の意図としない所で)高い『アイドル力』を示していたように思う。
ーーーーーー切り取り線ーーーーーー(こっからは…いやここまでも全部想像の域を出ませんよ)
本人の口から聞いた引退理由
「普通の女の子を体験したい」
そりゃそうでしょ。頻繁にオーディションやら何やらに行ってて、行く先々で大人の顔色伺って、時にはおべんちゃらも言ってたでしょうよ。
そんな子がいくら学校通ってたとは言え、『普通の女の子』からは程遠いよね。
メンバーがモー娘。で盛り上がってても、彼女だけはその盛り上がりすら体験していなかったんだろう。これは24hUstでもハッキリ分かる。なんなら子供達の間で今何が流行ってて、どんなゲーム遊んでて、何ならマリオカートとかでケンカとか絶対体験してないと思うもん。兄弟も居ないしさ。
さらに「大喜料理」とか「ぽいキング」とかの企画で如何に『常識』が身に付いていないかを実感してたんだろう。彼女は学校の勉強は出来ていた。でも例えば休み時間とかに読む伝記とかそういうのって直接の勉強とは違うよね。自分が興味あるか無いかだけど、そういう時間が余り無かったんじゃないかなって。
Twitterでも荒れたけど、3度目の「大喜料理」は見ていて正直辛かった。根本的にあの子は典型的な負けず嫌いだし、かと言って出来ない自分を笑いに繋げられる程器用(それでも随分こなせるようになってた)でもない。そういう性格って分かっているから見ていて辛かった。
大学って高校までと全然違ってて、本当に色んな価値観のある人と出会えると思ってます。実際アタシはそうだった。だから『普通』を知らずに育って来たあの子にとって凄くキラキラしたものに見えたんじゃないかな。それでも単位フルコンとかやっちゃう辺りが如何にもあの子らしいけど。負けず嫌いだから芸能活動を言い訳に絶対したくなかっただろうし。
恋愛や学業、自分の夢、就職、周りのみんなを見ていると、芸能活動じゃ絶対見えてこない世界の広さを見てみたくなったんじゃないかな。そりゃあ、芸能活動していたからこそ特にももクロでの8年間は『普通の女の子』じゃ絶対見られないとんでもねえもんを山ほど見られたんだけど、それはそれでこれはこれ、だわな。
多分こういう積み重ねが『普通の女の子』(ま、これは恋愛も含めてだろうけど)に憧れる事に繋がったんだろう。
有安杏果という人は努力の人でもあるんですが、準備の人でもあります。
とにかく準備を徹底的にする。恐ろしいぐらい準備しています。それが例えばフォーク村での数々の好演に繋がってますよね。
そしてその準備が大崩壊した事がありますね。
緑推しは思い出したくもない2015年3月のフォーク村。
有安杏果は準備の人です。だからサプライズやアドリブに滅法弱い。
この日のフォーク村は彼女を祝う為にオープニングから(杏果にとっては想定外の)誕生日サプライズ。
ま、これだけなら何とか耐えられたでしょうが、この日は追い打ちをかけるように順番をすっ飛ばして「有安杏果を満足させるコーナー」(だっけかもう覚えてないわ)がいきなり1発目に。このコーナーは当時杏果が1番準備する必要がある程負担の大きいもので、それをいきなりやれと言われてパニックを起こした(ように見えた)事件です。
余談ですが、この事件は当時の2ちゃんで格好のネタとなりそりゃあ酷い言われようでした。本人が見てなきゃいいけど。
番組終了後、Pとしっかり話をしたそうだが本当に見ているのが辛い放送でした。後に村長とPは杏果のメンタルの弱さについて語っていましたね。これから段取りすっ飛ばすようなサプライズは無くなりました。
段取り変えるつーても2014年の桃神祭2日目とかは、事前に話し合って段取り変えてるワケだし本人納得の上ですからね。この日のコレとは別物です。だから素晴らしいライブでした。
で、ですね。この準備もまた負担が大きかったんじゃないかなって。歌だけじゃなく楽器もあるしで元々がめちゃくちゃ忙しい人達ですから、ホントどこで練習してんの?っていつも感心してましたよ。杏果は特に歌で期待されていますしね。(まあこれは玉さんとかも凄いよね。複数の楽器練習してんだもん)
あの子が心休まる時間ってあったのかなって思うんです。
無論条件は他の4人も一緒ですよ。
でも杏果の性格だとキツいんじゃないかな。下手したら病みますよ。こんなん。
でもそんな不安は一切見せないで『楽しいももクロ』を見せ続けてくれてたとしたら、と思うと『ココロノキュウソク』は必要になるかなって。
ももクロは常々『ファンタジー』であると思ってたし、そう見せられていました。だからこそ裏での凄い努力を鑑みながら「あの子らスゲ━━━━━ヽ(゚Д゚)ノ━━━━━!!!!」って誇りに思ってたんです。
この2日間で複数の方が仰ってましたね。『魔法が解けた』と。
かつてヒャダインはももクロをこう例えました。
4人の天才と1人の人間
そして唯一の平凡人である杏果は『努力の天才』だと。
キン肉マンでいうと超人に憧れ、やがて本当に超人になったジェロニモだと。
このジェロニモさん、人間(である事は隠して)として悪魔騎士の1人であるサンシャインと戦い辛うじて勝利します。しかし人間がそもそも超人に勝った事が異常で(何ならサンシャインはトップクラスの実力者)当然ながら彼の身体は限界を超えており、生命が燃え尽きようとしていました。(直接の原因はその後に皆を守る為に崩れるリングの下敷きになった事ですがね)そこで他の正義超人は自分の超人パワーをジェロニモに分け与え、何とか生命を繋ぎ止めようとします。そしてそのパワーを彼に与えようとした瞬間、ジェロニモの身体はそのパワーを受け取れませんでした。本来出来る事が出来ないと驚く正義超人にジェロニモは涙を流しながら語ります。
「だって、オラ人間だから…」
彼が後に超人になる話は置いといて、何か今の杏果と通じるところって無いですか?
杏果の心身に限界が来てたんじゃないかなと。
だってももクロの活動を通じて『喉が弱く風邪も引きやすくて、それでも歌い続ける為に扁桃腺を切り』「握ったマイク もう離さない」と歌った人がマイクを置いちゃうんですよ。
実際卒業を発表した後の表情が恐ろしいぐらい晴れやかで、むしろ笑顔の象徴とも言える夏菜子の表情の方が痛々しかった。まだ杏果が泣きながら発表してくれてた方がいくばかマシだったんじゃ無いかと思える程に。
肩の荷が下りたにも程があるやろ!って思って見てました。
凄く残酷なシーンでしたね。ホンマに。
あの子は常々「ウソがキライ」と言ってました。その言葉には今もウソが無いと思っています。推しの偏見と言われりゃそれまでですけど。
んじゃ「マイクを離さざるを得ない何か」があるとしか思えないんです。
あの子はメンバーの中でもスケジュール管理などをしっかりしていたのは有名な話ですが、多分彼女の手帳にはビッシリ予定が書かれていたんでしょう。それは準備を怠らない為にも。
そりゃあ推しですから「無期限活動停止」じゃダメなのかなって思いましたよ。
でも「無期限」でも「じゃあいつ再開するの?」って話になりますよね。となればまた手帳に予定書かなきゃってなりませんかね。だからこその卒業&契約解除なんだろうなって。
アレだけの音楽の才能、このまま埋もれさせるには惜しい限りですよ。
でもあの子が残した『傑作』(何度でも言いますよ、あれは傑作としか言い様が無い)である「ココロノオト」は本当に彼女の身を削って削って削りまくった結果出来た作品だと思うんですよ。だから拙い歌詞でもまあ刺さる刺さる。真っ直ぐにココロに響きます。1曲1曲職人の様にココロを込めて丁寧に作り上げたからこそあんだけ刺さるんだと。
それだけ身を削ったらもう削るもん残ってないんでしょうよ。次の作品が生まれるには充電期間がどう考えても必要じゃないかな。そん時には『普通の女の子』の経験が歌に活きてきますよね。あの子の友人で(多分)師匠であるaikoさんを見れば良く分かります。
ま、あの子が自分の想いを吐き出したくなる時が来れば自然と歌に変わっていくんじゃないかなって、密かな『ファンタジー』に期待は残しておきます。
【最後に】
ま、あの子ホンマにガンコやから絶対発言撤回なんてしないし、やっぱり5人が揃ったももクロが1番好きなんよ。だから敢えて言うね。
杏果のバカーーーーーーーーーーー!!
なんで先に辞めちゃうんだよ。
まだまだ見てない景色たくさんあんだろ。
夏菜子が言ってた「モノノフすら着いて来られない場所」にすら行ってないやないか!!
途中で逃げ出してんじゃねーぞ。負けず嫌いだったら最後まで戦えよ!!
貴女に出会えて本当に良かった。たくさんの想い出をありがとう。
たくさん素晴らしい景色を見させてくれてありがとう。
たくさん楽しいライブを見させてくれてありがとう。
いっぱい楽しませてくれてありがとう。
どうかゆっくり休んで新しい人生を満喫して下さい。
有安杏果さん、8年間お疲れ様でした。
またね。