2021年5月22日

 夕方。高崎の自宅で、パソコンを起動させた。お気に入りの黒と灰色のチェックのシャツ(胴回りが細くてカッコいい)とジーパンというスタイルで、キーボードを叩いている。

 本日、県内で判明した新規感染者は56名。前橋市が13名。高崎市と館林地区が9名。伊勢崎地区は5名と少し落ち着いているが、東毛地域全体が(再び)増え始めている感じだ。新規のクラスターも発生している模様。

 昨日までの1週間で、「ようやく感染拡大のレベルが下がって来た」と(少しだけ)胸を撫で下ろしていた。が、今日は再び上昇。新型コロナワクチンの接種が効果を表すまで、辛抱強く頑張るしかない。

 今から1年10ヶ月前、群馬県知事に就任した。群馬県知事選挙史上、最多得票での初当選だった。生まれ育った故郷の人たちが、「山本知事なら、きっと何かを変えてくれる」と期待してくれた証拠だ。

 知事になった翌日から、全力で仕事に取り組んで来た。県庁幹部から、知事車のドライバーをお願いしている人たちまで、大勢の職員たちが、「これまでとスピード感が全く違う」「仕事の密度と熱が異次元だ」と言ってくれている。

 にもかかわらず、県内の感染の第4波を、なかなか抑えられず、「まん延防止等重点措置」の適用を余儀なくされている。このことが本当に悔しいし、県民の皆さんに、とても申し訳なく思っている。

 が、いちいち凹んだりしている暇も余裕もない。明日からも、全力で頑張るだけだ。

 今日は、仕事の合間に、Netflixのアニメシリーズ「日本沈没2020」を(3話ほど続けて)見た。なるほど、噂どおりの力作だ。

 改めて、思わずにはいられなかった。「人間の命なんて、本当に儚いものだ」と。いつ、何が起こるかなんて、誰にも分からない。予期せぬ病気や事故、災害で突然、人生を強制終了させられる可能性は、常に存在する。

 知事になってからは、毎日、普通の人の何倍もエネルギーを消耗している。「現場のプレーヤーとして先頭に立っている」という使命感と責任感が、ボヘミアンの楽天的なDNAを抑えつけている分、肉体と精神にかかるストレスや負担も、以前より倍増している。

 

 もちろん、健康管理には気を配っている。この2年近く、一度も風邪を引いていない。右肩を痛めて筋トレが出来なくなった後も、適度な運動を続けている。が、最も大事な(?)睡眠負債の解消は進んでいない。

 明治生命の70年代の有名なCMに、「アイアム・ア・チャンピオン」というのがある。ボクサーの格好をしたゼンマイ仕掛けのおもちゃのゴリラが両腕を振り回して、パンチングボールを叩いている。が、突然、ゼンマイが切れて静止する。今、見ても怖いCMだ。

 きっと、山本一太も、ある日、生体エネルギーが尽きて、あのゴリラのようにパタッと倒れるに違いない。ずっと前から、勝手にそう思い込んでいる。

 なぜか、こんな予感もある。「自分の人生最後の瞬間は、恐らく心の準備をする時間もなく、大事な人たちに別れを告げる暇もなく訪れるだろう」と。ただし、きっと終わる直前まで元気だ。

 だからこそ、人生に悔いを残したくない。最後は、「いろいろあったが、自分の気持ちに正直に生きられた。」と言い残して、生涯を閉じたい。そもそも人生は短いのだ。60歳を過ぎてから、つくづくそう思うようになった。

 昨晩、ハッと気がついた。「仕事でも、私生活でも、家族や友人に対しても、自分にとって大切な人たちと喧嘩をしたり、心がすれ違ったりした時は、その日のうちに仲直りしておこう」と。万一、それが最後になったら、必ず後悔するからだ。

 あ、お湯が沸いた。2杯目のミルクティーを飲みながら、もう少しだけ、自分の心情を記しておく。

 2年以上前、知事を目指すことを決意した。あらゆることを考え抜いての決断だった。その頃のブログを読み返してみて、改めて分かったことがある。知事選に立候補するかどうかを決める際、最後まで悩んだのは、「自分が知事にふさわしい人間かどうか?」という点だった。

 あ、宇留賀副知事に電話しないと。この続きは、次回のブログで。

          <毎週の記者会見も全力投球>