この仕事について今年で12年になります。干支ひとまわり…。

最近、ブログのコメント欄やメッセージで同じ仕事の方から仕事のありようについて質問やご相談を受けることが増えて来たので、個別のお返事とは別にこの学校司書の仕事の現状や私の思いを書いてみようと思います。

公立の学校で働いている人、実は立場も勤務形態もそしてお給料もいろいろです…。

まずは教諭。県の教員採用試験に受かって働くれっきとした公務員。いろんな意味で守られています。でも間近で働いている担任の先生方を見ているとその大変さに頭が下がることがしばしば(逆の方も残念ながらいます…。税金泥棒だ〜と思っちゃう…)。

そして講師。採用試験に受からずに講師登録して正規の教員になるべく頑張っている若者や、昔は教諭として働いていたけれど、結婚して退職した、お子さんが生まれてやめた…でも、もう子どもも大きくなったし、また働こうかな、と復帰してきた方々。名前は講師ですが、とても力のある方がたくさんいらっしゃいます。教諭の先生方と変わらず、担任としてみなさん頑張っています。

あとは栄養士さんや用務員さん。正規の公務員。

そして、学習サポーターや特別支援サポーターなどの「時間」で子どもの支援にあたる方々。全員そうだと断言はできませんが、退職したそれなりの年齢の方が、でも家に引っ込んでいるのはつまらないから〜と働いている方が多いように思います。

そして、いよいよ私たち、学校図書館司書。市によって町によって雇用形態は違うと思いますが、私の市では1日7時間(朝8時から16時まで)・週4日勤務となっています。非常勤の雇用です。

やるべきお仕事は、本の管理、図書の貸し出し、読み聞かせ、ブックトーク、掲示、図書だよりの作成、本の注文…などでしょうか。でも、私たちは先生という立場ではないので、個別で子どもの指導にあたることはないように、となっています。あくまで先生方のサポートという形で子どもと関わるという立場です。

毎日毎日ホントに忙しくて、割に合わないなぁと思うこともしばしば。お給料はホントにちょっと。そしてそれを先生方は知らない…。

ただ、私たちの仕事は自分の裁量1つでどうにでもなります。残念ながら、1日図書室にいて何にもしなくてもある意味オッケーなんです。図書イベントに、読み聞かせに、本の紹介に…やればやるだけ仕事はあるけれど、それを見ているのは、子どもと担任の先生方だけ。私たちの仕事を評価する方はどこにも実はいないのです。だから子どもたちが図書室に授業時間来ても、担任の先生の好きにやってくださいと、読み聞かせも何もしない司書さんもいるとききます。読み聞かせをするとしても棚にある本をささっと選んでとりあえずやる読み聞かせ…。掲示物も何も作らず…、本の貸し借りのハンコだけ押すという方もいるとききます。
異動してみると、昨年度届いた本が箱の中に入ったままだった…ということも経験しました(私の実体験です(>_<))

先生方から頼まれれば動くけれど、自分から何かしようとはしないという方もいます。
でも、それは外からはわからない〜。司書の研修で会っても、実際の学校でその方がどう働いているかは司書仲間にもわからない…。

イベントを考え、プリントを作り、本をどんどん紹介して、掲示物を作っても…、何もしない人と、お給料も変わらないし、待遇もかわらない。頑張っても頑張らなくてもなにもかわらない。そこに虚しさを覚える人もいるようです。

でも、それでも私は、いろんなことしていきたい。どんなに忙しくなっても大変でも楽しい図書室を目指したい。誰も見てなくても、本に興味がなかった子が、目をキラキラさせて、読書に夢中になる姿に出会えるとそれだけでやっぱり嬉しくなる…。

本を通していろんな子どもや先生とつながっていくことは本当に楽しいことです。

担任の先生方から信頼されて、「本のことなららぁりぃさんに聞けば間違いない」と思われることはやっぱり嬉しい。異動した後も前任校、前前任校の先生からいろいろ相談されてリストを作ったりもしています。(現在その学校にいる司書の人には内緒だけど)

そして、管理管理と図書の本の返却の遅いことにだけ目くじらをたてるような図書室にもしたくない。借りたい本があれば子どもは返しにくるわけだから〜。

やることはいくらでもある。やりがいもある。でも、もらうお金は微々たるもの(とても生計を立てていけるものではありません)。

図書館で働く人たちの勤務についていろいろとりざたされていますが、立場がはっきりしていないことも大きいような気がします。
数年前、学校図書館に司書を置くという法律が制定されました。でもこれも「努力義務」。義務じゃないんですよね。「努力義務」。市によっては、人が学校図書館にいなければいけないというのならば、お母さんたちのボランティアが入ればいいじゃないか、という考えのところもあるとききます。

学校図書館司書が正規のお仕事になればまたいろいろちがってくるんだろうなぁと思います…。でもそんな日は来ない感じ。働く人の誠意で成り立っているところがとても大きい仕事のように思います。

と、書きながらだんだん虚しくなって来てしまいました…
子どもたちには、こんな大人の事情は全く関係ない話。


明日からは、また楽しい本のブログにしますね^^。