エキスポの観覧車
エキスポランド閉園までの経緯
エキスポランドと言うのは、大阪・吹田市にあった万博記念公園に付帯する遊園地でした。1970年に開催された大阪万博(EXPO'70)の時、娯楽施設として作られ、閉幕後、1972年3月15日に営業を再開しました。
しかし、2007年5月5日に発生した、ジェットコースター「風神雷神II」の脱輪事故により、女性1名が死亡、21名が負傷すると言う惨事となりました。
エキスポランドはこの事故発生直後から休園となり、8月10日に全施設の点検が終了したとして営業を再開しました。しかし、再開当日の小型コースター「ワイルドマウス」の緊急停止事故、9月15日の宙づり式ジェットコースター「OROCHI(オロチ)」が、 停止位置オーバー後の緊急停止事故、10月7日の急流すべり「バックスピン」での傷害事故などが相次ぎ、安全面での信頼を失い、客足が例年の2割以下に減少しました。
この結果、2007年12月10日から再び休園し、2009年3月までに再開する予定でしたが、支援企業が現れず、営業再開が見込めないため、2009年2月9日に閉園する事となりました。
大観覧車テクノスター
風神雷神II、ORICHI(オロチ)などを初めとする多くの施設は、2009年9月までに撤去されましたが、大観覧車テクノスターは最後まで残っていました。
テクノスターは、1985年、茨城県つくば市で開催された科学万博つくば85で出展された「観覧車を含むパビリオン」の目玉、金色の観覧車「スーパーゴンドラゴン」を移設し、塗装しなおしたものです。
ちなみに、直径85mは、「科学万博つくば85」に因んだもので、当時世界一の高さを誇っていました。つくば万博閉幕後、エキスポランドに移設されて86年3月から来園客に親しまれて来ました。
テクノスターの解体
私の住んでいる所からエキスポランドまでは、直線距離で、7~8kmあります。 天気の良い日には、観覧車がクッキリと見えるのですが、10月の終わり頃、観覧車の近くに クレーンが建っているのに気が付きました。
初めは、高層ビル建設用のクレーンが、偶然観覧車と重なって見えているのかと思ったのですが、どうも、そうではないようなので写真を撮ったのですが、この時 既に観覧車のゴンドラが全て外されていたようです。

(2009.10.31)
次の日、すごく霞んで視界が悪い日ですが、クレーンが2台になっています。
今まで、クレーンは1台だけしか目にしていません。

(2009.11.01)
さらに次の日、午前中に見たときは、クレーンが1台だけだったのですが・・・

(2009.11.02 11:25)
一時間後に見ると、2台となっています。クレーンは移動式のようです。
後で知ったのですが、1台のクレーンは、人が乗るゴンドラを吊り下げていて、ゴンドラに乗った人がボルトを外す等して 分解した部分を、他の1台のクレーンで吊り下ろしているらしいのです。

(2009.11.02 12:27)
11月6日、外周リングの1/3が既に無くなっています。

(2009.11.06)
それから8日後、外周リングは既に無くなり、中間のリングも1/3が撤去されていました。

(2009.11.14)
11月18日、中央のリングだけになってしまいました。

(2009.11.18)
一日後、作業は急ピッチで進んでいるようです。

(2009.11.19)
11月23日、リングはなくなりもう観覧車であることも分かりません。
軸を支持していた柱だけになりました。

(2009.11.23)
その柱も片方なくなり・・・・・

(2009.11.25)
上からどんどん撤去され・・・

(2009.11.26)
撤去され・・・・

(2009.11.30)
とうとう、痕跡も無くなってしまいました。
観覧車は一体どこへ行くのでしょうか。それらしい情報は何もありません。
ただのくず鉄として処理されるのでしょうか。
見慣れた風景がひとつなくなってしまいました。

(2009.12.04)
参考資料
2009/7/10 産経新聞記事 エキスポランド観覧車、吹田市が引き取り検討
この検討の結果がどうなったかは、明らかではありません。
2009/11/15 OSAKAビル景 エキスポランドの観覧車が解体中!
2009年11月17日 毎日新聞記事 エキスポランド:さようなら観覧車 解体進む
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 エキスポランド
(参考資料のリンクは年月とともにリンクされなくなるかもしれません)