吉川市が裁判をすることに反対しました |  みどり色の地球

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結論から申し上げると、追加議案「吉川美南駅東口周辺地区土地区画整理事業内の放置物の撤去に関する訴えの提起」2件とそれに伴う補正予算(弁護料320万円と訴訟費1040万円、合せて1360万円)に反対しました。

理由は、

①調査時間がない議案の提案のされかた

議案の提示から土日を抜かすとたった1日しかない中で、十分な調査資料も出てこないこと。十分な調査のしようがないこと。

本来は3日間の一般質問のあとの扱いなので19日の採決を見込んでいたのでしょうが、コロナ対策で急遽一般質問が省略されたことも要因ではあります。委員会審議を省略する追加議案に重たい案件を持ってくるべきではないという考え方もあります。多くはありませんが議会によっては追加議案は外的要因による緊急のものなど、内容を限定しているところもあるようです。

②こじれた理由がわからない

なぜ裁判をしなくてはならないようなこじれ方をしたのか。地権者が公正公平であることに納得がいかないとのことだが、当議案に関する放置物の撤去に関する交渉回数は12回。文書や電話での折衝。しかも内容証明発行を含めてだと言う。いつ、誰が、どのような内容について話されたのかを知りたくて「具体的に」と聞いても、見えてこない。

③裁判期間の問題

この裁判自体は勝てる見込みと言うけれど、同じような案件で最高裁までかかり、数年がかりになっている事例もある。裁判への突入が、最善の近道なのかどうか判断のしようがない。

④問題の解決になるのか

明け渡しそのものは勝てるかもしれないが、その背景にある仮換地など複数の地権者との問題解決は別件であり、これで解決とはならない懸念。

⑤最悪のシナリオが見えない

期間もそうだが、背景にありそうな様々な問題に対しても不安が充満している。最悪のシナリオ想定を聞いたが、「顧問弁護士と相談」としか答弁がなかった。最悪の事態の覚悟を私自身ができない中で、裁判へのGOサインは出せない。

と、とにかく最大の理由は①として、追加3議案に対して反対をしました。

 

議会での結論

2名の議員の反対討論があり、賛成少数で否決されました。

27,28号議案(賛成 公明3、未来3 無所属2 反対 自民3、市民4、共産3 自民1退出)

29号議案(賛成 公明3 未来3 自民1 無所属1 反対 自民3、市民4、共産3、 無所属1(前議案の議会としての判断を尊重し予算には反対) )

討論の中で、私と同じような意見の他に、こんな大事な議案に対し、市長が一言も発言しないのは、説得力に欠けるというようなお話をされた方もいました。

この後は私の勝手な意見ですが、市長は「自分は正しい」という姿勢が今までも非常に強く、異論をはねつける傾向があります。私自身も似たところがあって、「自分こそが正しい」と意見申し上げてきて、はねつけられた側なんだろうと思っています。しかし、相手方にも主張はあって、どちらも間違っている訳ではないのです。吉川市において色々弁護士が介在する事案がある中で、市長と会ったこともないという相手側のお話も聞いたりしています。対話のないままで弁護士同士がやり合うのに私自身は違和感を持っています。日本はまだまだ訴訟文化が定着していないので、多くの人にとってはすぐに弁護士がでてきたり、裁判をされたりするのは慣れないことではないでしょうか。調整のプロに任せるべきところもあるのかもしれませんが、まずは誠意をもっての話し合いが大切だと思います。様々なところで「自分は正しい」が先行してはいないかと勝手に心配しています。おあしすの件も、演劇の件も、そして今回も、「自分は間違っていない!正しいんだ!」という姿勢が、こじれた原因ではなかったのではないでしょうか。今回、一筋縄でいかない地権者らであるのだろうとも想像しています。しかし、「正しい」というこぶしを振り上げての闘いモードだけでは乗り越えられないものもあるのではないかと、全てが見えている訳ではない私の今思うところです。

 

さらなる結論 

実は反対したものの、工事が遅れたら、また「議会のせいだ」ということになるんだろうなと、暗い気持ちで沈んでいたのですが、なんと、放置物を持ち主が撤去するとの報告が人づてにありました。一筋縄でいかない方と想像していましたが、やはり想像どおりです。想定をはるかに超えた結果が舞い込んできて、一足早く満開気分です。裁判費用の1360万円を無駄に使わせなくて本当に良かったと2重の安堵をしています。

 

下記は新型コロナ患者が確認されて、議会縮小、追加議案の波乱の1週間を書き出してみました。

【新型コロナ患者確認】9日㈪ 

市内の事業所より、2名の新型コロナ患者が確認されました。

 

【一般質問取り下げと追加議案】10日㈫代表者会議にて

吉川市議会では3月2日の時点では執行部の要請があったら柔軟に対応するが、予定通り行うことに決定していました。https://ameblo.jp/gan-kyon/entry-12579271102.html 

しかし今回、市内事業者から新型コロナの患者の確認を受け、代表者会議が開催され、一般質問の取り下げと追加議案についての方向性を確認しました。一般質問を書面での答弁のみにし、日程を3日間繰り上げる決定です。また、内容は知らされていませんでしたが、追加議案があることを知らされました。建設生活常任委員会開催中のため、議運メンバーがそろわないことから、代表者会議での対応となりましたので、決定ではありません。決定は週明け16日㈪9時~本会議前に議会運営委員会となります。

 

【追加議案の説明を副市長より】11日㈬夕方

副市長が各会派を回り、追加議案の説明をしました。こういう時、全員協議会でないのが不思議です。登庁されていない議員は又聞きとなります。

追加議案の内容は、裁判の提起ということでした。

裁判内容は、吉川美南駅東口周辺地区土地区画整理事業内の放置物の撤去についてです。このままでは事業が遅れてしまい、地権者に迷惑が掛かってしまう。保留地処分金が受け取れず、土地活用にも不利益であるため、早急に裁判に入りたいとのことでした。コンテナと重機の置いてある2か所の裁判となります。従前の所有者と放置物の所有者は別の方で、今回は放置物の撤去だけの裁判で勝訴の見込みであるという話です。実は12月に追加議案で提案したかったが、占有しているのが誰か裁判所で出してもらうのが間に合わず、3月3日に決定が出たので、追加議案になってしまったという説明でした。

議案を金曜日にお配りする予定だというので、「それじゃ調査する時間がありません」と申し上げました。もともと一般質問がある想定だったので、審査19日で考えていたところ、一般質問を取り下げたため16日の審査になることで、かなり無理な状況となってしまったようです。

 

【追加議案発送】12日(木)夕方

委員長報告作成後、会派室で色々調べ物をしていると、追加議案が届きました。予定より少しだけ早めです。27,28号議案が「訴えの提起について」、29号議案がそれに伴う補正予算です。弁護料320万円と訴訟費1040万円、合せて1360万円の補正予算が計上されています。市債です。

会派のメンバー全員はそろっていなかったので、翌日午前中に会派ミーテングの予定を立て解散。

 

【追加議案について会派対応】13日㈮午前

昨年、ガラの問題もあり、土砂・盛土について随分勉強をさせていただきましたし、先日会派のメンバーで越谷環境事務所にお邪魔して、土砂に関して意見交換をさせていただき、改めて、色々整理したところでした。今回の裁判は、ガラのことや仮換地のこととは別というのですが、このことを抜きに考えるのは安直のような気がします。

3月議会の初日に市長の施政方針の中でもそうでしたし、常に土地区画整理事業については「順調に進んでいる」と話されてきた一方で、裁判になるほど何がどうこじれたのか、ここまでに至る過程や、その後の影響如何について見通しができなくては裁判にGOをいう決断はできません。

審議前の最後の平日。ダメ元で当日中を〆切に資料請求をし、翌日の会派ミーティングを決め、解散。

【資料請求の内容】

〇区画整理事業の事業計画及び進捗状況

〇区画整理審議会の議事録及び資料

△土地区画整理事業内に残置された重機及びコンテナ等撤去に関わる折衝経過とその内容・争点

〇仮換地の実施状況 

△仮換地を含め交渉が不成立の方の人数・人数比、及び上記の土地に関わる折衝経過とその内容・争点等

×上記に関わる相談・照会・調査・連絡等の対応記録

〇重機及びコンテナ等残置による遅延が想定される事業内容

 

【会派ミーテングにて】14日㈯

資料請求(出てきたもの〇、不十分なもの△、出てこなかったもの×)では、結局これまでのやり取りがどんなものであったのかがわからなず、なぜここまでこじれたのかがやはり見えてこない。別ルートで手に入っている市が関わっている文書すら出てこない。

・この材料では賛否を判断できない。

・継続審議できないか。

・質問はできたほうがいい。

議運での判断にゆだねる形で、ミーティングはお開き。

 

【議会運営委員会】16日㈰9:00~

先の代表者会議での決定を踏襲ということです。

代表者会議では議案内容も知らされてなく、異論も出しました。議運の中身については私の反省も踏まえ、別の記事にしたいと思います。

結局、追加議案については質疑通告なし、質疑時間は共産党26分、市民の会37分の残時間しかないため、リセットし、会派1人30分×人数の持ち時間。委員会付託省略で本議会にて採決、と決定。

 

【本議会】16日10:00~

追加議案については午後15時くらいから

追加議案についての説明と質問。

質問に対する答弁でさらに見えたこと

・「順調に進んでいる」という話の真偽に対しては、95%の合意で57%工事着手していて順調であると主張。しかし、既に昨年中に地権者による重機による侵入、残置、警察の介入、内容証明発送をしていて、142万円をかけて顧問弁護士との契約、占有移転禁止の仮処分をしているということ。これについては秘密裏に進める必要もあり、議会に諮る必要がないとのことで知らされていなかったようです。とても順調とは思えない出来事が続いていたようです。

※占有移転禁止の仮処分とは、仮主以外の方が占有している時に、明け渡しを命じる相手が特定できないので、その相手を固定するために行います。3月3日に決定しています。

 

後の結果は最初に記載したとおりです。

細かい内容を知りたい方は数日後に出てくる動画配信、もしくは数か月後にでる議事録を参考にしてもらいたいです。

毎度ながら長い文章にお付き合いいただきありがとうございました。