浮羽支線廃止
朝倉市の杷木、うきは市の浮羽発着所を起点に山間部へと伸びる西鉄バス久留米の「浮羽支線」。
杷木から北へ向かう宝珠山・小石原系統、杷木から浮羽発着所を経由して南に向かう神杉野系統の2つの系統が現存しています。
バスファンの間では人気の高い路線でしたが、2024年3月31日をもって廃止されることが決定されました。
今回はそのうち、宝珠山・小石原系統に乗ってきたときの様子をご紹介します。
宝珠山複乗
2024年9月23日、やってきたのは杷木バス停。
思えば4年前、日田バスの杷木~日田間(杷木循環線)が廃止になるとき以来の訪問です。
浮羽支線は廃止の前段階として、2024年10月5日ダイヤ改正で平日のみの運行に変更されており、その前に乗りに来たわけです。
しばらくするとやってきたのは西鉄バス久留米吉井支社の0382。ローザという車両です。
このちっちゃなバスに乗って小石原を目指します。
普通のバスと違い、音声合成装置を使っていないため、放送が流れず静かな車内なのが特徴的です。
バスはさっそく脇道に入り、らくゆう館に停車。
その後、国道386号に戻り、東峰村へ向け、県道52号に入ります。
だんだんと山の中へと進んでいきます。
やがて…
分かれ道が現れました。
左に行けばこのバスの終点、小石原。右に行けば宝珠山です。
ここでバスは宝珠山方向へと右折。
この系統はもともと、杷木~宝珠山、杷木~小石原の2系統でしたが、利用者減のため、2系統を合体させることとなりました。
そのため、バスはまず分岐点(塔の元)~宝珠山間を1往復してから(複乗といいます)小石原に向かうのです。
分岐点である塔の元を過ぎるとバスは東峰村へ。
大肥川に沿って走っていきます。
しばらく走り、大行司というバス停を過ぎたころ…
築堤の上を走る道路が車窓に現れました。
その道路はまるで鉄橋のような橋でバス道路をまたいでいきました。
これは日田彦山線BRT(ひこぼしライン)。
もともとは日田彦山線だった路線を専用道としてBRTが走るのです。
バスは最後に大肥川を渡り、
宝珠山に到着。
JR九州の宝珠山駅に隣接しています。
宝珠山駅もBRT化区間に入っているため、列車が来ることはありませんが、BRTが代わりに発着していきます。
鉄道時代は福岡 - 大分県境がホーム上にあることで有名でした。
陶芸の街・小石原へ
宝珠山を出発するともと来た道を戻ります。
先ほどと同様、BRTの専用道をくぐります。
しばらくすると、先ほどの分岐点、塔の元交差点が現れました。
小石原へ向かうため、今回は直進。
先ほど同様、バスは大肥川に沿って走ります。
ところどころでは土のうが積まれている場所があって、日田彦山線を廃止に追いやった九州北部豪雨の爪痕で色濃く残っていました。
小石原に近づくに連れ、陶器を扱うお店が増えてきました。
小石原は小石原焼で有名ですからね~
最後に、道の駅小石原の隣を通って、
終点の小石原に到着しました。
折り返しのバスの時刻まで周りを見て回ります。
小石原の中心部ということもあって、バスの転回場から道を挟んだ反対側にはすぐ窯元がありました。
「民陶むら祭」というイベントが春と秋にあって、そのときは博多からの直行臨時バスがでていましたが、近年では運行されていないようです。
バスはここで終点ですが、道路はこの先も伸びていて、国道500号が英彦山方向へ、国道211号が飯塚方面へと伸びています。
昔は飯塚方面から国道211号嘉麻峠を越えて西鉄バスがここまでやってきた時代もあるらしいです。
今の飯塚~大隈線12番(飯塚~西鉄大隈間)が小石原まで路線を伸ばしていたのだとか。
※こちらのサイトの画像「12番 小石原行き」は現役当時のものではなく、イベントでの再現
すごい時代もあったものですね~
折り返しの杷木行きバスに乗って杷木に戻りました。
観光地である小石原ですが、浮羽支線廃止後は公共交通では行きにくい場所となります。
一応乗合タクシーが運行されるそうなので完全に無理というわけではなさそうですが…
それでは。
★乗車データ