私が儒学を知ったのは小学5年生のときでした。

たまたま、父親の書斎にあった岩波文庫の『孟子』を読みだしたのがきっかけで、その教えに深く共鳴。

それ以降、漢学の本は片っ端から読みふけりました。

中学時代には制服の胸ポケットには『孟子』や『孫子』などを入れ、暇があれば熟読する。そんな日々を過ごしていました。

小学校のときには、いわゆる四書五経(四書とは「大学」「中庸」「論語」「孟子」。五経は、「詩経」「書経」「礼記」「易経」「春秋」)は全て読み終えておりましたが、中学になるころには、山鹿素行や荻生徂徠などの日本儒学に傾倒しました。

高校に入ると、四書五経と日本儒学を抑えていると、しばしば名前が出てくる朱子、王陽明に対して関心を持ちました。

しかし田舎なので陽明学に関する書籍がなく、何かないかと探していたところ、一冊の本に出会います。


真説「陽明学」入門―黄金の国の人間学/三五館

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これは復刊本ですが、元は1994年に出版された本となります。

この本は王陽明の思想、生き方、そしてその後、日本に与えた影響についてわかりやすく解説しており、夢中になって読みふけりました。

これをきっかけに陽明学について深めることができ、大学時代には『王陽明全集』を購入して研究に励みました。

学生時代に大学の友人などから、「陽明学について良い入門書はないか」と問われれば、必ず本書を勧めるといった具合に、とても強い刺激を受けました。


2009年に、林田先生の勉強会があるのを知り、たまたま参加させていただいたところ、非常に講演が面白い。

大体、私の経験では文書が上手い人は、講演がヘタで、講演がうまい人は文書がヘタだったりするのですが、林田先生は文章もわかりやすいし、講演もうまい。

またジェントルマンで私如き、若造を相手に紳士的にふるまってくれるということで、とても感銘を受けた思い出があります。


今はFaceBookなどでお付き合いをさせていただいておりますが、私の人生観といいますが、生き方に影響を与えた方であることに間違いはないと思っています。


陽明学と忠臣蔵―不況・逆境に負けない心の鍛え方 (徳間文庫)/徳間書店

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そんな林田先生から、サインつきで『陽明学と忠臣蔵』をいただきました!(=⌒▽⌒=)


本書の内容は「陽明学を通してみた忠臣蔵」であり、山鹿素行だけでなく熊沢蕃山その他多くの陽明学者の影響を、義士をはじめとした関係者が受けていたことを明らかにしています。

今まで忠臣蔵に関する本はたくさんありますが、陽明学を切り口に、ここまで深く、かつ面白く書いた本はないのではないかと思います。

ご一読いただくと時代劇好きはもとより、陽明学ってなんだろ?という人までお楽しみいただけると思います。