海外在住の外国人家族を健康保険の扶養に入れるには?(中国の場合) | 日本で働く外国人についてのブログ
2010年09月10日 08時05分12秒

海外在住の外国人家族を健康保険の扶養に入れるには?(中国の場合)

テーマ:日本で働く外国人のこと

今日は、当事務所の顧問先企業様よりご質問いただいた、雇用している外国人(中国人)社員の健康保険(協会けんぽ/東京都)被扶養者の手続きについてちょっとだけ。


中国に住んでいる奥様とお子さんを、社員(中国人)の健康保険の被扶養者とし、協会けんぽの被保険者証を発行してもらえるか。


こちらについてですが、被保険者証の発行は可能です。


この場合、手続きに必要な添付書類は、


① 中国政府が発行した、「結婚公証書」のコピーとその日本語訳文
② 中国政府が発行した、「出生公証書」のコピーとその日本語訳文
 

【※】

①、②ともに、協会けんぽ(東京都)の某年金事務所が求める証明書類です。都道府県・年金事務所によって求める証明書が異なる場合がありますので実際の手続きの際は必ず事前に管轄の年金事務所に確認してください。

尚、外国人社員の国籍がアメリカなど北米諸国、ヨーロッパ諸国の場合も同様で、各国行政機関が発行する、結婚証明書/Marriage certificateや出生証明書/Birth certificate とその日本語訳を添付します。



日本のように夫婦の姓が同じ場合は、日本人・外国人に限らず、妻子が外国に住んでいたとしても、健康保険の被扶養者にするために必要な提出書類は特に必要なく、「被扶養者異動届」だけで大丈夫なのですが、中国の場合、夫婦の姓が違うため、①の「結婚公証書」が必要です。


②の、「出生公証書」については、日本の健康保険の被保険者(社員本人)と、子供の姓が同じ場合、たとえば社員が父親で、中国で生まれた子供の名前が本人と同姓の場合(子は父親の姓を名乗ります。)などは、添付する必要はなく、「被扶養者異動届」の書類だけを提出すれば大丈夫です。


一方、逆のケースで、妻が日本にいて、中国にいる子供を日本の健康保険に入れたい場合は、子供と姓が違うため、②の「出生公証書」が必要になります。


ちなみに日本の健康保険証は当然、中国の医療機関では使えませんが、日本の健康保険の被扶養者とした家族が中国で支払った医療費を、あとで日本の健康保険で負担してもらえる場合もあります。(ただし諸条件あり。)


今回の顧問先企業の中国人社員の方の場合、中国で払った医療費の払い戻しが目的ではなく、時々、別居しているご主人を訪ねて短期滞在ビザで来日される奥様、お子さんが日本で体調を崩し、病院にかかった場合に備えて、被扶養者として日本の健康保険に入れることを希望されています。


というのも、以前、日本に短期滞在中のお子さんが急に体調を崩して病院にかかり、高額の医療費を全額自己負担をされた経験があってそれに懲りたからとのことです。


外国人社員も以前に比べて増えていますから、確かにこのようなケースももっともっと多くなっていくのでしょうね。


国民皆保険が整備された日本ならではですが、このように日本の健康保険は、海外に住んでいる外国人の妻子、父母、祖父母、兄弟姉妹、孫などたくさんの親族も全てまとめて被扶養者としてその医療費をカバーしてくれるものです。


その事をご存じない外国人の方も多いようです。


なお、上記については、旧(日本)政府管掌保険である「協会けんぽ」の場合です。外国人社員の方が加入されている健康保険が、●●健康保険組合など、協会けんぽ以外の場合は、独自の規定で運営しています。


ですので、上記①、②に追加して他の詳細な提出書類を求めたり、そもそも海外に住む外国人家族の加入を認めていない健康保険組合など様々です。


外国人社員の方が海外在住の家族を健康保険の扶養に入れたいと希望する場合は先ず最初に、会社の人事担当者に海外に住む家族を扶養家族にできるかどうかを確認してください。


※外国人のご家族の被扶養者認定については、当事務所のホームページ、Q&A集【リンク先】 でも解説しています。


◆就労ビザ申請・日本支店・日本支社設立の若松絵里社労士・行政書士事務所◆





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