世界を言葉におきかえること――それは実在を不在でおきかえることだ。この言葉はもとより私の言葉でなければならない。もし世界が完全なかたちで実在していたなら、当然そう感じられたであろうような親密な感触を、私とのあいだに持ち得る言葉でなければならない。
私はこの言葉の世界――不在の世界に、自分の一族を招集してみたい。
――『一族再会』

《近代名士家系大観について》
近代名士家系大観とは、明治大正昭和という時代に成立した特権的な階層＝旧皇族、旧華族、旧財閥、中産階級(ブルジョワ)、あるいは地方においては幕藩体制下から存続する支配階層といったあらゆる勢力が、婚姻や養子縁組によって綯い交ぜになり形づくることになった途方もない門閥地図のなかで、無自覚ながらそのひとつひとつを構成することになった各家庭の移ろいゆくありさまを、家族の氏名・生年・出身校・肩書・栄典といった事項を指し示す、あらゆる個人の人物像を表象するにはあまりにも乏しく頼りない言葉たちで彩ったものである。

・家系譜記載の方針
当ブログは明治時代から昭和中頃までに興隆した名家の家系譜を登載することを目的としている。
登載される名家の家系は、既に当ブログに登載されている家系とつながりがあるもののみを扱うこととする。　
よって当ブログの登載家系すべては、それぞれ遠い親戚同士であり、全体で日本の門閥地図なるものを形成するものである。
各々の家系にとって周知されることが不利益となるような事項ついては記さないものとする。
学歴、職歴についても同様の配慮をおこなうものとする。

・登載者のプライバシー保護について
登載者は１９７０年代までに成人している人物を扱う。(皇室や有名政治家などの一部の家系についてはそれ以降の世代についても登載することもある)
学歴や職歴については各種出版物に掲載されている内容、関係者の著書がある場合には著書からの引用、さらに登載者の関係する組織による公式ホームページがある場合には、そうしたウェブ上からの情報も参考にするが、登載者の私的なブログやSNSからの生年月日や学歴や職歴等の引用については避けることにする。
登載者の個人情報記載については、第三者が時間と手間をかければ手に入れられる程度の情報に留めるものとし、登載者のご家族及びご子孫のプライバシーを侵害しないよう最大限に努める。しかしながら登載者のご家族やご子孫からの了解があった場合にはこの限りではない。

・記載内容の省略について
登載者及びその家族の名前はすべて敬称略。
表記は人物名については旧字体が望ましいものの、インターネット上の検索順位対策を考慮して原則的に新字体を用いるものとする。また検索順位対策上、あえて複数の箇所で新字体と旧字体を使い分けている場合もある。
生年月日については生年のみを表記。
例として「森林太郎、文久２」とあれば「森林太郎は文久２年に生まれた」という意味である。
本籍地の記載についても省略している。
例として「島根、森林太郎」とあれば、「本籍は島根県の森林太郎」という意味であり「島根士族・森林太郎」とあれば「島根県士族・森林太郎」という意味である。
在住地ではなくあくまで本籍地であるが、原典で在住地が書かれている場合もあるため正確でないこともある。
学歴については主要な学歴についてのみを掲載した。
学校名については省略している。さらに学校名の変遷があるため正確な表記でない場合もある。
特に登載者の家族に関する学歴については曖昧なことが多い。尚、出典元資料調査時での最終学歴なのでその後に進学していることもありうる。
職歴についても同様で、出典元資料調査時でのものなので万全ではない。
主要と思われる役職のみを記載し、現職ではなくとも「元」を省略した。
また勤務先の表記において「株式会社」「合資会社」「財団法人」「社団法人」「学校法人」などの表記を省略している。
栄典についても出典元資料調査時のものであるのでその後昇叙されていることも多い。

その他詳細については
《凡例》を参照のこと
http://ameblo.jp/derbaumkuchen/entry-12085159118.html

当ブログが追究するものは近代名士の、それぞれの家系が過去に繋がっていた形である。
当然それらのものの中には死別や離縁、勘当等により現在では関係が希薄化、途絶してしまっているものもある。しかし、そうしたことは筆者にとっては関心の外である。
筆者が原則として登載者の肩書きに「元」をつけないのと、没年を書かないのはそうした意識の表れである。

kindaimeisi@yahoo.co.jp

永井尚志 ー作家・三島由紀夫の高祖父ー

永井尚志　ー作家・三島由紀夫の高祖父ー