大学児童精神科(2023.12)

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もー先生、11月は大変だったんですよ。
荒れて荒れて。




ごきげんな娘を見送った先生は、キョトンとして
「え、荒れてたの。」




大荒れもいいところですよ。
学校のコンサートがあったんです。
全体練習が始まったら、もう毎朝布団から出てこなく
なって、学校行かないってぎゃんぎゃんでした。



「あれ、チェロのコンサートは上手くいったんだよね」




そうなんですよ。
文化会館の大ホールで、そりゃもうご満悦でした。
だから、音楽がキライなわけじゃないし、人前に出る
のがイヤというのでもない。
よくよく話を聞いたら、たくさんのお友だちと一緒に
並んでじっと立って、先生の言うこと静かに聞いて、
一斉に動かなくてはならないのが、もーたまらなく
イヤなんだそうで。
だから、もうね、ぜーんぶ休ませたんです。
それなのに、後ろめたいのか気になるのか、やっぱり
ぎゃんぎゃん扱いづらくて。




「お、それは周りが見えてきたってことだねえ。
周りと違う自分を認識し始めたんだな。」



確かに去年、学校をすっぱり休ませたときは
あっけらかんとしてましたよね。ははは。



「で、コンサート終わってからはどう?」



学校の方はすっかり落ち着きました。
でも先生、前からなんですけど、あの子どうも食事に
引っ掛かりがあって、やっぱり複数での食事がダメなん
です。何かストレスがかかると、全然関係ない食事に
出ちゃうんですよね。
もう今、毎晩「ごはん、食べなーい!」って大騒ぎで
うんざりしてます。



「全然、食べない?」



いや、放っておくと、大騒ぎした挙げ句、寝る前に
なってぶつぶつ文句言いながら食べてます。



「ははは、じゃいいよ。周りが大騒ぎに乗っからない
ようにね。あれじゃない?
入院していた時の切羽つまった食事風景も、関係ない
とは言えないよね。」




そうですね……。
もう覚えてはいないだろうけど、小さい頃の楽しい
団らんってなかったですもんね……。




先生しばらくじーっと考えて、PCに何かうちこんで、
またじーっと考えていたけど、結局何も言わず
「じゃまた来月ね。」




来月といったら、もう年明けではないですか!
やっと寒くなってきたと思ったら、あっという間です。
今年の娘の病院は、これでおしまい。
ブログを読んでくださった皆さま、ありがとうござい
ました。
ちょっと早いですけど、良いお年をお迎えください。