さあ水曜日。
ステラ先生がひかりちゃんのためにスモールステップ
を用意してくださった日です。
ひかりちゃん、今朝は布団から出てきません。
ぐずぐずぐずぐず。なんじゃらかんじゃら。
……あーあ。
スモールと思っているのは大人の勝手。
ひかりちゃんには、まだ高すぎたかな……。
ため息ついていたら「かきぞめがイヤなのー」と泣き
出しました。
なーんだ。1、2時間目の書写がイヤだったんだ。
娘は、診断されてはいないけど「書字障害」といって
よいレベルで、字を書くことが苦手です。
二年生ともなるとマス目も小さくなって、そこに漢字
ひらかなカタカナ取り混ぜた長文を書かされるので、
彼女には耐え難い苦痛のようです。
通常級で2時間、じっと集中して書き写すって……?
この子が……?
いや、ムリでしょ……。
でもU先生が「やってみましょう」って言ったとか?
言わなかったとか?
んーーー。
せっかくのスモールステップが、富士山のような高さ
になっては、これまで積み重ねてきた日々が水の泡に
なってしまう。
いいや、今日は休ませちゃえ!
たまたま午後出勤で家にいた夫にそう言ったらね。
私の100倍親バカ娘LOVEな夫がですよ。
……なんと、首を縦には振りませんでした。
「ステラ先生が待ってるよ。学校を信じよう。」
それから「多忙な時間帯につき電話はご遠慮下さい」
と通達されている朝の職員室に躊躇なく電話し、
U先生を呼びつけ、書き初めの用紙を拡大コピーして
もらうこと、支援級で書かせること、本人が嫌がった
ら漢字ではなくひらがなでもOKとすること、以上
三点の約束を取りつけたのでした。
私とひかりちゃんは、ちーんと縮こまってパパの電話
を聞いている。なんちゅう親だ。これをモンペと言わ
ずして……
「ハイ、着替えて。学校行くよ!」
有無を言わさない感じで、今日は夫が学校まで送って
いきました。念押ししてくるってさ。
私なら休ませてたよ……。
さて、いつもより遅い11時半、今度は私が迎えにいき
ました。ちょうど支援級の子どもたちが図書室から
戻ってくるところでした。
ひかりちゃんは仲良しのナナちゃんと手をつないで、
にこにこしていました。
U先生はいつものように、すっと中へ入ってしまった
けど、ステラ先生が「ひかりちゃん、よーく集中して
読書していましたよ。本当に本が好きなのね。」
と声をかけてくださいました。
今回ばかりは夫に完敗だわ。
小さな階段、ひかりちゃんはパパと上っちゃった。
ありがとう、夫。