航空会社のキャンペーンソングと言えば…
「シンデレラサマー」 石川優子
「アメリカンフィーリング」 サーカス
「サマーインサマー」 八神純子
「高気圧ガール」 山下達郎
「ふたりの愛ランド」 石川優子/チャゲ
「サマータイム グラフティ」 TOM☆CAT
「風曜日、君をつれて」 THE ALFEE
「浪漫飛行」 米米CLUB
「アメリカンフィーリング」 サーカス
「サマーインサマー」 八神純子
「高気圧ガール」 山下達郎
「ふたりの愛ランド」 石川優子/チャゲ
「サマータイム グラフティ」 TOM☆CAT
「風曜日、君をつれて」 THE ALFEE
「浪漫飛行」 米米CLUB
などなど、それこそ当時はソレと絡み合うことがヒット必須条件の1つとしても数えられていたものである。航空会社のキャンペーンソングは化粧品会社(資生堂vsカネボウ)におけるソレラと共に、あの頃における季節の風物詩のようにもなっていたものである。毎年、各社がどんな戦略とコンセプトで攻めてくるのか…そしてコマーシャルはどんなモノになるのか…そういったことを比べるのも消費者にとっては一種のお楽しみ!だったのでありまする。
今回、取り上げようと思っているこの楽曲も、実は航空会社のキャンペーンソングとして世に出回った作品なのでゴザイマス。まぁ、あんまり知られてないけれどもね。
表題の「熱風半球」はかとうゆかりさんのシングル第3弾として、1983年4月1日に発売された楽曲である。この曲は東亜国内航空(TDA)における夏のキャンペーンソングとなり、テレビを中心にそのコマーシャルもガンガン…とは言わないけれど‘そこそこ’程度にオンエアされていたと記憶する。ちなみに東亜国内航空…と言っても知らないわ~ってな方も多いかもしれない。なぜならこの航空会社は現在、その名を日本エアシステムと改称しているからである。(笑)
そもそも、かとうゆかりさんという方はどんなお方?こんな質問には…
和製コニー・フランシス |
このように答えるのが適切なのかもしれない。なんといってもゆかりさんは…
オールディーズ娘 |
として売った方なんだもの。デビューアルバムだったオールディーズ色がムンムンでしたもの。同じCBSソニーでそのテの音楽をやっていたシャネルズや須藤薫さんに続け!とばかりの戦略だったのかと思われ。
そんな彼女は1982年8月25日に「シュガーぬきのSaturday Night」という楽曲で華々しくデビュー。以後も「放課後ロック」、「ダイナマイトチャンス」(TBSドラマ「胸キュン探偵団」主題歌)などなど…ご本家コニーも顔負けの、パンチあふれるダイナマイトちっくな歌唱法で歌姫街道をまい進した方…だったのである。
そんな彼女が「勝負を決めるわよ!」とばかりに、コマソンタイアップを引っさげて発売したのがこの表題曲だった…ということになる。ゆかりさんのディスコグラフィーをザっと見渡してみても、タイアップに関してはかなり恵まれた方だったように見受けられる。なぜなら前述した他にも彼女のラストシングルだった「STAY」はTBSドラマ「ポニーテールは振り向かない」の挿入歌だったりで。彼女の芸能生活におけるチャンスはそれこそ…
「ダイナマイトチャンス」
とばかりに爆発の可能性すらをも秘めた、極めて恵まれていたソレだったようである。
さて、そんな彼女の勝負曲「熱風半球」の作詞を手がけたのはちあき哲也氏、作曲&編曲は渡辺敬之氏である。
普通、地理上で半球と言えば北と南の2つしかないワケなのだが、この曲のタイトルは…
「熱風半球」
なのでゴザイマス。
「ソレってどこよ?」なんて愚問は不要!歌の世界だからソレが架空のモノであっても…要はなんでもいいのである。いずれにしても航空会社の夏キャンソングとしては、なかなかのネーミングかと…個人的には♪そういうの~わたし好きよ~な世界だったりで。(笑)
楽曲のアレンジはいかにも夏らしい‘ラテン’の風情を下敷きにしたもの。イントロ初っ端からトランペットの音色などもご登場と相成ったりで…その情熱&下世話加減をグングンと増してゆくのでゴザイマス。仮にこの曲が夏のキャンペーンソングでないとしたら♪ソレはちょっとで~きない~相談ね~じゃないけれど…ちょいと耳を疑いたくなる、それ位に♪ナツナツナツナツ~ナツしました~いや、もうちょっとギトっと感のある夏...といった仕上がりっぷりとなっているのである。
デビュー当時のゆかりさんと言えば、そのダイナマイトな歌唱に沿ったようなちょっぴりふっくらめの体型が特徴だったもの。それこそ若き日のコニー・フランシスや和製のソレと呼ばれた弘田三枝子さんのお○○し前みたいな風情だったかと^^;。しかし、この表題曲のリリース時になるとこの曲のイメージに照準をグイっと合わせてきたのか…デビュー当時よりも随分とほっそりした印象になり、よりアイドルらしい風情がしこたま漂う…そんなルックスに変貌を遂げていたりもしたのである。
そんなこの曲のテーマは…
会ってすぐさま恋のとりこ |
コレである。さすがは情熱的でラテンなナツウタのようでゴザイマス。好きになったら命がけ&夢中になったらなりふり構わず追いかける…そんな彼らの信条のようなモノをドップリコンコンと感じさせるテーマとなっているのである。そこら辺りの情熱っぷりはもちろんこの楽曲の中でだってタップリめに記されているの。
♪まさかそんなこと 彼を忘れたくて
見知らぬ島へ 降りたのに
昼と夜となく むきに誘うあなた
熱帯性の 激しさで
見知らぬ島へ 降りたのに
昼と夜となく むきに誘うあなた
熱帯性の 激しさで
ほらね。おそらくは…日本人の彼氏と破局った挙句の果てに傷心旅行をキメこんだとおぼしき主人公様。で、その行き先はというと…見知らぬ島だそうでゴザイマス。元々、この楽曲は東亜国内航空がコーラルアイランドのキャンペーンソングとしてタイアップしたもの。コーラルってのは珊瑚って意味なので、おそらくはどっか…そういうのがあるお島へ上陸したようで。我国では沖縄がソレの候補になりそうだけど、日本人のくせして沖縄が「見知らぬ島」なワケないでしょ。楽曲のアレンジからいくと外国のどっか~といった風情がムンムンなのでありまする。
それにしてもこの主人公様…昼と夜となく…あ~ん!どうやら執拗にオンナを追い回す熱帯性情熱ラテンなオトコ?に狙いうちされようとしているようでゴザイマス。
♪死んでも二度と ロマンスは
ダンスの胸で 思いつめても
ダンスの胸で 思いつめても
傷心旅行に来てるのだもの…それはもう恋なんて二度としたくないわ!というご心境のはず。なのになのに…
♪うっそ~~~~
そうなのです。1983年当時の流行語だった「うっそ~」ってのをここにサンドして…このお歌はスゴイ展開を見せてゆくんだから。
♪めぐりあった途端 もう恋のとりこ
ただあまりすばやすぎて 罪ごごちなのよ
ただあまりすばやすぎて 罪ごごちなのよ
あちゃ~これまたスゴイがな。あ~ん、こんな情熱的な○○○は初めてよ!と言わんばかりに…主人公様は一瞬にしてラテンの毒牙にやられてしまったようでゴザイマス。しかも罪ごごちを感じながらも、その快楽の海へとその身を投げ出したようで。それこそ♪もっと~もっともっと~強く抱いて~とピンク・レディー解散後の‘オトナ’なMIEちゃんが「モアモア」というお歌で熱唱したようにね。それにしても熱帯性の男ってそんなに…赤面。(笑)
この楽曲はオリコン…えっと記録がゴザイマセン。ってことは100位以内へのチャートインは果たせなかった…ということになる。それこそこれは…
♪うっそ~~~~ |
といった結果と言えるか。だってこの曲を唄った時のゆかりさんのビジュアル、歌唱力、楽曲の出来の良さ、「うっそ~」を含んだインパクト、コマソンタイアップ…と色々なウリがてんこもりに揃った上での大勝負だったのにぃ。ナニがイケなくての低空飛行だったのか。ちなみに筆者…このレコードはお小遣いを工面してちゃんと買いましたから、当時。それこそキブンは…
♪めぐりあった途端 もう恋のとりこ
じゃないけれど。(笑)軽めの‘熱風半球フィーバー’くらいには侵されていたのかもしれませぬ。コレを読んでる方の中で同じようにこの曲のせいで病(やまい)った方ってのは…果たしていたのかしらん、ナゾ。(笑)
それにしてもこんなにキャッチーでパンチあふれる傑作が100位にも入らないなんて!まさしく…
♪うっそ~~~~ |
な結果にプンプンする筆者なのでありまする。(笑)
☆作品データ
作詞:ちあき哲也 作曲:渡辺敬之(1983年度作品・CBSソニー)
作詞:ちあき哲也 作曲:渡辺敬之(1983年度作品・CBSソニー)