準拠枠ってご存知ですか?
準拠枠というのは、心理現象の研究においてつくられた概念で、
トルコ出身のアメリカの心理学者、シェリフが提唱しました。
対象(自分にとっての世界や世の中)を認識し、
それを解釈し規定する際、基準として働く
内的なシステム(判断の枠組み)のことです。
分かりやすく言いますと、
個人のものの観方、感じ方、考え方のことです。
個人がこれまでに経験してきたものが一つの枠組みとなって働き、
その枠組みに沿って、人は物事に対する一定の意味づけを
しています。この枠組みを準拠枠と言います。
言うまでもなく、人によって物事の受け止め方が違います
よね?
それは、個人の生まれ持った特性と、これまで生きてきた経験や
習慣が異なるからです。
例えば、同じ言葉を使っていても、その言葉の解釈が全然違って
いたり、同じような出来事に遭遇しても、「チャンス」と思う人もいれ
ば、「どうしょう。困った」と思う人もいますよね?
人それぞれに、異なった準拠枠を持っているからです。
同じ出来事があったとしても、
「わかるわ。私も同じ目にあったから、あなたの気持ちが分かる。」
そして、こうしたら、ああしたらとアドバイスをしてしまうのは、
有難迷惑、要らぬお節介になったりします。
「そういうことがあって、そのように考えているのですね。」
と、相手の話をよく聞いて、相手の準拠枠を理解できると、
当然、人間関係は良くなっていくと思いませんか?
そのためには、自分の準拠枠をいったん外して(脇に置いて)、
心を空にして相手の話を聴いていくことが必要です。
これはカウンセラーがカウンセリングをしていく上で、
最低限必要な基本姿勢ですが、
会社で上司が部下の話を聞く時、顧客からのクレーム対応に、
家庭で、夫婦・親子の親密な関係作りにも使えると思います。
傾聴セミナーでは、ロールプレイで準拠枠を外す
練習ができます。