皆さま、おはようございます。
5月1日のYahoo!トピックスにて、
「運命の2時46分発 駅で交差した「生と死」 JR仙石線野蒜駅」
というタイトルの記事が掲載されました。
東北全土に大きな被害をもたらした、
太平洋沖地震が起こった午後2時46分、
仙石線・野蒜駅では上下線の電車が発車し、
それぞれがある理由で、大きく運命を分けたという記事でした。
その内容を簡単に書きますと…
野蒜駅を発車した上り電車(あおば通駅行)は、
約700メートル進行したところで被災しました。
乗務員はJR東日本の内規に従って、
電車の位置から300メートル北側にある、
指定避難所である野蒜小学校の体育館に乗客を誘導したのですが、
大津波は体育館を直撃し、
津波に押し流された上り電車。現在は車体の全てが撤去済みです。
片や同時刻に野蒜駅を発車した下り快速電車(石巻駅行)ですが、
上り電車の同様に乗務員が、
乗客を同じ指定避難所に誘導しようとしたところ、
野蒜地区に住む男性の乗客が、
「ここは高台だから車内にいた方が安全だ」と助言、
みんな男性の言葉を信じて電車の中に留まりました。
しばらくすると大津波が襲来、
住宅や自動車を巻き込みながら電車の目の前までやってきました。
しかし津波は電車の目の前で止まり、
電車そのものも冠水を免れたそうです。
内規に従った結果と、臨機応変に対応した結果が分けた運命。
そんなことを、この記事では綴っておりました。
被災を免れた石巻行・下り快速電車ですが、
現在でも野蒜駅から800メートルほど北上した地点に、
留置されております。
乗客の機転により、被災を免れた205系・M16編成。
当初は無線も使えず「行方不明」とされた編成のひとつでしたが、
高台であるこの位置のお陰で、
乗客・乗員全員が無事だったようです。
震災から2ヶ月が過ぎたものの、車両は疲労を感じさせぬ状態でした。
線路と道路の間にある大きな用水路によって、
津波の襲撃を交わすことが出来たようですね。
目の前に迫る大津波を、乗客はどのように感じてたのでしょう。
道路を1本隔てた水田には、
被災地沿岸でよく見かける、瓦礫が散乱した景色が広がります。
電車の海側側窓すべてに「がんばろう!東北」のシールが
貼られておりました。
現在、復旧が完了した仙石線・あおば通ー東塩釜駅間に加え、
東塩釜-高城町駅間の復旧工事もほぼ完了、
矢本-石巻駅間も修繕が進められていると聞いております。
残された高城町-矢本駅間に唯一留められた、このM16編成。
奇跡的に被災を免れたこの編成が、
乗客の足として元気な姿を見せてくれる日を、
楽しみに待ちたいと思います。