先日、曲集に収録される楽曲全7曲をすべて、日本音楽著作権協会(JASRAC) に届け、受理されました。

発売される楽曲には当然著作権が存在しますが、作曲家は再利用や販売などで生じるすべての権利や著作権料の管理をすることは不可能ですから、ジャスラックに届けることで、業務を代行してもらうということなのです。


それで、受理に時間がかかったのが、「ベレント・ボッチェ-オランダの民謡より」という曲です。

この曲のメロディは、私の作曲ではなく、オランダ民謡です。

民謡を編曲しているということになるのですが、編曲作品というものは、正式には原作者(権利者)に無断で勝手に他人の作品を編曲、発表してはいけないことになっています。

許諾と場合によって使用料が発生することがあるのです。

たとえば、原作者が「絶対にこんな編曲はイヤだ」と許諾しない場合もありうるのです。

今回の作品は民謡ですから、原作者が存在せず、いわゆるパブリックドメイン(PD)と呼ばれるものですから、許諾も使用料もありませんが、JASRACの編曲審査委員会というところで、承認されないと、JASRACで管理してもらえないのです。


それで編曲審査のため、今回資料としてインターネットからダウンロードした原曲「Berend Botje」のメロディ譜を提出しました。

数日後、JASRACの方から、「インターネット以外の資料はありませんか?」とお電話がかかってきました。

ネット情報は時に間違えた情報もあるから、という理由のようですが、「そちらにこの曲の資料はないということですか?」と伺うと、過去に取り扱ったことがなく、情報がないとのことでした。


膨大な曲数を扱う、あのJASRACが持っていないのですから、やはりこの曲はきっと日本初登場なのでしょう。

「他人がやらないことをやる」というのが大好きな私は、俄然張り切ってしまいました(笑)


いろいろ調べてみましたが、オランダ本国でオランダ語の書籍は出ているようですが、かなり入手困難なものなので、結局ネット情報で勘弁してもらうことにしました。

なので、編曲審査委員会で本当に承認されるかとても心配でした。

承認されないと発売が非常にややこしくなりますから・・・・。

いやー、承認のお返事をいただいたときはホッとしました。


ということで、この曲は多分、日本初発表の民謡ですよ!!

発売をお楽しみに。


あ、JASRACのお話を書いたついでですが、最後に・・・。

楽譜のコピーはやめましょうね。

コピーが増えて楽譜が売れなくなると、出版社の経営が困難になり、ついには必要な楽譜が出版されなくなり、音楽文化の衰退につながります。

私の作品にもNO COPY マークをつけてもらっています。