4月30日、福島県で官製談合防止法違反と公契約関係競売入札妨害の疑いで逮捕者が出たと報じていました。



石川町発注の道路工事の入札で予定価格を業者に漏らすなどしたとして、県警捜査2課と石川署などは30日午前、官製談合防止法違反と公契約関係競売入札妨害の疑いで石川町長塩田金次郎容疑者(76)を逮捕した。

逮捕容疑は、塩田容疑者が、石川町が発注する道路工事の入札で、土木会社に予定価格を漏らし、同社が工事を落札した疑い。

警察は塩田容疑者が情報を教える見返りとして、金銭などの授受があった可能性も視野に調べを進めている。




石川町のケースは、「町長が予定価格を業者に漏らすなどした」ことが、「官製談合防止法違反と公契約関係競売入札妨害の疑い」に当たるとされています。




「官製談合防止法違反」については、これまでにも触れていますので省きますが、「刑法の公契約関係競売入札妨害」について見ておきます。(要約)



(公契約関係競売等妨害)

第九十六条の六 偽計を用いて、公の入札で契約を締結するためのものの公正を害すべき行為をした者は、三年以下の懲役若しくは二百五十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。




今回の事件に即して「偽計」を説明すると、



入札しようとしている者に対し、予定価格を内報してそれに基づいて入札させる行為。



とされています。



つまり、公務員が「予定価格を漏らす」などすれば、「官製談合防止法違反と刑法の公契約関係競売等妨害の疑い」で逮捕されるということです。
 


今回の道路工事のような土木工事は、国土交通省が定めた土木工事費積算要領及び積算基準と建設物価調査会が調査した建設物価を使って設計しますので、担当課で行うことができますし、だれがやっても設計金額は同額になります。

つまり、設計金額が大きくなったり、少なくなったりすることはありません。



したがって、公務員の土木工事に係る官製談合防止法違反等の大半は、「予定価格を漏らす」ことが原因になっています。



ところが、安芸高田市とアキタカターンズとの疑惑は、「業務委託」に関わるものであり、土木工事とは設計の仕方が違います。

そして、安芸高田市の場合はより悪質です。

次号で、そこを見ていきます。