最後に、今回の計画(素案)の欺瞞性を指摘しておきます。



市教委は、保護者の理解について次のように記述しています。(P16)



保護者を対象にした説明会でいただいた意見及び保護者アンケートの結果では、1校案に対する理解は、回次を重ねるごとに増えてきています。



はたしてそうなんでしょうか。

4回のアンケート調査を比較します。


     全保護者   回答者     1校案     1校案/全保護者

第1回  1,164人  965人(82.9%) 293人(30.4%)  (25.2%)


第2回  1,115人  479人(43.0%) 203人(42.4%)  (18.2%)


第3回  1,086人  811人(74.7%) 442人(54.5%)  (40.7%)


     対象者    回答者     1校案 

第4回   468人  443人(94.7%) 292人(65.9%)


全保護者 1,086人     (40.8%)           (26.9%)


(注 第4回の対象者は、説明会に参加もしくはWeb配信を視聴した保護者のみです)



市教委は、1校案のゴシック体で期した数字だけを計画(素案)に載せて、「1校案に対する理解は、回次を重ねるごとに増えてきています」と説明しているのです。



しかし、第4回目のアンケートの対象者は、全保護者を対象にした以前の3回とは違い、研修会等への参加者のみを対象にしたものです。

比較検討ができないアンケート結果をもって結論を導く欺瞞性がわからないのでしょうか。



また、4回のアンケート結果を見れば、全保護者のうち1校案に賛成している保護者は、多く見積もっても半数程度であることが見て取れます。



しかも、最大の問題は、議論が煮詰まり、関心が高まるはずの4回目の説明会等に参加した保護者が、43.1%しかいないということです。

これは、保護者の関心のなさよりも、参加しても意味がないことを見透かした不参加だと理解すべきでしょう。



こうした実態の中で、市長の実績づくりのために、「1校案に対する理解は、回次を重ねるごとに増えてきています」と虚偽の説明を繰り返し、強行突破するなど許されることではありません。



市長の思い付き程度の方針だけで稚拙に進めれば、混乱が待っているだけです。



中学校の統合は、いずれ検討する段階に入ります。

その時期になれば、新市長の公約に沿って、保護者や市民等の関係者が課題を洗い出し、議論し、納得できる計画を練り上げていくべきです。