「恫喝された」と大ウソをでっちあげ、名誉棄損で全面敗訴した市長が、自らの延命を図るためだけの控訴を専決処分で強行することが明らかになりました。

当面の焦点は、議会が臨時議会の開催を市長に請求し市長不信任案を提出し可決するのか、もしくはそのまま見過ごすのかになっています。



「恫喝された」と大ウソをでっちあげた市長を、議会がそして一人一人の議員がどう判断し、どんな振る舞いをするか注目されます。

今後の議会の動きを法律的に見ておきます。



1.議会が、市長を辞職に追い込むには、臨時議会において不信任決議をする必要が
  あります。


① 臨時議会の開催には、次の方法があります。

ア 議長は、議会運営委員会での議決を経て、不信任案を付して市長に開催を請求す
  る。

イ 4分の1以上の議員が、不信任案を付して市長に開催を請求する。


② 市長は、請求があった日から20日以内に臨時議会を招集しなければなりません。


③ 臨時議会で市長不信任を決議するには、次の要件が必要です。

ア 全議員の3分の2以上の議員(11人)が出席し、

イ 出席議員の4分の3以上の議員(全議員が出席した場合12人)が賛成する。



臨時議会で、不信任決議がなされても市長が潔く辞職することは考えられませんので、次のような流れが想定されます。


① 市長は、不信任決議後10日以内に議会を解散し、40日以内に市議会議員選挙が   
  実施されます。


② 市議会議員選挙後の最初の議会で、次により市長は失職します。

ア 全議員の3分の2以上の議員(11人)が出席し、

イ 出席議員の過半数の議員が同意する。


③ なお、市長不信任の同意がなされない場合、市長は8月上旬までの任期を務めま  
  す。



ところが、市長を支える議員の間には「市長選挙との同日選挙」を考えているふしがあります。


① 臨時議会で不信任が決議されると、市長は10日以内に議会を解散します。


② 市長は議会解散後、自ら市長を辞職します。


③ 市議会議員と市長の同日選挙が実施されます。


④ なお、新たに選出された議員と市長の任期は、4年間です。



〔注〕専決処分された控訴は効力を持ちますので、控訴を取り下げるか又は判決が出
   るまで続きます。



2.議会が臨時議会で市長の専決処分による控訴を追及しなかった場合を見てみま
  しょう。


① 市長は次の議会で、専決処分の承認を求めることになります。


② 議会が不承認しても、専決処分の効力は失われず、そのまま控訴審が続くことにな  
  ります。

なお、市長は「議会は控訴したときになぜ問題にしなかったのか」と居直るのは間違いないでしょう。